新しい麺が誕生した、その名は「HAKATA BOKOMEN(ハカタ・ボコメン)」。ボコメンのボコはカマボコのボコ。魚のすり身から出来た麺だ。
開発したのは、福岡市の練り物メーカー「博水」。明治36年創業の老舗、業務用のすり身や揚げカマボコなどを製造している。食の欧米化によって魚料理、また練り物の消費量は減少傾向が続いている。そんな中、練り物をもっと食べて欲しいと、5代目で現在専務を務める江越雄大さん(35)が開発した。
うどんやラーメンなど福岡には麵文化が根付いている。練り物を麺にすることで「主菜から主食へ」そんな狙いがあった。BOKOMENは、魚肉とでんぷんを混ぜてすり身にし、麺の形に成型したもの。材料の配合を試行錯誤し、麺らしい食感と食べ応えを目指した。小麦粉は入っていないので、アレルギーの人でも楽しめ、また低カロリーでたんぱく質もとれる。そんな罪悪感ゼロのヘルシー麺が完成した。
スープは福岡の人たちに馴染みの深い「とんこつ味」など3種類。スープと麺、1人前をセットにして冷凍で販売。電子レンジで温めるだけで手軽に食べることが出来る。クラウドファンディングで応援購入を募ったところ、目標を大きく上回り、評判を呼んだ。
博多の新しい麺文化を作りたい。江越さんの夢は広がる。
(取材先情報)
企業名 株式会社 博水
住所 福岡県福岡市南区清水2-18-36
取材相手 専務 江越雄大さん
電話 (代)092-551-4426
HP https://hakusui-foods.com/
取材後記
「練り物」──鹿児島土産にさつま揚げを買うぐらいで、普段あんまり買わないな……とおっしゃるそこのアナタ!(そして取材前のワタシ)練り物のおいしさとポテンシャルをもっと知っていただきたい!
まあ「そんなことは知ってる」と言われる可能性はおそらく高い。と言うのも、福岡以外の九州では練り物の年間消費量はそこそこ高いそうなのです。福岡だけが何故か低いのだとか。何故なんだー。と言うわけで、練り物のおいしさとポテンシャルに驚きました!というのが今回の取材における個人的な感想です。
タンパク質豊富、低糖質、低カロリーなボコメン。タンパク質を取りたいけれど肉も魚も嫌いだという方や、咀嚼力が落ちてお肉が食べられない高齢者の介護食など、当初の予想とは違うところでも重宝されているそうです。
江越さんは筋トレが趣味。「身体作りにもボコメン最高ですよ」と熱烈アピールしていました。練り物で育てた筋肉と若さを武器に、練り物の世界に新風を巻き起こし、まずは福岡に、いずれは世界にBOKOMENファンを増やしていただきたいです。
(RKB毎日放送/里山千恵美)
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