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土は資源!温泉熱でリサイクル

マンションなどの集合住宅で花や野菜を育てる家庭菜園。そこで問題となるのが使用した土の処理だ。土は自然物であるため、ほとんどの自治体でゴミとして捨てられない。またこのまま掘削を続けると、いつかはなくなってしまうという懸念がある。

 

大分県大分市の中原ひとみさん(49)は「土は大切な資源」という意識を広めるため起業し、土をリサイクルする循環型プラットフォームを考案した。古くなった土を回収し消毒を行ったあと、肥料などを加えた培養土として商品化するというもの。

 

通常、土の消毒には化石燃料を使い火力で行われているが、中原さんは別府市の温泉の蒸気を利用し熱処理するエコな製法を取り入れた。土壌の専門家とともに循環培養土を開発。またこの取り組みに賛同するお店に土の回収スポットを設置した。ただ土の回収には輸送コストが掛かるという課題も。

 

そこで回収の負担を少しでも減らすために開発したのがアップソイルという再生材だ。循環培養土に使用している肥料を改良した商品で、古くなった土に1割の量を混ぜることで土を蘇らせることができる。園芸ファンからも上々の評価をもらっている。限りある土を未来へと残すために奮闘する姿を追う。

企業名:アップソイルカンパニー株式会社
代表者:代表取締役 中原ひとみさん
住 所:大分県大分市城崎町2丁目4番19号セゾン城崎502号
電 話:090-9652-2073
ホームページ:https://upsoil.jp

取材後記

初めて中原ひとみさんにお会いしたときの一言「土は限りある資源である」が胸に刺さりました。当たり前の存在という認識でしかなかった土。普段、家庭菜園をしない私にとって、古くなった土が簡単に捨てられないという新たな発見でした。

 

取材を進めていくと、私と同じ思いをした人たちが中原さんに賛同していました。

温泉熱を使ったエコな消毒方法を実現するため、敷地内の一部を開放した企業。古くなった土を回収する無料ボックスを設置して中原さんの取り組みを広めようとする店主。商品に加える肥料は国の登録が必要なため、知識をいかしてアドバイスした農学博士。

 

様々な人がつながり、大切な土を未来へとつなげていく。私もその一人として、循環培養土で家庭菜園を始めてみようかと思います。

 

(OBS大分放送/佐藤 康太)

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