注文住宅を考える中で、収納計画は頭を悩ませる項目の一つですね。特に衣類収納は毎日の身支度や家事動線に直結するだけに、収納力だけでなく効率性にも注目したいところです。近年注目されているオープンクローゼットは、収納スペースを開放的に使い、大容量の収納力とアクセスの良さを両立しやすいスタイルとして人気を集めています。
そこで今回は、オープンクローゼットとはどのような収納なのかを解説するとともに、メリットとデメリットや効果的に活用するコツをご紹介します。
オープンクローゼットとは?

オープンクローゼットとは、一般的なクローゼットのように扉と壁で独立した空間として設けるのではなく、空間の一部を収納スペースとして活用するスタイルのクローゼットです。衣類や小物などの収納物を見せる形で収納し、室内に開放された状態で設置するスタイルのほか、居室と居室の間をつなぐ位置にウォークスルー形式で設けるスタイルもあります。
扉がない分、空間に広がりが出るのに加えて、移動する途中に収納物の出し入れができる位置にあるため動線がシンプルで効率的になるのが特徴です。
オープンクローゼットを取り入れるメリット

注文住宅にオープンクローゼットを取り入れるとどのようなメリットがあるのでしょうか。主なメリットを4つご紹介します。
衣類や小物を管理しやすい
オープンクローゼットは収納物を一目で把握できるため、整理しやすいのがメリットのひとつです。「同じような服をまた買ってしまった」「あのバッグはどこにしまったっけ」といった買い物のムダや使いたいものを探す時間のムダを減らしやすいです。常に収納物が見えている状態なので、整理整頓への意識が高まり、日頃から片付いた状態を保ちやすいのもメリットでしょう。
動線がコンパクトになる
たとえば寝室と洗面室やランドリールームの間の通路部分にオープンクローゼットを設けると、洗濯から収納・使用までの動線がコンパクトなため非常に効率的です。洗う・干す・たたむ・しまう・使うという一連の作業がスムーズで、家事の時短化にもなるでしょう。
通気性が高い
扉がないオープンクローゼットは、空気がこもりにくく、通気性に優れています。湿気がたまりにくいためカビが発生しにくく、衣類特有のにおいの発生も抑えやすいです。近年の夏場の気温や湿度の高さを考えると、自然に風が通る点は大きなメリットと言えます。専用の除湿機や換気設備も不要なため、設備代や電気代がかかりません。
安全に出入りできる
オープンクローゼットは扉の開閉をすることなくスムーズに出入りできるのが魅力です。朝の忙しい時間帯でもストレスなく身支度ができます。扉に指を挟んだり、開閉時に体をぶつけたりする心配もありません。
オープンクローゼットを取り入れるデメリット

さまざまなメリットが得られるオープンクローゼットですが、デメリットもあります。ライフスタイルに合ったオープンクローゼットを設置するためにも、主なデメリットを事前に把握しておきましょう。
ホコリがたまりやすい
扉がないオープンクローゼットには、どうしてもホコリが入りやすくなります。衣類や棚の上にホコリが積もりやすいため、定期的な掃除が欠かせません。特に玄関に近い位置に設置すると、帰宅した際の汚れや花粉などが収納物につく心配もあるでしょう。設置位置は十分に検討する必要があります。
生活感が出やすい
収納物が常に見える状態なため、整理されていないと生活感が出やすい点はデメリットです。色やデザインがバラバラな衣類が並んでいる状態が見えて、空間が雑然とした印象になってしまうこともあります。ハンガーの色やデザインを統一する、収納ケースを同シリーズに揃える、衣類を色別やサイズ別にまとめるなど、設置した周辺の空間のインテリアと調和する工夫が求められます。
防虫剤の効果が発揮しにくい場合がある
開放的な空間であるオープンクローゼットでは、防虫剤を置いても効き目が出にくい可能性があります。防虫剤は密閉された空間のほうが効果が高いからです。ウールやシルクといった虫に弱い素材の衣類や小物をオープンクローゼットに収納する場合は、引き出しを設けたり収納ケースに入れて吊るしたりする工夫が必要でしょう。
オープンクローゼットを効率的に活用するコツ

一般的なクローゼットとは違う面が多いオープンクローゼットですが、メリットを生かして効率的に活用すれば大変便利です。効率性を高めるためのコツをご紹介します。
衣類を詰め込みすぎない
オープンクローゼットの内部をきれいに保つためには、収納量に余裕を持たせることが大切です。詰め込みすぎると収納物が取り出しにくいだけでなく、見た目の印象も良くありません。スペースの8割程度を使って収納できるよう、定期的に不要な衣類や小物を見直して整理し、必要な物だけを残すようにしましょう。
クローゼット内をエリア分けする
オープンクローゼットを効率的に活用するには、内部のエリア分けが有効です。コートやシャツなど「かける」もの、日常的に使うタオルなど「置く」もの、下着など「しまう」ものといったように出し入れのしやすさや見た目を考慮してエリア分けすると、すっきりして使いやすくなります。
可動棚を多めに設置する
収納物の種類にもよりますが、たたんでしまったり並べて置いたりできるアイテムが多いなら可動棚を多めに設置しましょう。収納物の量やサイズに応じて柔軟に高さを変えられるため、内部を無駄なく使えます。もっとも簡易的なのは棚柱と棚板を組み合わせるスタイルです。ライフスタイルの変化に合わせて棚の高さを調整しながら、長く使い続けられる収納スペースとして活用できるはずです。
まとめ
オープンクローゼットは、使いやすさやデザイン性に優れた収納方法ですが、メリットとデメリットの両方を理解したうえで取り入れることが重要です。自分たちの暮らしに合った収納スペースとして、オープンクローゼットを取り入れてみてはいかがでしょうか。

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住宅設備メーカーや住宅コンサルタント会社、大手ハウスメーカーでの勤務を経て独立。 日常の中に非日常を感じられる空間づくりをコンセプトとし、住宅やオフィス・医療施設・店舗などの設計およびインテリアコーディネートに携わっています。 建築インテリア関連記事の企画執筆や監修業務、研修講師、建築関連資格対策テキスト監修、工務店施工事例集ディレクションなどの実績も多数。
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