PageTopButton

暑い夏に万全な熱中症対策!!些細なサインを見逃さず早めに対処

大賀薬局

連日、酷暑の日が続くようになり、テレビのニュースや気象情報などでは、ほぼ毎日のように「熱中症」に対する注意の呼びかけが、また、ネットではその予防や対策に関する様々な情報が、数多く発信されています。
 

この時期は特に、ある程度の対策をとっていたにもかかわらず、ちょっとした環境の変化や、その日の体調などが原因となり、熱中症にかかってしまう可能性が十分に考えられます。
 

熱中症は仮にごく軽い症状で終わったとしても、数日間にわたり不調や違和感が残ったり、持病の悪化につながったりと、異変に気づいてすぐに対処をしても、体に何らかの影響を及ぼしてしまうこともあります。

そこで今回は改めて、熱中症とその兆候について、とるべき予防と対策について紹介していきます。

「熱中症」とは


熱中症という言葉は、文豪で医師でもあった森鴎外らが、1896年に出版した「衛生新篇」で初めて使用したものだとされており、近年では熱疲労や日射病、熱射病などの暑熱による障害の総称、または、統一称のような形で2000年から正式に使われ始めました。
 

熱中症は、その暑熱の環境下において体温の調節がうまくいかなくなり、体の中に熱がこもってしまい起こる様々な障害のことであり、熱中症にかかると、だるさや吐き気、めまい、立ちくらみ、足のつり、痙攣などの症状があらわれ出してきます。
 

特に梅雨の時期などは、気温が25~27℃くらいとそんなに高くない日でも、湿度が60%以上だと体に熱もこもりやすくなるため、熱中症に気をつけて過ごさなければなりません。
 

暑い日でも湿度が低ければ、カラッとして過ごしやすく、気温が低い日でも湿度が高ければ、ムシムシ、ジメジメ感じることからも、湿度による体への影響は想像がつくかと思われます。
 

また熱中症は、屋外に限らず、高温多湿な室内でも非常に起こりやすく、かかった人のほぼ半数近くが、締め切った部屋や住宅内で発症しているというデータも出ています。
 

水分を多く保持する筋肉の量が少ないお年寄りや子供、あるいは持病のある方、さらには、体温調節を担う自律神経が乱れやすくなる睡眠不足の人などは、絶えず留意しておくべきだと言われています。
 

そうした現状もあり、日差しの当たらない室内にいても決して油断することのないように、国や各自治体などは、不快指数や暑さ指数の数値を参考に、天気予報やニュースとともに「熱中症警戒アラート」を発令して、積極的に予防を呼びかけています。

脱水症や熱中症のサイン

気象病は、天気の変化などがきっかけで起こる諸症状の総称なので、正式な病名や診断名ではありませんが、日本では約1,000万人の人が、その症状に悩んでいると推測されています。
 

暑さに対して起こる人の正常な反応や、軽度な疲労などとは異なり、脱水症や熱中症へと進んでしまう前ぶれとして、体にはちょっとした変化やサインがあらわれてきます。

●「普段より尿が濃い」・・・体内の水分量が減少してきている。
●「わきの下が乾いている」・・・体の乾きが進行し、汗がうまく出せなくなっている。
●「唾が出にくい」・・・舌が乾いて唾が出にくいと感じたら、体の水分が減っている。
●「手足だけ冷たい」・・・体の潤い不足で、血液が末端まで届きにくく手足が冷える。
●「動悸がする」・・・脱水傾向で酸素供給量が減ると、心拍数を上げて補おうとする。

その他にも、手の甲の皮膚をつまみ離した後、すぐに形が戻らなかったり、親指の爪を強く押した後、離してもすぐに色が戻らなかったりすると脱水症状の進行が疑われます。
 

熱中症が心配な時は、こうした前兆となるサインを見逃さず、早めに対処していきましょう。
 

熱中症が引き起こす後遺症

もし、熱中症になりかけで終わったり、軽症で済んだりしても、色んな後遺症を残すことがあります。
 

たとえば、体の水分が不足しがちになることで、尿の排出量も少なくなり、毒素もたまりやすくなって腎機能の低下につながったり、脳の血管にかかる負担の度合いが強ければ、軽い記憶障害や低酸素脳症を誘発したりしてしまうことなども、決して大げさではなく懸念されます。
 

他にも、かかった後食事を飲み込みにくくなった、よく吐き気がする、軽い倦怠感が続く、先に話したような持病の悪化につながった、という方も少なくないようです。
 

体力に自信がなかったり、体に不安がある方はとりわけ入念な予防が求められます。

熱中症の予防と対策を効果的に行う

熱中症の予防や対策としては、エアコンなどによる温度や湿度の維持の他に、適度な塩分を含む「経口補水液」のこまめな摂取、様々な冷却グッズの活用などがよく知られています。
そして、それらを効果的に使うための意識も持っておくことが大切です。
 

こまめな水分補給にはスポーツドリンクでも悪くはないのですが、糖分が多く、反って喉が渇き逆効果になるため、経口補水液と称するものがよく、また、冷えた状態でガブガブ飲むと食欲や内臓機能を低下させるので、なるべく常温で飲むことが大切です。

そして、効率的に体温を下げるのには、首、脇の下、足の付け根等、太い血管が通る所を適度に冷やすことなども頭に入れて、対策に取り組んでみるとよいでしょう。
 

熱中症は人間だけではない

人と同じように当然、他の生き物たちも熱中症にかかります。

ペットとして大切に飼っている動物にも、この時期は特に十分な配慮が必要となります。
 

犬の散歩などは、温度が高く、アスファルトの照り返しが強い日中は避け、できるだけ気温が低い朝夕に行い、室内で留守番の時でも、常に涼しい環境を整えてあげることが大切です。
 

そして猫は、犬に比べあまり水を飲まず、不調のサインも分かりづらい上、暖かい所に行きたがる傾向があるため、自由に動ける適温の室内に保ってあげることが大事です。
 

また、それ以外の飼っているペットに関しても、それぞれの脱水症状や熱中症のサインについてきちんと調べ、把握をしてしっかり対策をとってあげて下さい。


それから最近では、暑さによる携帯電話の障害にも、その症状になぞらえ「スマホ熱中症」という言葉が使われているようです。

これは、スマホを夏の高温下にさらし続けたことで、人と同じように、その排熱機能が追いつかなくなり、内部に熱がこもり様々なトラブルが起こる状態を表現した言葉だそうです。

その際には、保冷剤などで急激に冷やしたりすると、結露で内部に破損が生じることもあるため、10円玉をたくさん当てて、その銅の素材を活かし熱をゆっくり吸収しながら、少しずつ常温に戻すのがよいそうです。
 

肝心な時に、必要なデータが使えなくなってしまったり、大事な情報が全てやられてしまったりすることがないように、携帯はなるべく日陰の涼しいところに置くようにしましょう。

おかしいと感じたらすぐに病院へ

これからも各地で、ますます酷暑の日が続くことが予想されます。
 

だからといって、常に涼しく快適な所ばかりで過ごしていると、人が持つ本来の、体温を調節する機能を弱らせてしまうことになってしまいます。
 

時には無理のない範囲で、日陰を中心に散歩をしたり、入浴をしたりして、適度な汗で熱を放出する「暑熱順化」ができる体づくりも心掛けていきましょう。
 

とはいえ、暑さで体にいつもと違う異変を少しでも感じるようなことがあれば、すでに熱中症にかかってしまっている可能性も十分に考えられます。
 

おかしいと感じたら、決してひとりで対処することなく、迷わずすぐに医療機関を受診して下さいね。

些細なサインを見逃さないで、暑い夏に万全な熱中症対策を。

この記事はいかがでしたか?
リアクションで支援しよう

この記事を書いたひと

大賀薬局

大賀薬局は、福岡県を中心に、調剤薬局、ドラッグストアを展開しています。各店舗のご案内、お得なキャンペーン情報をご案内。