仕事を終えて家事を済ませ、毎晩、ダイニングテーブルの隅で小さなノートを開く。そこにつづられた日記にふっと笑いながら、返事を書く。「今夜はピザを食べました。ピザが運ばれてくると身を乗り出して『うわぁ~!』と声を上げるので、みんなで大笑いしました。」
小学生以来の交換日記。今回の相手は、娘の保育園の先生。そう、園との連絡帳だ。
4月に育休から復帰してようやく仕事にも慣れ「これだ、この達成感!」と生放送後には働く喜びが胸に満ちる。一方で、娘と顔を合わせる時間が減ると「これでいいのか」と心が揺れる日も。
そんな時に支えとなったのが、この連絡帳だ。先生がイラストも交えて丁寧につづる娘の日常。開くたびに、親以外から多くの愛情を受けてのびのびと過ごしていることが感じられ、「娘は毎日こんなに幸せなんだから、私も仕事を頑張ろう!」と何度も背中を押してもらった。
入園して5カ月。3冊目に入った連絡帳には、「きらきら星」が上手に歌えること、水遊びを喜んだことなど、日々の小さなできごとが並ぶ。何気ないこと。でもきっと将来娘が成長したときに見返せば、かけがえのない思い出になっているだろう。そんな「今」がたくさん刻まれた連絡帳を胸に、私は今日も笑顔で仕事に向かう。
8月30日(土)毎日新聞掲載
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