「ちゃんぽん」は長崎が発祥とされる中華料理がルーツの麺料理ですが、佐賀・福岡の北部九州でもラーメンと双璧をなすローカルフードとして地元民に愛されています。特に福岡市は、多くの専門店やラーメン屋がそれぞれの味を競い合う激戦区。その中でも特に根強い人気を誇っているのが、1977年(昭和52年)に創業して半世紀近い歴史のある専門店「元祖ぴかいち」です。
創業から平成の中頃までは渡辺通にあり、当時出入りしていた情報誌編集部のすぐ近くだったので、筆者もしばしば通っていました。現在では薬院、月隈にも支店がありますが、創業店直系の懐かしい味を確かめるべく博多駅前の本店に伺いました。
ここのちゃんぽんの最大の特徴は、毎日店内で打つ自家製麺。その日の気温や湿度に合わせて微調整するという極太麺は、他店のちゃんぽんとは一線を画した存在感があります。山盛りの具材は、空心菜などの青菜にキャベツ、モヤシのたっぷり野菜に、アサリ、エビ、イカの魚介類、豚肉、カマボコ、ちくわ、キクラゲなどなど。豚骨ベースにアサリの出汁を加えたスープは濃厚ながらもスッキリまろやかな口当たりです。
まずは特大のレンゲでスープを一口啜ればたちまち食欲が湧き起こり、後は一気呵成に麺とスープ、具材をローテーションしながら食べ進めるのみ! あっという間に完食して、この上ない満足感に浸ることができます。
そして、この店で「ちゃんぽん」に勝るとも劣らない名物メニューが「博多皿うどん」です。こちらは、あらかじめ中華鍋で麺に焼き色をつけて表面をコーティングし、ちゃんぽんとは異なる食感に。同じ具材を使いながらも鶏ガラベースのスープとからめることで、あっさりとした味わいに仕上げています。
さらなるお楽しみは、卓上にズラリと並んだ調味料を加えて多彩な味変が楽しめること。特別にブレンドした自家製酢醤油にサッパリ感のあるお酢、パンチの効いたウスターソース、自家製辛子高菜などを足して自分好みにカスタマイズすることができ、それぞれの組み合わせで味のバリエーションは無限に広がります!
創業以来の根強いファンに加えて、博多駅に近いことから観光客も多く訪れ、お昼時は行列必至の人気店。朝10時半から夜9時までの遠し営業なので、ランチタイムを外して行くか、一品料理をつまみにちょい飲みもできる17時以降が狙い目ですよ。
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