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中華そばの清湯スープを思わせるアッサリちゃんぽん

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正月の「えびす祭」で知られる十日恵比須神社がある東公園周辺は、知る人ぞ知るグルメスポット。天神や博多駅といった商業地区ではありませんが、近隣に福岡県庁や福岡県警本部、九大病院などの大規模な施設があるためランチ需要も高く、個人店を中心に個性的な良店が集まっている印象です。そんな中の一軒が、ちゃんぽん専門店の「ふる家」。地下鉄千代県庁口から千代東公園を抜けた場所にあり、連日周辺の常連客で賑わっています。

ふる家_外観

プレハブの小さな店舗は、厨房とカウンター7席だけのミニマムな造り。それだけではとても客を捌ききれないので、隣にはタープテントをベニヤ板で囲った別棟があり、製麺機とともに8席のテーブルが置かれていました。狭い店内には、常時「カン、カン、カンッ」と中華鍋を振る音がリズミカルに響いています。

ふる家_料理1

メニューは、「ちゃんぽん」(800円)、「焼きめし」(750円)、「半焼きめし+ちゃんぽん」のセット(1,050円)のみ。焼きめしも美味いとの評判なので、今回はセットを注文することにしました。もうもうとした湯気とともに運ばれてたちゃんぽんは、かなりのデカ盛りサイズ。具材はザックリと切られたキャベツ、玉ねぎ、もやし、ニンジンのたっぷり野菜に、キクラゲ、豚肉といったラインアップで、なかなかに食欲をそそるルックスです。

ふる家_料理2

レンゲでスープを掬うと、かなり透明感のある褐色で、まるで中国料理の「清湯(チンタン)」を思わせる見た目。一口啜れば想像以上にアッサリとした口当たりで、後からじんわりと滋味が溢れてくるような上品な飲み口です。一般的に福岡のちゃんぽんは、鶏ガラや豚骨をベースにして白濁させた「白湯(パイタン)」タイプが多いので、かなり珍しいといえるでしょう。

ふる家_料理3

自家製の中太麺をひと噛みすると、ムニュッとした歯触りの後にモッチリとした食感が続き、スープとの相性もよく考えれているようです。麺、具材ともにかなりのボリュームなので、ハフハフと食べ進めるうちに野菜の旨みがスープに染みわたり、さらにコクが増していきます。

ふる家_料理4

そして、もう一つの名物である焼きめしは、細かく刻まれた野菜と豚肉の具材に醤油の香りが漂います。ご飯粒をパラパラに炒めるのが良しとされる"炒飯"に対して、しっとりとした仕上がりは「これぞ焼きめし!」といいたくなる王道タイプ。僕はどちらも好きですがちゃんぽんのスープにはこちらの方が合いそうで、単品の焼きめしにはスープが付いてきます。また、「汁なしちゃんぽん」など、メニューには載っていない"裏メニュー"もあるので、気になる人はぜひ通ってみてください。

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