薬院と六本松の間にある桜坂は、江戸時代には桜の名所だったといわる閑静な住宅街。周囲に学校も多い文教地区としても知られていますが、近年は城南線とけやき通りを結ぶ「はなみずき通り」を中心に新しい飲食店が増えています。そんな中、福岡のワイン好きから注目を集めている新店が、4月にオープンした「VIVANT」です。けやき通りにある人気ビストロ「ル・ルビー」の2号店と聞けば、期待が高まりますよね。
オーナーシェフ・清末太一さんによると、「スタッフも育ってきたので、そろそろ新しいステージが必要かと思い、数年前から構想していました」とのこと。本店から歩いて4、5分という絶好のロケーションにある物件に出会い、2軒目の出店を決めたそうです。
店名の由来は、「生きている」「活気のある」という意味のフランス語からで、カウンター8席をメインに、テーブル3席のミニマムな造り。2~3名で利用できる立ち飲みスペースもあり、予約なしでもフラリと気軽に利用することができます。
本店とは違い、こちらは"ナチュラルワインと小皿料理"がコンセプト。メニューには10種類ほどの小皿料理と、「山田製麺」の麺を使ったヌードルや薬院の「日と常」から取り寄せるスイーツなどが並んでいます。シェフとマダムをはじめ、スタッフ全員がソムリエの有資格者なので、料理に合わせたワインをレコメンドしてくれます。
訪れたのは7月の初旬、まだ陽射しが衰えない時刻に店に着くと、まずはシャンパーニュで喉を潤すことに。一皿目に注文した「たまごのピクルス」(440円)は目にも鮮やかなルックスで、桂川町の古野農場で平飼いにされた鶏の卵を紫キャベツで色付けしてるそうです。サッパリとした味付けは、シャンパーニュにもよく合います。
この店の注目ポイントが、福岡では珍しいジョージア料理が食べられること。ワイン発祥の地ともいわれるジョージアは地理的にヨーロッパとアジアの間に位置し、その両方がミックスした独自の食文化を持っています。「スパイスやハーブの使い方が面白くて、興味を持つようになりました」と清末さん。
写真は、クルミのペーストを焼き茄子で巻いた「パドリジャーニ」(660円)と、ジョージア版水餃子の「ヒンカリ」(660円)です。どこか中東を思わせるスパイスが香り、どちらもジョージア産のオレンジワインとベストマッチ! 年内にはジョージアに研修に行く予定ということで、今後もさらにバリエーションが増えそうです。
締めに注文したのは「冷たい濃厚コーンスープとナスのヌードル」(1,210円)で、UMAGAにも執筆しているヌードルライター・山田祐一郎さんが代表を務める「山田製麺」の中華麺を使用しています。旬のスイートコーンを使った冷たいスープとツルシコの細麺は喉ごしもよく、夏にピッタリの麺料理でした。
使い勝手のいいワインバーとして、0次会や2軒目の利用もOK、店内に設えられたワインセラーに並ぶボトルが、ワインラバーから抜栓されるのを待っています。
ジャンル:各国料理、フランス料理、ワインダイニング・ワインバー
住所:福岡市中央区赤坂3-1-29 ビジネスワン桜坂1F
電話番号:080-9249-1809
営業時間:18:00~24:00
定休日:不定
席数:カウンター8席、テーブル3席、スタンディング2~3名くらい
個室:なし
メニュー:たまごのピクルス(1個)440円、よっとん豚の自家製ハム660円、モロッコ風ラタトゥイユ770円、パドリジャーニ660円、ヒンカリ660円、豚足のカイエット1,650円、冷たい濃厚コーンスープとナスのヌードル1,210円、ビール770円、グラスワイン1,210円~
URL:https://www.instagram.com/vivant_2025/
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