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RKBラジオ・スナッピー50年記念特番で歴代キャスターが北九州の宝を紹介

RKBラジオのキャスタードライバー「スナッピー」は1975年7月に発足し、日々エリアの話題をラジオを通して伝え続けて50年目を迎えた。今年7月15日にはそれを記念した特別番組『スナッピー50th Anniversary~ありがとう!そしてこれからも~』が放送され、歴代スナッピー約20人が出演、久しぶりにマイクを握った。(報告・スナッピー小島可奈子)

北九州の「未来に残したいふるさとの宝」とは?

今回の特番でリポートする歴代スナッピーに与えられたテーマは「未来に残したいふるさとの宝」。1975年にデビューした1 期生から私たち48期生まで、福岡チームと北九州チームに分かれ、エリアに飛び出しました。今回は私が担当した北九州チームの一日を振り返ります。

北九州在住のアーティスト・黒田征太郎さん

16期生・園田静佳さん

北九州チームのトップバッターは、1990 年から3年間スナッピーとして活躍した16期生の園田静佳さん(58)。当時の緊急連絡手段はポケベルだったそうです。

黒田征太郎さん(左)

園田さんの「未来に残したいふるさとの宝」は北九州在住のアーティストでイラストレーターの黒田征太郎さん。アトリエに入ると、画用紙ではなく紙袋からペットボトルの蓋、靴などが置いてあります。黒田さんにかかれば、どんなものでも作品になります。作業部屋はまるで黒田さんの頭の中に入ったような感覚がありました。

黒田さんのアトリエ

黒田さんを紹介しようと思った動機は、85 歳という年齢にも関わらず、世界中を飛び回っているからだそう。なんと、今年は南極まで行ってきたそうです。理由を聞くと「とりあえず、誘われて行っただけ」。訪れたとき、南極は大しけだったそうで、30メートルの荒波が打ちつける中、黒田さんはその様子を描いていたそうです。

明治の文豪・森鴎外を知る女性を取材した元スナッピー

2期生 岡田和子さん

スナッピーがリポートを始めるときの第一声「はーい!」が今もパワフルな2期生・岡田和子さん(70)。1976年にデビューした2 期生は8人。「華の2期生8人衆」と呼ばれていたそうです。今でも交流があり、岡田さんにとってはスナッピーの同期メンバーも「いつまでも残したい宝」だそうです。

森鴎外旧居から放送

岡田さんが「未来に残したいふるさとの宝」をリポートするために訪れたのは、明治の文豪として知られる森鴎外(鷗外)が旧陸軍第12師団軍医部長として小倉に赴任したときに住んでいた森鴎外旧居。鴎外は小倉での経験をもとに「鶏」「独身」「二人の友」のいわゆる小倉三部作を執筆しました。岡田さんはスナッピーだった48年前、鴎外に会ったことがあるという、当時86歳の女性に話を聞いたことがありました。

女性が8歳のとき、鴎外と地元のお祭りに一緒に出かけたときのことを思い出して「とても柔和で優しい顔立ちをしていたの。お祭りで、お手伝いさんにお土産を買っていったの」と話してくれたそうです。

北九州が発祥の角打ち

17期生 中島リカさん

「ゴクゴク」という喉を鳴らす音からリポートを始めたのは、17期生の中島リカさん。母方の実家は八女市黒木町の造り酒屋という中島さんは「遺伝子レベルでお酒好き」だそう。現在「K.上村とフルーツパーラーズ」という、スタンダードジャズを演奏するバンドのメンバーで、ジャズシンガーとして活躍しています。

さかもとや酒店

そんな中島さんの「未来に残したいふるさとの宝」は北九州が発祥の角打ち。おじゃました北九州市戸畑区「さかもとや酒店」は創業80年、店を切り盛りする店主の坂本さんは3代目です。戸畑エリアは製鉄所の従業員が仕事帰りに立ち寄る場所として角打ちが増えていったそうです。「さかもとや酒店」の角打ちでは、200円のハムカツをアテに420円のビール(大瓶)を飲めば、千円札でお釣りが来ます。最近では一人で利用する女性客も多いそうです。

北九州の特産工芸品・孫次凧

15期生・山下真理さん

スナッピーになる前からRKBラジオのファンだったという、15期生の山下真理さん(58)。放送後の反省会で、局の顔だったパーソナリティの井上悟さんに注意されても「まるで憧れのアイドルから怒られている気分」で興奮を覚えていたそうです。そんな山下さん、今は趣味が高じて福岡市内のゴルフショップで販売員をしています。

山下さんの「未来に残したいふるさとの宝」は北九州市戸畑区で明治末期から特産工芸品として作られている孫次凧。専門店「カイトハウスまごじ」の竹内よしひろさん(80)はこの道54年の大ベテラン。凧はバランスが重要ですが、竹内さんは型紙なし、フリーハンドで凧を作れるそうです。かつて妻が担っていた色塗りは、娘のあずささんに引き継がれています。

北九州市八幡東区に伝わる前田祇園山笠

元気で明るい声を特番で届けてくれたのは、23期生の秋永亜伊子さん(51)。現在も北九州市を拠点にイベントの司会やナレーションの仕事をしています。同じくスナッピー卒業生で、「ピンチーズ」のコンビ名で歌手活動をしている26期生の中村美由紀さんと麦田陽子さんは、「北九州の祭りやイベントのステージに行くといつも、秋永さんが司会をしている。北九州を牛耳っているのではないか」と冗談交じりに話していました。

23期生 秋永亜伊子さん

お祭り大好きな秋永さんの「未来に残したいふるさとの宝」は今年819 回を迎えた、北九州市八幡東区に伝わる前田祇園山笠。高さ4.2メートルの山笠は豪華絢爛で迫力がありました。中継では、女性として初めて山笠に登った星野いずみさんにインタビュー。「誰よりも楽しませてもらって、感謝でいっぱい。長い伝統があり、女性が山笠に登ることは難しいことでしたが、言い続けていたら叶えてくれました」と嬉しそうに話していました。

前田祇園山笠

この日は祭りの最終日、競演会が執り行われ、その司会を務めるのはもちろん、秋永さんでした。

特番を通じて先輩たちの言葉に触れる

スナッピーは2人一組でラジオ中継車で移動し、取材・リポートを担当しない方が運転・電波の送信などの技術を担当します。今回の特番では、21期生の江藤晴美さんが技術を担当。普段『エキサイトホークス応援団』をはじめRKBラジオの番組に出演している江藤さんですが「今回は、声の乗らないところで支えたい」と自ら名乗り出ました。ほかの先輩たちは代わる代わる登場する一方で、私たちは猛暑の中で10時間を駆け抜けました。番組終了後「久しぶりに長時間中継して、現役時代を思い出した」と江藤さんは満面の笑みを見せてくれました。コンビを組んだ私だけのご褒美です。

21期生 江藤晴美さん(中央)

この特番を通して思い出した言葉があります。4期生の白水君枝さんが、スナッピーデビュー前の研修で使ったテキストの最後に書かれていたというその言葉を、私に教えてくれました。

スナッピーには未知にかける勇気と体験の積み重ね、機敏で的確な情報判断が必要。活躍を祈る。そして、あなたが地域の社会の若い代表として、人々とRKBラジオとを結ぶ愛すべき存在になることを期待しています。

この49年間、200人近いスナッピーが、この思いをバトンのように渡してきたからこそ、今の私たちがあるのだと実感しました。現役である私たち(47期生・前田愛美、48期生・神谷留菜、小島可奈子、長谷恵)には、そのバトンを守り、引き継いでいく責任があります。そのためには、日々のリポートひとつひとつを大切に積み重ねていくことしか出来ません。

大切に育ててくれたRKBラジオの皆さん、取材に協力してくださるエリアの皆さん、ラジオを聴いてくれるリスナーのみなさん、いつもありがとうございます。50年目もその先も、よろしくお願いします。

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小島 可奈子

スナッピー

出身地:佐賀県唐津市 誕生日:7月8日 趣味・特技 ホークス応援、海外のゴシップ集め、食パン作り、伝統工芸