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平屋で安心して暮らすために~効果的な防犯対策まとめ~

階段がなく動線がシンプルな平屋の家は、子育て世帯や老後を考えた暮らしができる家として根強い人気があります。しかし、外部からのアクセスが容易なことから、防犯面が不安だと感じる方も多いのではないでしょうか。
 

今回は、平屋づくりにおける防犯のポイントと、家族が安心して過ごせるための具体的な対策についてご紹介します。
 

平屋の防犯は難しい?


居室や水まわりなどが玄関と同じフロアにあるという構造上、防犯リスクが高いと言われる平屋。防犯が難しいと言われる主な理由を見ていきましょう。
 

侵入しやすい

平屋の家は、すべての居室が1階にあるため、外部から侵入しやすいと見られがちです。警察庁サイト「住まいる防犯110番」 によると、2023年(令和5年)の一戸建て住宅への侵入窃盗の侵入手口は、「無締まり」が46.3%、「ガラス破り」が35.8%でした。侵入口は半数以上が「窓」(55.3%)で、掃き出し窓からの侵入がもっとも多いことが分かっています。

2階建てや3階建てと比べると掃き出し窓の数が増える傾向がある平屋は、空き巣に侵入しやすいと思われる可能性が高いと言えるでしょう。
 

広い敷地に建てるため様子を確認しやすい

平屋は延べ床面積が多いため、2階建てや3階建てよりも広い敷地に建てられる傾向があります。広さが変わらない土地であれば、建物の高さが低い分日当たりを確保するため、見晴らしがいい場所に建てられているケースが多いです。
 

このような条件だと、敷地内に人が入り込む様子が見つかりにくく、空き巣にとっては侵入への心理的ハードルが低くなります。外構の状態によっては日々の生活の様子が外から把握しやすく、目をつけられる可能性が高いのです。
 

平屋の効果的な防犯対策


防犯対策の基本は、侵入されにくい工夫を施すことです。しっかりと防犯対策をしていれば平屋であっても安心度が高くなるので、建築計画の段階から検討しておくとよいでしょう。「窓」「間取り」「外構」の3つの視点から、効果的な防犯対策をご紹介します。
 

窓を工夫する

先ほどお伝えしたように、平屋に限らず一戸建て住宅への侵入口は窓が半数以上を占めています。防犯対策を考える時は、窓からの侵入リスクを減らすことが大変有効です。
 

侵入しにくい窓を選ぶ

窓にはさまざまな種類がありますが、そもそも侵入されにくい機能を持つ窓を選ぶのがおすすめです。たとえば、通常のガラスと比べて強度が高く、割れにくい構造をしている防犯ガラスの窓を採用すると、窓ガラスを割るのに時間がかかり侵入を諦めさせる効果があります。
 

窓の大きさや配置を考える

大きな窓は室内が明るくなりますが、侵入しやすいリスクも高まります。必要な箇所以外は窓を小さくし、頭や身体が入りにくい設計にしましょう。また、窓の数が多いほど採光や通風に有利な半面、侵入経路が増えます。自然光を取り入れたい場合は、高窓や天窓を採用するなど設置位置を工夫し、侵入しにくい状態をつくりましょう。
 

室内が見えにくい仕様にする

窓の配置とあわせて考えたいのが、視線の遮蔽です。空き巣は外から見えにくい窓を狙うため、前面道路や近隣から見えやすい位置に窓を設けると侵入リスクは減らせますが、視線が気になって暮らしにくいという状態になりかねません。

外から室内が見えにくい織り方で仕上げてあるミラーカーテンを選ぶ、不透明な防犯フィルムを窓ガラスに貼るといった方法で、外部からの視線をシャットアウトしましょう。防犯フィルムは強化作用があり、何度も強打しないと破れないため侵入を諦めさせる効果も得られます。
 

面格子や防犯シャッターを設置する

面格子や防犯シャッターを窓に設置することで、窓からの侵入対策の効果はさらに高くなります。特に寝室やリビングなど、長時間人がいない場合もある部屋には有効です。防犯シャッターは、長期間留守にしていても不在かどうかが分かりにくい上に、台風が来た時に飛散物による窓ガラスの破損を防ぐ効果もあります。

 

間取りを工夫する

窓の工夫と合わせて、間取りにおいても防犯対策につながる設計にしておくとより安心です。
 

ランドリールームをつくる

洗濯物の室内干しスペースとしてランドリールームを設けると、洗濯物を屋外に干す必要がなくなり、不在時でも洗濯物から在宅の有無を判断しにくくなります。帰宅が遅くなりやすい共働き世帯や、小さな子どもがいる世帯には特におすすめです。
 

中庭をつくる

中庭や坪庭を設けることで、外に面した壁に掃き出し窓を設置しなくてもいい間取りになり、防犯性を高めると同時にプライバシーもしっかり保護できて安心です。中庭に向けて窓を大きく取りやすくなるため、採光がしっかり確保できて室内が明るい家となるでしょう。

 

外構を工夫する

屋外と屋内との間にある外構部分も、侵入リスクを下げるために工夫が必要な部分です。敷地内に侵入しにくい状況をつくることがポイントです。
 

ブロック塀よりも生垣で囲う

ブロック塀はプライバシー保護効果が高い反面、外からの視線を完全に遮ってしまうため、一度敷地内に侵入されてしまうと空き巣に動きやすい状況を与えてしまいます。ほどよい高さで透け感のある生垣で囲うと、外部からの視線を適度に遮りつつ、侵入者が隠れる場所を作りにくくするため防犯面で効果的です。
 

防犯砂利を敷く

空き巣は近隣に音が響く状況をとても嫌います。家の周囲や敷地のアプローチ部分に防犯砂利を敷いておけば、夜間に侵入した際歩くたびに砂利を踏む音が大きく響くため、侵入者が逃げる可能性が高いです。芝生と比べるとメンテナンスが楽な点もおすすめです。
 

人感センサー照明や防犯カメラを配置する

夜間に敷地内を人が歩いた時に自動的に点灯する人感センサー照明や、侵入者を撮影できる防犯カメラを設置しておくと、侵入者に心理的な圧力を与えて犯罪防止効果が期待できます。防犯カメラは玄関まわりや駐車場付近、門扉まわりが写る視野で設定しておくと、敷地内に侵入後の動きを録画できるため、警察へ提出する証拠として役立つでしょう。

 

まとめ

 

平屋は外部からのアクセスがしやすい分、防犯対策をしっかりと行うことが重要です。もっとも外部からの侵入リスクが高い窓は、防犯を優先するとある程度選択の制約を受けることにはなりますが、日当たりや外観デザインなども考慮しながらサイズや機能、配置などを工夫することで快適性は維持できます。間取りや外構も防犯対策のポイントを押さえてプランしていきましょう。

この記事を参考に、安心して過ごせる平屋づくりを進めてみてくださいね。

 

WRITER

 

河野 由美子 二級建築士・インテリアコーディネーター・防災備蓄収納1級プランナー

住宅設備メーカーや住宅コンサルタント会社、大手ハウスメーカーでの勤務を経て独立。 日常の中に非日常を感じられる空間づくりをコンセプトとし、住宅やオフィス・医療施設・店舗などの設計およびインテリアコーディネートに携わっています。 建築インテリア関連記事の企画執筆や監修業務、研修講師、建築関連資格対策テキスト監修、工務店施工事例集ディレクションなどの実績も多数。

 

 

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この記事を書いたひと

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