新しい味覚との出会いを求めて、街のレストランを訪ね歩く楽しみ。そんな食の好奇心を刺激してくれるのが、ジャンルの枠にとらわれない“イノベーティブ”な料理を掲げる店です。フレンチや和食、世界各地の技法や食材を自在に組み合わせ、これまでにない一皿を生み出すシェフたち。今回はUMAGAでこれまでに紹介してきた中から、独創的な発想と確かな技術で食通を魅了する、イノベーティブレストラン3店をご紹介します。
孤高のレストランが描きだす、イノベーティブなグルメ体験
福岡市大手門『TTOAHISU(トアヒス)』
2016年、大手門に彗星のように現れたレストラン「TTOAHISU(トアヒス)」。フレンチを軸にしながら、その枠を軽やかに越える独創的な料理で瞬く間にグルマンの心を掴み、ミシュラン一ツ星も獲得した注目店です。近頃、そのイノベーティブな料理がさらに進化していると聞き、期待を胸に訪れました。
暖簾が掛かる端正なエントランスは、どこか和食店のようでありながら無国籍な気配。店内はモノトーンを基調とした洗練空間ですが、福岡城の絵やフィギュアがさりげない温かみを添え、緊張と親密さが心地よく同居しています。
厨房に立つのはオーナーシェフの山下泰史さん。「ジョエル・ロブション」などで研鑽を積み、30歳で独立。創作意欲に導かれ、料理は次第にフレンチの枠を越えた“イノベーティブ”へと進化しました。
この日のディナーは全10品。地鶏のブイヨンに和牛や黒豚、焼きアゴを重ねた濃密なダブルコンソメに始まり、五島産サワラの炙り、太刀魚の椀物、さらにはトムヤムクンまでが自然な流れで続きます。素材の力を最大限に引き出す火入れや温度への徹底した配慮が、料理をいっそう際立たせていました。
古今東西のエッセンスを自在な発想と緻密な構成で描き出す山下さん。その料理には、常に新しい発見があります。「誰も作っていない料理を生み出し、お客様に楽しんでもらうことが原動力」。そう語る言葉通り、TTOAHISUは今も進化を続けています。
『TTOAHISU(トアヒス)』の詳しい記事は、コチラ
新進気鋭のシェフが凱旋!春吉に誕生したイノベーティブフレンチの新星
『illimité(イリミテ)』
2024年6月、福岡・春吉の裏路地に新たなイノベーティブ・フュージョンレストラン「illimité(イリミテ)」が誕生しました。店名はフランス語で“無制限”を意味します。国体道路から一本入った静かな通り、昨年完成したばかりのビルの3階へ。扉を開けると、オープンキッチンを中心にライブ感あふれる空間が広がります。出迎えてくれるのは、東京から地元福岡へ凱旋したシェフ・中川巧さんと、サービスの松本桂護さん。博多織をイメージした壁面装飾や九州産オークの一枚板カウンターなど、土地の文化を感じさせる設えも印象的です。
大阪の専門学校を卒業後、東京の名店で研鑽を積んだ中川シェフは、三ツ星店「カンテサンス」や予約困難店「エクアトゥール」で経験を重ね、30歳で自身の店を開きました。目指すのは、ジャンルに縛られない自由な料理。和食や中国料理の要素も取り入れながら、素材の魅力を最大限に引き出す一皿を追求しています。
コースは全11品のおまかせ。呼子のいかしゅうまいを着想にした前菜や、地鶏の旨味を引き出したスペシャリテ、三ツ星仕込みの火入れが光る鳩のローストなど、九州の食材を軸にした多彩な料理が続きます。温冷のデザートまで丁寧に構成されたコースは、驚きと心地よさを兼ね備えたもの。
“無制限”の発想で料理を生み出す若きシェフの登場により、福岡のレストランシーンはさらに刺激的になりそうです。
『illimité(イリミテ)』の詳しい記事は、コチラ
照葉に降誕!世界基準に挑む、九州ガストロノミーのフレンチレストラン
福岡市照葉『KOGISHI』
博多湾に浮かぶ人工島、アイランドシティ照葉。整然とした街並みと静けさに包まれたこのエリアは、どこか未来都市のような空気をまとっています。そんな場所にふさわしいフレンチレストラン「KOGISHI」が2023年11月に誕生しました。オーナーシェフは、小岸明寛さん。かつて「オーグードュジュール メルヴェイユ博多」で料理長を務め、ミシュラン一つ星を獲得した実力派です。
天神から車で約15分。店内は白とグレーを基調とした端正な空間で、円形テーブルに「クリストフル」のカトラリーが輝きます。洗練されたインテリアに、これから始まる料理への期待が自然と高まります。
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ディナーコースの象徴的な一皿が、野菜や花を美しく盛り込んだスペシャリテ「九州の大地」。約80種もの素材を組み合わせた一皿は、風味の重なりと野趣が見事に調和し、まさに大地の恵みを凝縮したような味わいです。
繊細な火入れで仕上げた魚料理や黒毛和牛の一皿など、料理はどれも緻密で力強い印象。
郊外に名店が集まるフランスのように、この場所を目指して人が訪れるレストランにしたい——。そんな小岸シェフの挑戦は、福岡のガストロノミーに新たな地図を描き始めています。
『KOGISHI』の詳しい記事は、コチラ
※各店の情報は記事の公開時点のものであり、営業時間や価格が変更になっている場合がありますので、予約前には一度ご確認ください。
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