美しい海岸線、歴史ある城や屋敷、そして陶芸の町としても知られる唐津。訪れるたびに四季折々の風景と文化に魅了される大人の旅先です。なかでも食のレベルの高さは九州でも屈指。海と山の幸の豊かさはもちろん、私の手帳の「いつか行きたい店リスト」には、唐津のレストランがたくさん名を連ねています。
そんな唐津に2024年秋にオープン以来、瞬く間に話題となっているのが「中華 大しげ」。京都・祇園の予約困難店「にしぶち飯店」で長年腕を磨いた大重圭司シェフと、ジャンルは違えど同じく京都の日本料理「野口」で経験を重ねた奥様という、料理人夫婦が営む中華料理店です。こちらもすでに予約が取りにくいという噂でしたが、知人から予約が取れたといううれしい知らせが届き、念願叶って伺うことができました。
到着してまず圧倒されたのが、その風格漂う建物。この立派なお屋敷は大正時代に建てられた「旧藤田家住宅質屋店舗兼住宅」の母屋で、実際のお店はこの裏手にある元炭小屋を改装したもの。カウンター4席、テーブル席4席の小さな空間はシェフや奥様との距離感が近く、料理への想いや温度がそのまま伝わってきます。
メニューは13,000円のコースのみ。唐津の食材をメインに、広東料理をベースにしながら、香味やスパイスを巧みに組み合わせた、ここでしか出会えない唐津前の中華料理が展開します。
まずは温かいスープでスタート。体が温まったら、2品目はお造り「唐津産真鯛の昆布〆」です。皮目を湯引きした真鯛に、ネギとショウガのソース、サクサクとした中華おこげが散らされ、甘味・旨味・食感が一体となって広がります。唐津焼の器もお料理を引き立てます。
続いて運ばれてきた「焼豚(チャーシュー)」の塊。こちらはスペシャリテのひとつで、目の前で切り分けてくれるライブ感も魅力。絶妙な味付けと火入れ加減でしっとりと仕上げられていて、脂の旨味が口に広がります。そのままでも十分おいしいのですが、添えられた酸味のきいた粒マスタードとの相性も抜群です。
そして堂々登場したのが、もう一つのスペシャリテ「北京ダック」。ツヤツヤと光る姿に思わず前のめりに。伺った日は、柿、クリームチーズ、菊芋、ルッコラとともにカオヤーピン(薄いクレープ状の皮)に包まれ、その意外性に感動。皮はパリッと香ばしく、脂の旨味がしっかり。思わず「おかわり!」と声を上げてしまいそうですが、先は長いのでここは我慢。季節が変わったらどんな具を組み合わせるのかしら⁉と、再訪欲をかきたてられました。
さらに、フカヒレスープ、魚の蒸し物に舌鼓を打った後、グツグツと音を立てながら運ばれてきた「獅子頭のツガニ餡かけ」。ふわふわの肉団子にカニ肉入りの餡がさらりと絡み、ボリュームはありますが、するりと入る一皿です。
ここで土鍋を抱えた奥様が登場。「角煮と豚の腸詰、栗、椎茸のおこわ」です。炊きたてほかほかの香りに抗えるはずもなく、思わず“ごはんの別腹”が発動。
お代わりを迷っていたところ、奥様から「この後、担々麵と天津飯と麻婆茄子もありますけど、食べられるようでしたらお選びください。3つともでもいいですよ」と耳を疑うような言葉が。なんと、ごはんの後にさらなるメニューが3品も用意されていたのです。悩んだ末、麻婆茄子だけいただきました。
締めはココナッツプリンとタピオカのデザート。
全体を通して食材の旨味をしっかり引き出しつつ、油分控えめで軽やか。品数が多いのですが、変化に富んだメニューで最後までおいしく食べ進めることができる構成が見事でした。
「中華 大しげ」は完全予約制で、偶数月の15日から翌2~3か月の予約がスタート。基本は夜の営業ですが、昼は4名以上で応相談とのこと。数日で埋まることも多いそうなので、お早目に!
この記事は積水ハウス グランドメゾンの提供でお届けしました。
ジャンル:中華料理
住所:佐賀県唐津市坊主町552-5離れ
電話番号:0955-53-8820 (完全予約制)
営業時間:18:00~21:00
定休日:不定休
席数:カウンター4席、テーブル4席
個室:なし
メニュー:コース13,000円のみ
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