貯金が上手な人は、毎月の削りどころを抑えています。無理に切り詰めるのではなく、削れるものから削っていくことが貯金への第一歩。そこで今回は、「節約しやすい支出」についてまとめてみました。どのような部分で節約できるかを把握し、狙いを定めて節約を進めていきましょう。
貯金が上手な人の支出管理
同じ収入額でも、貯蓄ができる人とできない人がいます。その差は何なのでしょうか。ここでは貯金が上手な人と下手な人との違いを紹介します。
貯蓄が上手な人のマインド
貯蓄を上手くできる人には、以下のような傾向が見られます。
上記の表のように、どのようにお金と向き合うかが整理されている人は貯蓄が上手な人です。極限まで切り詰めた生活をしお金を貯めているという訳ではく、お金の使いどころを見定め削れるところをしっかりと削っているためお金が貯まりやすいのです。
貯蓄が下手な人の特徴は?
反対に、貯蓄が下手な人には、以下のような傾向が見られます。
・お金の出入りを管理していない
・「自分へのご褒美」「どうせ買うならいいもの」等の理由で、ワンランク上の物を揃える
・「いずれ役に立つ」等の理由で、不要なものまで買い揃える
・その場の気分で衝動買いをする
・何もかもを節約しようとし長続きしない
など
貯蓄が下手な人は、どのようにお金を使うかを明確化しておらずなんとなく消費をしているため、結果お金がどんどん減ってしまうケースが多いです。
固定費→変動費の順に削っていく
支出は、「固定費」と「変動費」の大きく2つに分けられます。
節約をする順番として、まず先に固定費を減らし次に変動費を減らす流れが良いと言われています。理由として固定費は金額が大きいものが多く、一度見直せば毎月確実に支出を減らしていけるためです。
一方で変動費はその場限りの節約となってしまうこともあり、月々のイベント等によりどうしても減らせないこともあるため、変動費より先にまず固定費を減らした方が安定して節約することが可能です。
節約しやすい固定費は?
固定費のなかで節約しやすいのは「水道光熱費」です。機器の買い替えなどをしなくても、普段の使い方を見直すことで、電気代、水道代、ガス代を節約することができます。
以下は、光熱費節約の代表的な例です。
・夏の冷房時の室温は28℃を目安にする:年間で約820円節約(※1)
・冷蔵庫にものを詰め込みすぎない:年間で約1180円節約(※2)
・ガスファンヒーターは必要な時だけつける:年間で約2380円節約(※3)
・電気ポットを長時間使用しない時は、プラグを抜く:年間で約2900円節約(※4)
・ジャー炊飯器を長時間使用しない時は、プラグを抜く:年間で約1240円節約(※5)
・お風呂の入浴は間隔を空けない:年間で約6880円節約(※6)
・シャワーは不必要に流したままにしない:年間で約3300円節約(※7)
・洗濯物はまとめ洗いをする:年間で約3980円節約(※8)
※1 外気温度 31℃の時、エアコン(2.2kW)の冷房設定温度を 27℃から 28℃に
した場合(使用時間:9 時間/日)
※2 詰め込んだ場合と、半分にした場合との比較
※3 1日1時間運転を短縮した場合(設定温度 20℃)
※4 ポットに満タンの水 2.2ℓ を入れ沸騰させ、1.2ℓを使用後、6時間保温状態にし
た場合と、プラグを抜いて保温しないで再沸騰させて使用した場合の比較
※5 1日に7時間保温し、コンセントに差し込んだままの場合と 保温せずにコンセントからプラグを抜いた場合の比較
※6 2時間放置により 4.5℃低下した湯(200ℓ)を追い焚きする場合(1回/日)
※7 45℃のお湯を流す時間を 1 分間短縮した場合
※8 定格容量(洗濯・脱水容量:6kg)の4割を入れて洗う場合と、8割を入れ、洗濯回数を半分にして洗う場合との比較
ご覧のように家庭にある多くの機器で節約が可能であり、それぞれで使い方を見直せば、チリツモで年間何万円もの光熱費節約となることがあります。この他にも節約できる箇所はまだまだあり、詳細は資源エネルギー庁「家庭の省エネ徹底ガイド春夏秋冬」をご確認ください。
クレジットカード支払いで節約
水道光熱費は、クレジットカードで支払うことができます(ただし事業者や自治体によりクレジットカード払いに対応していないケースもあり)。
クレジットカード支払いにすれば、通常1%前後のポイント還元が受けられることが多く、たとえば水道光熱費が2万円、ポイント還元率が1%であれば、月々で200円、年間で2400円の節約となります。
契約する会社やプランの見直し
契約している電力会社やガス会社などを変更することで、支出を減らせることがあります。特に電力の場合、電力自由化以降に新規で参入した「新電力」と呼ばれる電力会社へ変更したり、夜間プランなどに変更することで、ご家庭によっては料金を大きく減らせることもあります。
住居費の見直しが必要なポイントは
固定費の中で特に比重が大きいのは「住居費」です。しかし住居を変えるというのは簡単ではなく、敷金、礼金、引っ越し代等の費用も発生してきます。そのため、まずは住居費ではなく水道光熱費などの手軽に節約できる固定費から削っていくほうが賢明です。ただし、一般的に「住居費は手取り収入の3割が目安」といわれており、あまりに高い場合には住居変更を検討することも大切です。
節約しやすい変動費は?
続いて、変動費において節約しやすいのは「食費」です。食費は変動費の中でも最も支出割合が高い費目であり、かつやり方次第で節約できる幅が大きい費目でもあります。
食費を節約するには「自炊」
食費を節約する場合、効果が大きいのは「自炊」です。例えば、朝昼晩すべて外食や買い食いをすると1日2000円程度かかることがあり、それを1カ月間(30日)続ければ単純計算で食費は6万円です。自炊をすると1日900円程度に抑えることは可能であり、1カ月続ければ2万7000円のため、外食した場合に比べ大幅に支出を抑えられます。
自炊で節約するコツ
ただ自炊をするだけでなく、以下のような工夫を施すことでより自炊での支出を抑えられます。
・作り置きする
・安いレシピを研究する
・安いお店を利用する(業務用スーパーなど)
・安い食材を選ぶ(セール品やプライベートブランド品など)
・レシートやアプリについてくるクーポンを活用
・フードロス通販(訳アリ食材の格安通販)を活用
など
一方でコンビニなど価格の高いお店で食材を調達したり、高額なレシピばかり作っていると、自炊をしていてもあまり節約できないことがあるので注意しましょう。
変動費の削減はランクを下げる
食費に限らず変動費を下げるためには、購入する商品のランクを下げることがポイントです。
・日用品はノーブランド品を活用、ディスカウントストアやネット通販で一度に大量購入(日用雑貨費の削減)
・服はメルカリなどフリマアプリを活用(被服費の削減)
・薬はジェネリック医薬品を活用(医療費の削減)
など
ノーブランド品や中古品などでも事足りるケースも多いため、特にこだわりがない品に関しては積極的に活用したいところです。
以上、節約しやすい支出について解説しました。節約をする上で、無理に何もかもを節約したり必要なものまで削る生活をしていると、かえって長続きしないことがあります。そうではなく、今回紹介したような節約しやすい費目から優先し節約していくと上手くいきやすいため、まずは無理なくできることから節約を進めてみてはいかがでしょうか。
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