西鉄平尾駅のすぐそば。小さな区画に昭和の古民家群が残る、通称「平尾村」をご存知でしょうか?
細い小道の先には草木が豊かに茂り、まるで小さな森か迷路のよう。元の雰囲気を生かして改装された長屋には、飲食店をはじめとした個性豊かなお店が入居しており、これがまた名店揃いなんです。

福岡を代表するロースターの一つとして知られる「MANLY COFFEE」に、絶品カレーの「floatan」、鶏料理の「TORIYA」、お花屋さん「みどりあお」やアウトドアショップ「Moonlightgear」、サロン「マイカイハナマナ」、ヘアサロン「Plateaux」、アートギャラリー「二本木」……と、名前を挙げればキリがありません。
うどんの「粉やなぎ」に、間借りの「Nob caffè」、「マフィン焼けたよー!」などなど、表通りにも良店がずらりと並び、昨年オープンした「curry and rice ロールス」も話題。とにかく1日中楽しい時間を過ごせそうな、心くすぐるエリアなのです。


さて、そんな「平尾村」にこの春、新たな仲間が加わりました。入口に立つクレープの看板を目印にまっすぐ進み、アルパカのかわいらしい看板を見つけたら……

ここが今回の目的地、3月30日に開店したクレープ屋さん「CREAM STAND MOFF」です。テイクアウトはもちろん、店内で焼きたてクレープを味わうこともできますよ。

この長屋は少し前まで住居として使われていたのだそう。懐かしさが残る外観や柱、梁はそのままに、木の温もりを感じる優しい空間に改装されています。アンティーク家具や照明、随所に散りばめられている雑貨やアートも素敵。

お店を営むのは、もともとお菓子作りが大好きだったという店主の溝口奈津希さん。
溝口さんは開業のきっかけや思いをこう話します。
「“いつかカフェを開きたい”と物件を探していたなか、不動産の仲介や提案などを行う『NEW VILLAGE & PROJECTS』の代表・新村朝和さんに紹介していただいたのが、この平尾村でした。私も夫も昔からこの場所が大好きで、好きなお店もたくさん集まっているので、一念発起して出店を決めました」

「そして、カフェを開くなら何か名物になるものがないと……そう考えて繋がったのがクレープでした。実は私の親友が、佐賀県・神埼町で『cream stand moff』というソフトクリームとクレープのお店を営んでいて。あのおいしさを福岡でも広めたいと思い、佐賀に毎週通って修業し、クレープのレシピと『MOFF』という店名も受け継がせてもらいました。注文ごとに生地を焼き上げるので、タイミングによっては少しお時間をいただくこともありますが、毎日丁寧な仕事を心がけて、この場所で長く愛してもらえるクレープ屋さんになりたいです」。

それでは早速クレープをいただきましょう。グランドメニューはスイーツ系と食事系を合わせて13種類。さらに季節限定のメニューもあります。
佐賀県産の小麦粉を使って作るオリジナルの生地は、商品によって焼き方を変えているそう。“ホットクレープ”と“おかずクレープ”は、表面をしっかりと焼き上げてパリッとした食感に。クリームや果物などを巻くスイーツ系のクレープは火入れの加減を調整し、もちもち感が際立つように焼き上げていると言います。

まずは人気の“ホットクレープ”「シュガーバター」(500円)をいただきました。サクッと焼き上げられた生地からジュワッと広がるバターの風味とブラウンシュガーの甘味がたまりません。ロゴ入りの包み紙もかわいい~!

続いてはこちらの2つもガブリ!
「ツナたまご」(750円)は、ツナ、レタス、ゆで卵を巻く“おかずクレープ”の一つで、マヨネーズとチーズ、フライドオニオンの食感もクセになります。
もう一つの「いちごタルト」(800円)は、4月末頃までの期間限定メニュー。佐賀の農家から仕入れる甘く香りの良いイチゴにカスタードと生クリーム、自家製のタルト生地、カリッとしたアーモンドプラリネ(キャラメリゼしたアーモンド)を合わせた人気のクレープです。甘さを控えて軽やかな口当たりに仕上げる生クリームへのこだわりもひとしお。クリームの産地やメーカーは企業秘密ですが、毎日数回に分けてこまめに泡立て、常にフレッシュな生クリームを使用するのがおいしさの秘密だと言います。

別日にはおすすめの「塩キャラメルナッツ」(750円)を食べたのですが……、ふんわりミルキーな生クリームのおいしさが際立ってこれもおいしい~! アーモンドプラリネやクルミ、クッキー、タルト生地の食感、自家製のほろ苦い塩キャラメルソースやカスタードの味わいも相まって、ランチ後だったのにペロリと完食してしまいました。

佐賀県産をはじめとした安心安全な食材に加え、バガスのストローといった環境に優しい素材も取り入れるなど、随所に心地よさを感じた「CREAM STAND MOFF」。「このレシピで作るクレープがおいしくて、仕事終わりに一つ、自分用に作って食べるのが毎日の楽しみ♪」と嬉しそうに話す笑顔も素敵で、すっかり溝口さんのファンになってしまいました。
ちなみに「MANLY COFFEE」などの周辺のお店で購入したドリンクは持ち込みOKだそうですよ。かわいくっておいしくって、何だかあったかい。そんな素敵なクレープ屋さんの登場で「平尾村」はますます楽しくなりそうです。
営業日など、インスタグラムで最新の情報をチェックして、ぜひ出かけてみてください。
ジャンル:スイーツ
住所:福岡市中央区平尾2-14-17「平尾村」内
電話番号:なし
営業時間:12:00~OS17:00 ※営業日により変動
定休日:不定
席数:テーブル約10席
個室:なし
メニュー:シュガーバター500円、紅茶ホワイトチョコ、白玉あんこ、オレオ各700円、バナナチョコ、塩キャラメルナッツ、ツナたまご、テリヤキチキン各750円、クレームブリュレ800円、生チョコ・アイス等のトッピング+150円、コーヒー300円
URL:https://www.instagram.com/creamstandmoff
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