いちご農家になって1年目の樋口真斗さん(32)。いちご農家の初期投資に全てを注ぎ込み、自身の今の蓄えはないそう。それだけを聞くと、無謀な挑戦のように感じますが、実は樋口さんは元プロバスケットボール選手で、いちご農家はセカンドキャリア。
自分のために何かをするのはバスケットボールだけで十分、これからは周りの人や家族の幸せのために生きることを決めたと言います。そして、奥さんと幼い3人の子どもは奈良県に残したままの単身赴任。いちご農家として成功し、家族を福岡へ呼ぶことがまずは最初の目標です。
その目標を達成するため、ビニールハウスにこもって6000株を超えるいちごの苗のお世話をする日々。分刻みの温度管理に、不調な苗に向き合うだけの毎日。さらに夜になると小中学生のバスケットボールの指導に向かいます。今は、それが唯一の収入源です。とある日、高校時代の同級生が激励に訪れた際には「今回は突っ走ったね。そのツケがいま襲ってきている。寂しい…」と弱音をこぼすこともありましたが、今年に入り、順調に収穫と出荷を迎えるのですが、次はいちごが売れるのかという心配が。信念を持ちながらも、もがくいちご農家1年生に密着しています。
(RKB毎日放送/松井 聡史)
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