私が自分へのご褒美ランチに行きたいお店として1番に思いつくのが、こちら、日赤通りから1本入った細い路地にたたずむフランス料理店「Cochonique」。2019年にオープンして間もないころから時々お邪魔している大好きなお店で、パリの街角にありそうなかわいらしい水色の外観が目印です。フランス好きの友人を連れていくと、100%喜ばれます。
お昼のコースは3種類ありますが、今回は4,400円のコースをお願いしました。このほか、魚料理がプラスされ肉料理が牛肉になる6,050円のコースやそれに第2オードブルが付く8,800円のコースもあります。
まず運ばれてきたのが、アミューズの「長崎産ハガツオのトマトマリネ」。スタートにふさわしく、トマトの甘味と酸味が効いたさわやかで食欲をそそる1皿です。
次の前菜は「福岡産アシアカエビとうきはのフルーツを使ったサラダ仕立て」。
まるでお皿の上に花が咲いたかのような美しさで、色とりどりの大根やカブ、そしてオレンジやキウイなどの甘酸っぱいフルーツが、主役のエビをより一層引き立てます。プリッとした弾力のエビにジューシーな果物、シャキシャキと歯ざわりの良い野菜が重なり、ひと口ごとに異なる食感の楽しさが広がります。
こちらで供されるうきは産の野菜や果物は、地元の農家さんが朝採れのものをそのまま届けてくれるため、驚くほどみずみずしくフレッシュ。この手間暇のおかげで、一番おいしい状態でいただけるのです。
サラダ仕立ての前菜の後は温かいスープ「マッシュルームのポタージュのカプチーノ仕立て」。ふわふわのフォームの下には、アッツアツのスープ。口に運べば身体の芯から温まります。
そして、本日のメインは「糸島豚ヒレ肉のロースト マデラ酒ソース」。
香り豊かなキノコとチーズの生地をのせて焼き上げた豚ヒレ肉は、しっとりとなめらか! 絶妙な火入れ加減で、噛むほどに旨みが広がります。ゴボウ、ズッキーニ、レンコンなど季節の野菜もふんだんに添えられ、彩りと食べ応えをプラス。派手な演出こそないものの、満足度の高い一皿です。
デザートは秋らしさを贅沢に閉じ込めた「モンブラン風デザート」。ザクっと香ばしいクッキー生地のクランブルの上に、芳醇なコニャックがふわりと香るアイスクリームを重ね、その上になめらかな栗のペーストと風味豊かなマロングラッセで彩った、食感と香りのハーモニーが楽しいデザートです。
アミューズからデザートまで、最後まで美味しくいただけるリズムとボリュームに大満足。お料理とともに会話も弾みます。
シェフの森田安彦さんは、ホテル日航福岡でキャリアをスタートさせたのち、南フランスやパリの星付きレストランで研鑽を積み、再び同ホテルに戻って「レ・セレブリテ」の料理長を務めた実力派。2019年の独立後は、自らの目が行き届く12席の店を、奥様と二人三脚で営んでいます。
そんな森田シェフの長年の経験に裏打ちされた確かな料理を、家庭的で温かい雰囲気の中で楽しめることもこの店の大きな魅力。一度訪れると「次はあの人を連れてきたい」「今度はどんなお料理が出るのかな?」と、季節ごとに足しげく通う常連さんが多いというのも納得です。
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