PageTopButton

『伸縮自在!幾何学玩具』

おもちゃも「遊ぶ」だけから「遊びながら学ぶ」、知育玩具へのニーズが年々増加している。


熊本県荒尾市にある不二宮製作所。産業機械の部品から大型加工まで幅広い分野を担う金属加工のプロフェッショナル。さらに、この会社の高い技術力が光る商品が知育玩具「アートイモデル」。昨年販売を開始、開発に約15年かけた。3種類のパーツを組み合わせることで幾何学的な立体を自由に作り出せる新感覚のおもちゃだ。特筆すべきはその伸縮自在性。組み立てられてモデルが大きさを変える様は見る者を飽きさせない。
 

この発明を牽引するのが社長の松岡徳康さん(84)。長年、金属加工の現場で培ってきた経験と知識を活かし15年ほど前からオリジナル商品開発に取り組んできた。松岡社長を中心に社員でアイデアを絞り生み出された商品は欧米や中国などの国際特許を多数取得。“オンリーワン”技術とアイデアで世界に通用するメーカーを目指している。
 

「アートイモデル」にも使われている特許技術「伸縮アームを用いた形状可変立体構造物」を用いたインテリア用品、アクセサリー、災害時の仮設テントなども開発中。

「伸び縮み技術は宇宙にも役立つはず。橋や家にも応用できる」。松岡社長の夢は広がる。

株式会社 不二宮製作所
熊本県荒尾市高浜字前1825-50
荒尾鉄工団地内
電話:0968-68-1318
HP:http://fujimiya-s.jp


取材後記

工場に足を踏み入れると、吊るされたクレーンで移動するトンクラスの大きな鉄鋼に飛び散る溶接の火花。「ここでプラスチックのカラフルな玩具が?」というのが第一印象だった。しかし、通された事務所の中はまさに「おもちゃ箱」。色とりどりのパーツや作りかけのモデルがずらりと並んでいた。

 

「幾何学」を用いた玩具。
文字を見ると何やら難しいそうに思うが、実際、触ってみるとまさに「ハマル」という言葉がピッタリの玩具。ただ組み合わせるだけでなしに、若干「考える」ことも「ハマル」要因なのかもしれない。「子どもの方が想像を超えた動きを作り出す」と嬉しそうに話す社員の方々。「8月に行われる体験会や東京おもちゃショーで得たことを次の開発のヒントにした」と話していたのが印象的だった。

 

松岡社長の夢は「宇宙開発」に役立てること。その前に、クルマや構造物にも応用できるはずと模索中。ランプシェードを始めとするインテリアやアクセサリー。活用できそうなジャンルは多岐に渡る。「大量生産できる企業とタッグを組み、世の中に普及させたい」と話す松岡社長。その夢が実現し、試作中のアクセサリーや壁飾りが販売されたら、すぐにでも手にいれ、楽しんで使いたい。

 

特許取得の伸縮自在な幾何学構造。あらゆる形で生活の一部となる日が楽しみだ。

(RKK熊本放送/久保田泰代)
 

この記事はいかがでしたか?
リアクションで支援しよう