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[特集]「旦過市場」火災…瓦礫が散乱し焼け落ちた店舗も 被害の全容徐々に明らかに

40軒以上が焼けた「旦過市場」の大火で消失範囲が明らかになった。警察と消防は焼け落ちて瓦礫の山となった内部を調べ、火災の原因を調べている。一方、服部知事や北橋市長も現地を視察。市場の再開に向けた行政の支援も始まった。
行政が焼損したと見込んでいるのは写真で赤く示した場所だ。大通りに面した北側からアーケードの東側にかけての一角で市場全体の約4分の1を占める。テニスコート6.5面分ほどの広さに青果店、精肉店、ラーメン店、鮮魚店、カフェ、衣料品店などの少なくとも40店が隙間無く軒を連ねていた。
「発生から2日目の朝を迎えました。まだ規制線が張られ中に入ることはできません。奥を見ると店が大きく崩れています」(RKB下濱美有)
発生から2日目となった20日、消防は焼けた建物の中に残る火がないか確認を続けた。火が完全に消し止められた状態を指す「鎮火」はまだ発表されていない(20日午後6時時点)。
「午前10時半を回り警察と消防が実況見分をしています」(RKB浅上旺太郎)
消火の確認と並行して始まったのが実況見分だ。警察と消防は60人態勢で火元と出火の原因の特定を進めている。
焼損を免れた一部の店は営業を再開したところもあった。一般客の立ち入りは規制されているため、注文を受けていた商品の販売や配達を行った。
「営業は注文を受けている分だけ。人が通らなかったら店頭販売が全然ないから被害を受けています」(鮮魚店)
「火災による被害はないですが、注文や配達の店があるのでそれだけはして、きょうはまだ閉めていますね」(精肉店)
午後には福岡県の服部知事や北九州市の北橋市長が被災状況を確認するため視察に訪れた。
記者は燃え方が激しかった店の規制線の前に近づいた。
「焼けた部分を見ると、瓦礫が散乱していてどこにどんな店があったのか分かりません」(RKB下濱美有)
こちらは被災した食肉店だ。落ちた天井に押しつぶされショーケースがひしゃげている。火災の激しさが分かる。服部知事と北橋市長は、こうした店の被災状況を視察した上で事業の再開や継続支援に取り組むことを明らかにした。
「母に連れられよく買い物に来ていた旦過市場がこのような姿になって呆然とした思いです。北九州市と北九州商工会議所、関係者と力を合わせて一日も早い事業の再開、継続に向けて取り組んでいきたい」(服部知事)
「今後どうするか検討する人もいれば早く事業を再開継続したい人もいる。再整備を始める矢先での火災。事業関係者からどのように整備を進めるか聞いて、努力をしたい」(北橋市長)
行政の本格的な支援も始まった。福岡県と北九州市、それに北九州商工会議所は、被災した店を対象にした相談窓口を開設し資金繰りや経営に関する相談に応じている。

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