新築住宅を建てる際、費用負担を軽減するための補助金や減税制度を活用しようとしても、種類が多く、どの制度が自分に適しているのか分かりづらいと感じる方も多いでしょう。情報を正しく把握しなければ、損をしてしまう可能性があるため注意が必要です。
そこでこの記事では、2024年に新築住宅を建てる際に活用できる補助金・減税制度を分かりやすく解説します。これから家を建てる予定の方は、ぜひ参考にしてみてください。
新築住宅の制度支援を活用する目的
新築住宅で使える補助金の目的は、環境に優しい家を増やすことや、地方での定住を促すこと、子育て家庭を支援することなどです。また、家を建てることで地域の経済を活性化させる狙いもあります。
国や自治体はさまざまな補助金制度を提供して、住宅購入や建築をサポートしています。これにより、安心して新しい生活を始めるための経済的な負担を軽減し、より多くの人々が理想の住まいを実現できるよう支援しています。
新築住宅で活用できる2024年の補助金・助成金3選
2024年に新築住宅を建てる方には、環境保護や省エネを促進するための補助金が数多く提供されています。ここでは、住宅建設時の費用を削減できる3つの主要な補助金・助成金を解説します。
子育てエコホーム支援事業
子育てエコホーム支援事業は、子育て世帯や若者夫婦世帯を対象に、省エネ性能の高い新築住宅の取得や省エネ改修を支援する制度です。
項目 | 詳細 |
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支援対象 | 子育て世帯、若者夫婦世帯(18歳未満の子供がいる世帯や40歳未満の夫婦世帯) |
補助対象となる住宅 | 長期優良住宅・ZEH水準住宅(証明書による確認が必要) |
補助対象となる改修工事 | 高断熱仕様の窓、断熱材の使用など |
補助金額 | 【新築】長期優良住宅:1住戸につき100万円 【新築】ZEH水準住宅:1住戸につき80万円 |
申込期限 | 2024年12月31日(ただし予算上限に達するまで) |
具体的な内容に関しては、公式サイトを確認してみてください。
ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス補助事業
ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)補助事業は、年間のエネルギー消費がゼロになる住宅を新築する際に利用できる補助金です。ZEHやZEH+といった高性能住宅を新築する際、施工会社がZEHビルダーまたはプランナーとして登録されている場合、その会社を通じて補助金を受け取れます。
項目 | 詳細 |
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支援対象 | ZEH住宅を建設する個人または法人 ※登録されているZEHビルダーまたはプランナーが建築、設計、販売する住宅であること |
補助対象となる住宅 | ZEH基準を満たす新築住宅 |
補助対象となる工事 | 高性能断熱材の使用、省エネ機器(エコキュート、太陽光発電)の設置など |
補助金額 | ・ZEH、Nearly ZEH、ZEH Oriented:定額55万円+追加補助 ・ZEH+、Nearly ZEH+:定額100万円+追加補助 |
申請手続き | ZEHビルダーとして登録されているハウスメーカーを通じて行う。(個人でも申請可能) |
申込期限 | 単年度事業の募集期間: 2024年4月26日~2025年1月7日 複数年度事業の募集期間: 2024年11月5日~2025年1月7日 |
具体的な内容に関しては、公式サイトを確認してみてください。
給湯省エネ2024事業
給湯省エネ2024事業は、エネルギー効率の高い給湯システムを導入する新築住宅に対する補助金です。
項目 | 詳細 |
---|---|
支援対象 | 省エネ型給湯器を導入する個人または法人 |
補助金額 | ・ヒートポンプ給湯器(エコキュート) 補助金額 8万円/台、性能加算額 最大5万円/台・電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯器(ハイブリッド給湯器) 補助金額 10万円/台、性能加算額 最大5万円/台・家庭用燃料電池(エネファーム) 補助金額 18万円/台、性能加算額 最大2万円/台 |
申請要件 | 戸建て住宅や共同住宅にかかわらず、住宅に高効率給湯器を購入・設置する際に適用 |
申請手続き | 新築注文住宅の場合は建築事業者が行い、新築分譲住宅や既存住宅の購入では販売事業者が担当する。既存住宅のリフォームに関しては、施工業者が申請を行う |
申込期限 | 2024年12月31日(ただし予算上限に達するまで) |
具体的な内容に関しては、公式サイトを確認してみてください。
新築住宅に活用できる主な5つの減税制度
新築住宅を建てる際に減税措置を適切に活用することで、長期的なコスト削減を図ることが可能です。ここでは、2024年に適用される主な減税制度を紹介します。
住宅ローン控除
住宅ローン控除とは、毎年のローン残高に応じて所得税から一定額が控除され、税負担を軽減する措置です。
項目 | 詳細内容 |
---|---|
控除される税金 | 所得税 |
軽減される税率及び金額 | ・長期優良住宅・低炭素住宅:最大31.5万円(最大35万円) ・ZEH水準の省エネ住宅:最大24.5万円(最大31.5万円) ・省エネ基準適合住宅:最大21万円(最大28万円) ・上記以外の住宅:0円 ※2023年までに新築の建築確認をしている場合は最大14万円 ※( )内は子育て世帯・若者夫婦世帯の上限 |
特例を受けられる期間 | 最大13年間 |
手続きの方法 | 給与所得者の場合、初年度は確定申告が必要。2年目以降は年末調整で申請可能 |
住宅ローン控除を受ける初年度には、給与所得者で年末調整を受けている方でも、確定申告が必要です。確定申告を行わないと控除が適用されないため、忘れずに手続きを行いましょう。
具体的な内容に関しては、以下のサイトを確認してみてください。
参考:国税庁|No.1212 一般住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)
住宅取得資金等の贈与税の軽減
住宅取得資金等の贈与税の軽減は、親や祖父母からの贈与で新築住宅の購入資金を得た場合に、一定額まで非課税となる制度です。
項目 | 詳細内容 |
---|---|
非課税になる税金 | 贈与税 |
非課税になる金額 | 最大1,000万円(省エネ等住宅の場合。それ以外は最大500万円) |
特例を受けられる期間 | 2026年12月31日までに贈与を受けた場合 |
手続きの方法 | 住所地の税務署にて贈与を受けた翌年の確定申告で申請 |
手続きの期限 | 贈与を受けた翌年の2月1日~3月15日までに確定申告 |
住宅取得資金等の贈与税の軽減を活用することで、親や祖父母からの資金援助を受けながら、贈与税の負担を大幅に減らすことが可能です。
具体的な内容に関しては、以下のサイトを確認してみてください。
参考:国税庁|No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税
その他の減税制度
新築住宅に関連する減税制度には、他にも「固定資産税の軽減」「登録免許税軽減」「不動産取得税の軽減」などさまざまなものがあります。これらの制度を活用することで、税負担をさらに軽減することが可能です。
詳細な条件や手続きについては、以下のサイトで確認してみてください。
参考:国土交通省|新築住宅に係る税額の減額措置
参考:国税庁|登録免許税の税率の軽減措置に関するお知らせ
参考:国土交通省|不動産取得税に係る特例措置
新築住宅の取得を支援する制度を活用しよう!
新築住宅の取得において、補助金や減税制度を最大限に活用することは、経済的な負担を大幅に軽減するために不可欠です。各制度の申請や併用には細かな条件があるため、事前にしっかりと情報を把握しておくことが重要です。
住宅展示場では、ハウスメーカーの担当者が最新の補助金や減税制度について詳しく説明し、最適な活用方法を提案してくれます。専門家のサポートを得て、理想の住まいを手に入れましょう。
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飲料メーカーを経て2014年に宅建士として不動産会社に転職。2019年に不動産ライター業を始める。2024年3月現在、不動産会社のコラムや不動産関連記事を400記事以上作成。現在は不動産会社とWebライター業の会社を経営。現役不動産屋ならではの経験から、不動産に関する「リアル」な記事を発信している。
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この記事を書いたひと
rkb_ouchi