良いタイトルの本を集め始めてから、そして特にこのgood title booksを始めてから、本屋に行ったら、良いタイトルの本に呼ばれるようになった。
僕の目が留まるのではなく。向こうから「ほらこの自分についたタイトルいいでしょ?」「買っといた方がいいんじゃない?」と、本が僕にプレゼンしてくる。まあ気がしてるだけかもしれないけれど。
この本も、呼ばれた。普通に街の本屋の店頭で。
熱い本だった。
小学校の時から漁師である父親の手伝いをしていた話に始まり。高卒以上の卒業資格が必要な札幌グランドホテルに、中卒でどうやって入るか。そこでどう料理を学ぶか。料理の神様、帝国ホテルの村上総料理長の元に行き、どう彼の目に留まるか。そして、ジュネーブのスイス大使館の料理人になり、ヨーロッパの名だたるレストランで修行を積み、そして、四谷で「オテル・ドゥ・ミクニ」を開くまで。そしてこれからについて。
「十年修行しなさい。そして働いて得た収入は自己投資しなさい。美術館に行き、音楽を聴き、なによりもいいレストランで食事をしなさい。辛抱して勉強しなさい。十年後には、必ず君たちの時代が来ます」とは、スイスに送り出す時の村上総理長の言葉。
料理はみんなが毎日触れるものだからか。料理人でなくとも、そのシーンを自分のこととして見立てやすいのかもしれない。若い人に読んで欲しいし、中堅、ベテランの方にも、奮い立ちたい時に読んでほしい。
しかし、この本。編集者が上手。タイトル。まえがきの伏線としての使い方。鍋を洗うという雑用がいろんなステージを突破する鍵になる持っていき方。もしかしたら、三國さんは文才も天才的で、天は二物を与えているのかもしれないが。その辺りも勉強になる。
ご紹介した本は、good title booksで販売中です。
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