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『知の冒険へ!至宝だらけの博物館』

福岡市東区箱崎にある、九州大学総合研究博物館。 九州大学の象徴として長く親しまれてきた歴史的建物の中に、日本屈指の貴重なコレクションが収蔵されている。

 

その数、約155万点。重さ70キロの巨大アンモナイトの化石に、収蔵室に眠る古人骨4000体。福岡で発掘された野生のサイの化石や、世界でここでしか見られない貴重な昆虫たち―地球の悠久の歴史がぎっしり詰まった不思議な空間だ。

 

実際に「持つ・触れる」ことから得られる感覚的な情報は、重要な気づきを生み、新たな発見につながるという研究者の視点から、可能なものは「直接触れられる展示」を行う。間近で見る本物の迫力に、子どもから大人まで、知的好奇心が止まらない。
 

大学博物館の収蔵物は、単なる展示物ではない。現役の研究対象として、専門家による研究が日々進められているのだ。分析技術の進歩とともに、新しいことがわかると、これまで謎だったことも次々に解明され、知の探究は、果てしなく広がっていく。
 

大学博物館だからこそ見せられる展示物、展示方法、その可能性は無限大だ。 まさにここは人類の宝箱!

【取材先情報】

九州大学総合研究博物館

(住所)〒812-8581  福岡市東区箱崎6-10-1
(電話)092-642-4252
(URL)https://www.museum.kyushu-u.ac.jp

館長 堀賀貴さん
 

取材後記

大学の中に博物館があるなんて、私も数年前まで知りませんでした。

廊下には、タイヤのような大きさのアンモナイトがむき出しで置かれ、おさわり(?)も自由。展示棚の奥には、ひっそりと置かれたマンモスの骨が!けれど、その存在に気づく人はほとんどいません。スポットライトを浴びて展示されるような標本が、ここではごく普通に、目の前にポン、と存在することに衝撃を受けました。

 

この展示スタイルの背景には、大学博物館ならではの「収蔵品の役割」があります。そこにあるものは単なる展示品ではなく、今も専門家が分析・研究を行い、新しい発見を生み出す現役の研究資料なのです。

 

「技術の進歩により、新しいことが分かると、次に何を調べるべきかが見えてくる。学問は常に動いている。」取材の際、先生が語ってくださったこの言葉が、とても印象的でした。この膨大な標本群から、これからどんな新発見が飛び出すのかワクワクします。

 

現在、博物館は一般公開を休止中ですが、令和10年秋のリニューアルオープンを目指して準備が進められています。展示方法にも工夫を凝らし、展示物も定期的に入れ替えることで、何度訪れても新しい発見がある博物館を目指しているそうです。 これはもう、待ち遠しい!

 

ここは、研究の最前線であり、専門家から研究の裏話まで聞けてしまう、まさに知の遊園地。展示が再開されたら、ぜひご家族で訪れて、生きた科学の魅力を肌で感じてみてください。

 

(RKB毎日放送/本庄 裕子)
                               

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