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【muto42号】博多大丸「Kujaku Salon TENJIN」から最上級の買い物体験 Vol.02

博多大丸に誕生する“百貨店の本物”を体感できる空間づくり

ケース・リアル | 二俣 公一 氏

博多大丸のお客様が年間のお買い物額によって利用するサロンとして、機能面に対する要望を受けた二俣氏は、ニュアンスを汲み取りながら自由に空間コンセプトをつくっていったという。使用している九州の石材は、唐原石(福岡)、唐津石(佐賀)、諫早石(長崎)、肥後石(熊本)、天照石(宮崎)、桜島溶岩(鹿児島)、雪豊後石(大分県)、琉球石(沖縄)の8種。それぞれ、床や壁、テーブルの天板、花台、レセプションカウンターなどに使われている。「九州の石材がクローズアップされることは少ないので石探しは楽しかったし、なにより大変勉強になりました」と二俣氏。

 福岡と東京を拠点に日本国内、海外のプロジェクトも多数手がける空間・プロダクトデザイナーでケース・リアル代表の二俣公一氏。(以下、二俣氏)その多彩な活動と作品の評価で今や各方面から注目されている人気デザイナーだ。
 「昨年の春頃、博多大丸という百貨店にしか実現できない“上質”を体験できる特別な空間をつくりたいという依頼をいただきました。博多大丸さんにとっても未来の百貨店のビジョンを創出する重要なプロジェクトでありVIPサロンというある種パブリックな空間づくりに興味を持ち、このプロジェクトを引き受けさせていただきました。博多大丸がある天神地区は現在、大規模な再開発プロジェクトが進行中で百貨店や商業施設を取り巻く環境も変化しています。空間デザインに関わる仕事をしているものとして変化への対応、未来へのビジョンを描くことの大切さを痛感します。しかし、その一方で私たちが繋ぎ積み上げてきた文化の蓄積をおろそかにするべきではないとも思います。「本物」とはなにかと問われた時に、常にその時代の本物を安定して提示できる場所が百貨店だと思うんです。“Kujaku Salon TENJIN”は、そういったプレゼンテーションの受け皿になるような場所にしたいと願いプロジェクトを進めました。」
 二俣氏率いるケース・リアルには、博多大丸の過去・現在・未来の大切なお客様に本物のくつろぎと豊か時間を体感してもらう空間づくりが求められた。何度ものディスカッションを経て、この空間を貫くコンセプトが“九州”と決まった。このサロンで使用される調度品をはじめ、器や生花、食材、そしてホスピタリティの一つひとつに“九州”が通奏低音のように響いている。
 「このサロンの各所に九州各県から採掘した石材を使用しています。県によっては石の採掘量が少ないものあり、入手が難しい希少な石材もあります。石の使用については、例えば深い緑のカーペットを使っている部屋に、ほのかなグリーンを帯びた色合いを持つ長崎県の諫早石を使っていたり、フリッツ・ハンセンのラウンジチェアにオリジナルで製作した石の天板を用いたテーブルを組み合わせたり、それぞれの石の個性を活かすことも考えています。素材同士の組み合わせ方、色のグラデーションなどは何度もテストを繰り返しました。あえてわかりやすい派手さや豪華さを求めることはせずに、ですが細かく見ていくと随所にこだわりを感じられるような空間になっていると思います。

ケース・リアル / 二俣 公一 氏
[ 空間・プロダクトデザイナー ]
福岡と東京を拠点に空間設計を軸とする「ケース・リアル」とプロダクトデザインに特化する「KOICHI FUTATSUMATA STUDIO」を主宰。国内外でインテリア・建築から家具・プロダクトに至るまで多岐に渡るデザインを手がける。主な空間プロジェクトに、和菓子店「鈴懸」や「ブルーボトルコーヒー 福岡天神カフェ」、スキンケアブランド「イソップ」との恊働のほか、馬喰町の「DDD HOTEL」、住宅や別荘建築等も多く手掛ける。プロダクトでは、デザインした作品がサンフランシスコ近代美術館の永久所蔵品となっているほか、Artek(フィンランド)、Valerie_Objects(ベルギー)、E&Y(日本)、天童木工(日本)、UCC(日本)など国内外の様々なブランドと恊働している。

世界に二つとないサロンを彩る器たち

髙鶴窯 | 髙鶴 大 氏

こちらの工房には大きな登り窯が設けられている。上野焼が誕生した日本にレンガがない時代の風合いを出すため、炉の中を粘土製にするなどこだわった作りになっているのも特徴の一つ。また、上野焼の産地から出土した当時の陶器の破片なども多数保管されていて、将来的には展示することも考えているのだそう。今回のサロンには、そんな上野焼の伝統的な様式美と髙鶴氏の現代美術的な思考が交わる茶器や皿、カップなどが登場する。

 福岡・九州にこだわる新しいサロンには、ここだけにしかない特別な器が使用される。器を担当するのは、上野焼(あがのやき)を今に伝える髙鶴窯の髙鶴大氏(以下、髙鶴氏)。髙鶴氏の作品は、上野焼の伝統的な風合いの中に現代的な色彩やフォルムが見られ、日常の器としてはもちろん、美術品としても高い評価を得ている。そんな髙鶴氏にサロンのために作陶した器について話を伺った。
 まず髙鶴氏が話してくれたのは工房について。
 「この工房は60年ほど前に父が建てたのですが、その時、土もいっしょに持ってきたんです。工房の前に小さな山がありますが、それが当時父がここに持ち込んだ土です。その土を使って今も作陶を続けています。昨今ではいろんな場所から土を買い取って器を作ることが多いのですが、代々続く上野焼を後世に伝えるためにも土も当時と同じものを使うべきだと私は考えています。この工房では、まず土を掘り、濾過し、さらに上質のワインのように土を数年寝かせた後、作陶に入ります。」。
 博多大丸が髙鶴氏へ依頼した内容とは「サロンに来られるお客様がリラックスして楽しく時間が過ごせるような器を作って欲しい」というもの。それを受けた髙鶴氏は「(博多)大丸さんとはお付き合いも長いので、私の器の特徴もよくご存知なんです」とにこやかに話した。
 さらに髙鶴氏からもさまざまな提案が出されていた。
 「まず考えたのがSDGsの観点から生まれる器です。この工房にある古い陶片の再利用した作品をいつか作りたいと考えていたのですが、今回それを実現させました。400年前の陶片を焼き直すことで生まれる釉薬の色は想像できません。だからこそとてもスリリングで、当時の陶工と会話しているような不思議な感覚を味わうことができました。また、福岡に訪れる海外のお客様に向けた案として、抹茶椀も提案させていただきました。抹茶はビタミンやミネラルが豊富な飲み物として海外で高い評価を得ているのでそれをご提供してはどうかと思っていました。さらに、カップも円錐と円柱をくっつけたような今まで作ってこなかった形にも挑戦しました。釉薬の表現も焼き上がらないとわからない、二度と再現できないような技法を採用しています。軽くて持ちやすい実用性とここにしかないという希少性もサロンで楽しんでいただければ嬉しいですね」。
 髙鶴氏の挑戦と博多大丸の強い想いが交差するサロンだけの特別な器。美しい色彩は視覚で、手触りの良さや軽さは触覚で、じっくりと味わって欲しい。

髙鶴窯 / 髙鶴 大 氏
[ 陶芸家 ]
1966年、福岡県糟屋郡に出生した髙鶴氏は、14歳の時に父の元(げん)氏がハーバード大学から客員研究員として招かれたのをきっかけに、アメリカで生活を始める。アメリカの美術大学では焼き物以外の絵画、彫刻そして写真と幅広く美術を学び、 その後焼き物とは総合芸術だと気付き陶芸の道へ入る。現在もアメリカで学んだ美術の知識や技術が、作品の造形や色彩に見ることができる。現在は糟屋郡にある父から引き継いだ工房で作陶を行っている。

心を込めたおもてなしが五感をほどよく刺激する

※施術写真はイメージです

 Kujaku Salon TENJINでは、入室した方の五感にどのような刺激を与えられるかにこだわっている。九州各地の石材を採用した二俣氏がデザインする空間や古い上野焼を現代に蘇らせた髙鶴氏の食器にもその強いこだわりが伝わるはず。それらと同じく強い想いが込められているのがサロン内を彩る花。
 その花を担当するのは、福岡に展開する多くのハイブランドから高い支持を得る完全予約制のフラワーショップ「DOUBLE CROWN」。主宰の猪俣悟氏(以下、猪俣氏)は「花はもちろん、それに使用する花器にもこだわって奥行き感のあるデザインにしたいと考えています。一度見ただけでは気付かなくても、何度か目にすることでストーリーが浮かんでくる……そういったものを打ち出せればと思います」と話す。博多大丸に出店しているハイブランドからも支持を集める猪俣氏のフラワーデザインが、クジャクサロンでどのような演出をしてくれるのか今から楽しみな人も少なくないはず。

薬院を拠点に完全予約制のフラワーショップ「DOUBLE CROWN」は、現在7、8割が店舗ディスプレイを中心とした法人からの依頼で、残り2割程度がギフト用のフラワーデザインを制作。今回、博多大丸から依頼された内容は「Kujaku Salon TENJINに見合うもの」ということで、季節感だけに固執するのではなく、サロンに入室した方の心に残るストーリ性があるようなデザインを検討しているとのこと。美しいだけに留まらないどこかユーモアを感じる猪俣氏のフラワーデザインが、クジャクサロンにその時でしか見ることができない華やぎを与える。美しく咲き誇る花々と微かに漂う香りから、その時々でしか表現できない自然の美しさを感じてほしい。

DOUBLE CROWN主宰。舞台役者から一転、植物が持つ命の美しさに魅了されフラワーデザインの世界へのめり込む。2004年に「DOUBLE CROWN(ダブルクラウン)」を設立。 パーティー装飾、空間ディスプレイ、店舗ディスプレイ、デモンストレーションなど、幅広く手掛け福岡を中心に活動。「美とユーモアのバランス」をコンセプトに、進化する花創作を追求し続ける。

 もう一つ、Kujaku Salon TENJINの目玉となる空間が存在している。それが「ビューティーサロン」。博多大丸(および系列店)で規定の額以上購入された女性の方に限り利用可能な完全予約制となるこの場所は、ホテルスパを彷彿とさせる癒しの空間となっており、フェイシャルからデコルテにかけての施術を受けることができる。ここを手がけた博多大丸の化粧品部門を統括する角めぐみ氏は、「最上級の癒しの空間でお客様にリラックスいただくと共に、この特別な体験をお楽しみいただきたいと思います」とその想いを話してくれた。全国的にも類を見ないサロン内のリラクゼーションが、百貨店業界に新風を巻き起こす。

一人の時間を満喫する癒しの空間「ビューティーサロン」。専用のwebサイトや外商を通じて予約できるこちらは、専門的な知識と技術を要したスタッフが格別の癒しを体験させてくれる。また、提供されるスイーツもスペシャルなのがKujaku Salon TENJIN。福岡を代表する和菓子店「鈴懸」と同じく福岡を代表する洋菓子店「フランス菓子 16区」、さらに人気ベーカリーの「メゾンカイザー」がスイーツを提供する。

外資系ブランドの美容コンサルタントを経て、その後化粧品に関するバイヤーやプロモーション、婦人服などを担当。現在は、化粧品全体の業務を幅広く担当し、お客様の多岐に渡るニーズに対応している。Kujaku Salon TENJINのビューティーサロンでも彼女が企画するさまざまなサービスが訪れた方を満足させる。

博多大丸外商お得意様サービス

アテンドサービス: 「雑誌で見た限定品を探して欲しい」、「会社の周年記念品、何が良いかな?」など専属の係員が、おひとりおひとりに親身になってお応えいたします。
外商お得意様限定イベント: ラグジュアリーブランドの新作発表会や、ホテルでのお買物イベント等、福岡だけでなく、東京、大阪各地の特別催事にお得意様をご招待いたします。
プレミアムサイト「コネスリーニュ」: 外商お得意様のみがログインできる会員制プレミアムwebサイト「コネスリーニュ」には、ここにしかないイベントや、ここだけの商品がいっぱい。 ※ご利用には、別途ご登録が必要となります。
ご優待サービス: ご入会初年度及び翌年度は ●Kujaku Salon TENJIN(東館エルガーラ5館)でのソフトドリンクサービス ●お買上金額に関わらず、提携駐車場の1時間半サービス ※ご入会翌々年度以降は、年間お買上金額に応じての特典となります。 ※入会翌年度の1月~12月末までの年間お買い上げ継続されます。入会金・年会費無料
お問い合わせ先: 092-712-8181(大丸福岡天神店 代表)

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この記事を書いたひと

muto(ミュート)

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