10月31日から11月16日まで行われた「TACHINOMIST9」。2018年に20店舗ほどの参加で始まったスタンプラリー形式の立ち飲みイベントだが、9回目を迎えた今回は福岡市内81店舗にまで増え、さらに韓国ソウル5店舗が加わって、国内最大級どころか国際的なイベントにまで成長した。開催期間中の参加者は5万人を超えると目され、地元民のみならず県外からもわざわざ訪れるほどの盛況ぶりだ。初参加の店も多く、中でも目立ったのが春吉エリアの新店舗。今回はそのうち3軒を飲み歩くことにした。
1.ニューフェイスの立ち飲み屋で漬け酒を
まず最初の一軒目は、国体道路春吉橋付近にあるパチンコ店裏手の「すわれる立ち飲み レモン」から。店名のとおり、スタンディング形式のカウンターのほか、ハイテーブルとテラス席には椅子があり、座って飲むことができる。が、もちろん、カウンターに着いて「センベロセット」(2ドリンク+1フード/1000円)を注文し、糸島レモンサワーとポテサラをセレクトした。
ここは、ジンやウォッカ、ウイスキーなどに果実を入れた漬け酒が名物。2杯目に注文した梅酒ロックには、大粒な梅がゴロリと入っている。箸でつまんで小皿に取り出せば、これがいい塩梅の酒肴になるのは、酒飲みにとって嬉しい限りだ。
天神に隣接しながら江戸時代からの町割りがそのまま残っているといわれる春吉界隈は、ここ数年旧い民家やビルの建て替えで新陳代謝が盛んなエリア。店主の廣畑亮一さん(写真左)は大手自動車メーカーからの脱サラ組で、当初は北九州での出店を考えていたが、春吉の集客力に魅力を感じたという。そんなニューフェイスが集まり、ますます活況を呈しているのが春吉の現状だ。
2.スタイリッシュな店内で絶品塩唐揚げに悶絶
お次は路地を抜けて春吉大通りまで出て、通り沿いでグリーンとブルーの異彩を放つ「春吉立呑 STAND MARIO」へ。グレーを基調にしたスタイリッシュな内装はまるでカフェバーのような雰囲気で、周囲の店とは一線を画している。
"本気のせんベロ"(税抜)と題されたセットは、生ビールからハイボール、ワイン、カクテルなど30種類以上のドリンクが1,100円で3~4杯分飲めるお得なシステム。グラスワインだけでも白・赤4種類が用意され、ワイン好きには堪らないラインアップだ。
フードはペペロンチーノやポロネーゼなどの生パスタをはじめとするイタリアンがベースだが、絶対に食べたいのが鶏モモ肉の「塩から揚げ」だ。カラッと揚げた衣の中身からジューシーな肉汁が溢れ出してくるのは、専門店顔負けの美味しさ! 1個219円~というリーズナブルな価格とも相まって、またリピートしたくなる。
3.町中華の定番を串にしたアイデアに脱帽
最後に向かったのは、春吉で一番南側にある路地で9月にオープンした「立ち呑み 串チューカ'99」。いかにも中華料理屋らしい紅い扉が目印で、15時~翌3時まで営業している。
左から麻婆豆腐と酢豚
「串チューカ」の店名どおり、中華料理を串料理スタイルで提供するのが基本コンセプト。誰もが知っている定番中華料理のレシピを再現しながら、1本の串料理として再構築しているのが最大のポイントだ。花椒や唐辛子を効かせた麻婆ソースや黒酢を使った甘酸っぱいタレがかかった串を食べれば、口の中で「麻婆豆腐」や「酢豚」の味が再現されるという寸法だ。
中でも秀逸なのは「エビチリ」で、エビの串焼きに中華風チリソースをかけたスタイルはオリジナリティがあり、立ち飲み酒場ならではの自由さを感じさせてくれる。開店から18時までは生ビールやハイボールが300円になるハッピーアワーも常時開催中で、春吉エリアの昼飲みスポットとしてもオススメできる。
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