「ジャポン!チャ・チャ・チャ」。約3週間現地取材したパリ・オリンピック。一番驚いたのは日本を応援してくれるフランス人の姿だった。
私は大会8日目、パリ・サンジェルマンFCの本拠地パルク・デ・プランスで行われたサッカー女子日本代表「なでしこジャパン」の準々決勝を観戦した。対戦相手は米国。観客席も米国人サポーターがほとんどで完全アウェーだった。ところが「U・S・A」コールが会場に響く中、遠くから「ジャポン」という言葉が聞こえてきた。よく見るとフランス人を中心とする海外のサポーターが日本を応援してくれていたのだ。
他競技でも日本代表を応援する声が聞かれた。男子柔道の阿部一二三選手が金メダルを獲得した時もRKBクルーに対して「おめでとう!」とフランス人が話しかけてくれた。男子バスケの日本対フランスの試合では、母国を応援しながらも日本代表に好プレーが出ると私たちに「ナイス!」と言ってくれた。現地の方とハイタッチなどもして、お祭りムードを楽しむことができた。
競技会場だけでなく、パブリックビューイングでの観戦も多かった今回の五輪。これまでテレビで見るものだったが、現地の人とお互いをリスペクトしながら観戦できて、スポーツは人を興奮させ、笑顔にできるのものだと改めて感じた。
8月31日(土)毎日新聞掲載
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