特集記事

「totonoimap」の番組内で訪問したサウナ施設を、テーマ別に振り返りながらご紹介します。

GWにオススメ!日帰りでも宿泊でも楽しめるグランピングサウナ!

2025/04/17
九州の個性あふれるサウナを紹介する「totonoimap in 九州」
満開の桜も散りはじめ、気候もすっかり春の陽気となりました。

そんな今回は、以前にととのいマップの番組内でも取り上げた、GWやこれからの週末にイチオシな、日帰りでも宿泊でも楽しめる「グランピングサウナ」を紹介していきます。

(文:金沢 昂紀)

静寂の森で大自然と一体化?静寂の森林浴でととのう「Sauna Stillness」

一つ目に紹介する施設は、九州自動車道湯布院ICより車を走らせること約20分、標高600mの由布岳の山麓、塚原高原にある「The Sense of wonder holistic glamping」 2017年にオープンしたグランピング施設です。



施設の目の前に広がる水田、その奥に一望できる雄大な由布岳、背後には森と草原が広がり、静寂の中に時折聴こえてくる鳥のさえずりと木の葉の音… この大自然に包まれた牧歌的な世界に、サウナに入る前からととのってしまうほどです。



宿泊棟を完備したグランピング施設ですが、サウナ棟は宿泊客以外の日帰り利用も可能。今回は日帰りでサウナのみを堪能してきました!



宿泊棟から少し離れた森の中に佇む、こちらは2023年に新設されたサウナ棟。
オープンして年月も浅いため、アウトドア環境にありながら清潔感に溢れています。



サウナ棟内では、冷水のウォーターサーバーや、シャワールームのアメニティなど、細やかな設備が整っているのも嬉しいポイント。水着やタオルなども貸し出し可能です。



なんとサウナ室は薪サウナと、電気サウナの贅沢な二刀流!
二つのサウナ室を行き来して楽しむことができちゃいます。



今回はアウトドア施設ならではということで、薪サウナを体験。
大分県産の総ひのきで作られた、贅沢で温かみのある空間が印象的なサウナ室。薪の炎による遠赤外線の効果で、通常のドライサウナよりも柔らかい暖かさを感じられます。

座面は二段ですが、この上段の高さはロウリュの広がりを余すことなく感じられるよう、こだわって設計をされており、寝転んだ状態で寝サウナができるように、奥行きと幅も広めに作られています。



ロウリュ水は季節によって変わるそうなのですが、今回は施設周辺の森で自生をしているアップルミントを体験させていただきました。フレッシュミントならではのじんわりと仄かに広がる香りを味わいながら、小窓から覗く森林を眺めつつじっくりと蒸されます。



サウナ室内の温度は、本場のフィンランドサウナのセオリーとされている80度の中温帯。 薪を追加で焚べたり、セルフロウリュをすることによって、自分好みのサウナに育てていきます。

もう一つの電気サウナもスイッチ一つで温度コントロールができるそうで、二つのサウナの温度設定を分けて、薪サウナと電気サウナを行き来しながら楽しむなんてのも良いかもしれません。



さらにこのサウナ室には、天井と座面下に二つの排気口が設置をされており、薪やロウリュによる温度調整だけでなく、この排気口をセルフで開閉することによる体感調整もできるんです。

例えば、寒い季節でロウリュの抜け感が気になる際は、排気口を少し閉じてサウナを楽しんでみたり、逆にロウリュの抜け感を楽しみたいときは、排気口を全開にしてみたり。こういった些細な部分までカスタマイズできるところにも、オーナー様のサウナ愛を感じずにはいられません。



サウナ室を出た5歩先の完璧な動線には、水深80cmほどの水風呂。
地下80mから湧き出る、由布岳山麓の地下水の掛け流しとなっています。

利用客ごとに水風呂は入れ替えているというオーナー様からのお言葉に背中を押され、背徳感を覚えながらも掛水なしで、サウナ室からの動線そのままに水風呂へダイブ! 温度は15℃前後とのことですが、身体の芯までガッツリと瞬間的に冷却されるような体感の水質。



サウナと水風呂の絶妙な噛み合わせに、直立状態で半分ととのいながらサウナ棟を出ると、思わず息を呑むほどの景色が。外気浴スペースに設置されたインフィニティチェアに腰をかけた後、しばらくの間は言葉も出ませんでした…。

大自然の静寂の中に時折聴こえてくる鳥のさえずりと木の葉の音。
ここが日本だということを忘れさせられるほどの至福のひととき。

飾られたり、魅せられたりする自然ではなく、その土地のありのままの原生林と草原。
真の意味で自然と一体化する感覚が、このSauna Stillnessならではの体験。

インフィニティチェアの他にも、森の中に設置されたハンモックや、虫除けをされたテント内の外気浴スペースなども完備されており、サウナ愛ゆえの細部まで行き渡ったホスピタリティには感涙する思いです。



今回は2023年に新設されたサウナ棟をご紹介させていただきましたが、 こちらの「The Sense of wonder holistic glamping」はグランピング施設として、室内窓から由布岳を一望できるキャビンや、ティピーテントを備えた大充実の施設で宿泊をすることもできます。



宿泊しながら焚き火を楽しんだり、地物を使ったフルコースのディナーを味わったり、さらには大自然でのヨガトリートも体験できるそうで、贅沢に宿泊とセットでサウナも楽しみ心身癒されるのも良いかもしれません。

私自身も取材体験の1ヶ月後には、車を走らせてプライベートで足を運ぶほど気に入ってしまったイチオシのSauna Stillness。ぜひ皆さんも一度足を運んでみてください。

●sauna stillness
大分県由布市湯布院町塚原44-7
電話番号:(0977)85-5066
公式HP:https://sowhg.com/sauna/

RKBオンラインでアーカイブ動画配信中

【大自然と一体化!】本場のフィンランドサウナ/sauna stillness(The sense of wonder holistic glamping内)(大分県由布市湯布院町)
詳細はこちら


日常の近くにある非日常サウナ。五感でととのう「グランピング五感」

二つ目に紹介するサウナは、福岡市内から車で約30分。
脊振山の麓、那珂川市に2022年にグランドオープンした「グランピング五感」です。



目に映るは、脊振山の恵みを受けた山々の景色に、頭上に広がる満点の空。
都会の喧騒から離れ、聞こえ感じるは鳥の鳴き声や、木々や竹林のそよめき。

市内から30分という日常的な距離にありながら、非日常を感じることができる、日常の忙しさから離れ、ありのままの自分を五感で呼び覚ます穴場スポットです。



グランピング五感では、ドームテント、ログハウスなど多様な宿泊施設があり、中にはサウナと専用露天水風呂付きの夢のようなスイートルームも。



こちらの大きな建物が、グランピング施設内の大浴場棟。以前は、宿泊者が共通で利用できるスペースだったそうですが、サウナ好きのお客様からの熱い要望もあり、日帰りでの予約利用できるプランが新たにスタートしたと聞きつけ、今回は日帰り利用でサウナを体験してきました。

中に入ると、綺麗に清掃が行き渡った洗練された更衣室が広がっています。充実したアメニティはもちろん、サウナ後のデトックスウォーターまで完備されているのも嬉しいポイントです。





浴場内には身体を洗い流すシャワースペースと、天然水を沸かした温水風呂も。 大浴場は薪サウナを備えた「動の湯」と電気サウナを備えた「静の湯」の2つに別れており、日帰り利用の際は曜日によって使える浴場が異なり、宿泊の際には、朝と夜とで男女入れ替わりで両方ともが楽しめるんだとか。今回は「動の湯」の薪サウナを体験させていただきました。



サウナ室に入ると、薪が燻された芳しい香りが鼻腔に広がります…。
部屋の奥には、なかなか見かけることのない超巨大サウナストーブとその中にゆらめく炎。
薪は、地元那珂川の森から切り出し乾燥させたモノを使用しているそう。



このサウナ室の特筆すべきポイントは、余計な雑念や雑音を感じさせないマインドフルネスで洗練された空間。サウナ室内は、必要最小限のダウンスポットライトのみで心地よく照らされ、サウナの熱と蒸気、そして香りだけを味わうために作られたような拘りを感じずにはいられません。

後に話を聞いてみると、グランピング五感の運営会社は、かの有名な御船山楽園の庭園などのライトアップなども手掛ける、照明設備などを生業とする会社なんだそう。故に、サウナ室、水風呂、施設内全ての照明設計には、細心の拘りを持って施設作りをされているようです。



巨大なのはストーブだけではありません。 ほうじ茶と緑茶をブレンドしたこだわりのロウリュ茶の入った桶も特大サイズ。

大量に敷き詰められたストーンに柄杓一杯分のロウリュをするだけで、大量の蒸気がサウナ室内に面で迫るように広がり、ドッと一気に汗が体内から吹き出してきます。

あまりにもパワフルなストーブに、ととのいマップの数々の取材で百戦錬磨のカメラマンも、思わず撮影を放り出して、サウナ室の外に出てしまうほどの威力(笑)

パワフルな熱気の中にも広がる、芳しい薪の香りとロウリュ茶のマリアージュ。 香りによる嗅覚、マインドフルネスな空間による視覚、身体に触れる熱の触覚、薪の燃える音とストーブからのロウリュ音による聴覚と、まさに五感で味わうサウナ。



浴場を出て露店スペースへ抜けると、真っ白で美しい曲線美を描く、150cmもの水深がある一際目立つ円形の水風呂が。

15℃前後の最適温に保たれた水風呂は、冷却チラーで冷やされたものではなく、脊振山系の成竹山の地下60mから汲み上げた掛け流しの水風呂。

グランピング五感では、良質な水質の水風呂を完成させるために、水風呂のための井戸をわざわざ掘るという拘りぶり。脊振山系の水は適度なミネラルを含んでおり、ずっと浸かっていたいと思ってしまうほどに、まろやかに肌を包み込むような肌あたりが特徴。すでに水風呂の中で頭がフワフワとし、外気浴前にフライングでととのってしまうほどです。



水風呂の露天から繋がる階段を上がっていくと、そこには「空のデッキ」と呼ばれる外気浴スペース。インフィニティチェアに腰をかけて、視界一面に映るのは真っ青に広がる空。

時折撫でられるように吹き込む風や鳥のさえずりを感じながら、心も身体もゆるみにゆるんでいきます…。福岡市内から30分の場所にあるとは思えないほどの非日常的な大自然に、グワングワンにととのってしまいました。



サウナを出た後は「味覚」で楽しむサウナ飯。ととのいもそのままに、サウナ棟から数十メートル先の、母屋に併設したダイニングホールへ。



今回いただいたのは、1,200円のうどんセット。出汁にこだわった五島うどんと、炊き込みご飯、さらには5種の天ぷらに小鉢までついてこのリーズナブルな金額!そして驚くべきは料理一品一品のあまりにも美味しいクオリティ。

グランピング施設に併設したレストランの食事ということで、正直最初は少しばかり鷹を括っていましたが、その先入観を根底から覆されました。なんとここでは専属のシェフが常駐しているそうで、季節ごとやその日の仕入れなどで、メニュー開発や提供をしているそう。

そしてなんとサウナ利用客は、通常1,200円のランチが割引で1,000円ポッキリで食べれるそうなので、サウナ後の研ぎ澄まされた味覚で、そのまま五感でサウナ飯を食するべし。

今回は日帰りでも宿泊でも楽しめるグランピングサウナ。ぜひ春陽気の絶好のサウナシーズンに一度足を運んでみてください。

●グランピング五感
福岡県那珂川市大字成竹
電話番号:092-555-6553
公式HP:https://glamping-gokan.com/

RKBオンラインでアーカイブ動画配信中

【薪でいぶされる】脊振山の恵み!穴場の感涙サウナ/グランピング五感(福岡県那珂川市大字成竹)
詳細はこちら


WRITER

金沢 昂紀

金沢 昂紀

九州のサウナの魅力を紹介するWEBメディアの運営や、サウナにまつわる様々なイベント企画を実施。
コロナ禍ではサウナが好きすぎて自宅にサウナを作ったり、今ではサウナ施設のプロデュースも手掛けるなど、サウナのために汗をかく九州でも無類のサウナフリーク。


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