ロシアによるウクライナ侵攻は、スポーツ界にも大きな影響を与えています。スポーツの政治的中立が求められる中、競技団体はどのように対応するべきか、北九州市出身で世界の体操界のトップ、渡辺守成さんがRKBの単独インタビューに応じました。
ヨーロッパのほぼ中心に位置する、永世中立国・スイス。観光名所のレマン湖に面する地方都市・ローザンヌには中世の美しい街並みが広がります。
国際体操連盟の会長・渡辺守成さん。連盟の本部があるここローザンヌを拠点に活動しています。
北九州市出身の渡辺さんは、日本体操協会の理事などを経て、2017年にアジア人で初めて国際体操連盟の会長に就任。去年、北九州市で開かれた世界体操・新体操の招致に尽力し、新型コロナ下での成功に導きました。現在、IOC=国際オリンピック委員会の委員も務めています。
この日は、IOCのバッハ会長と面会しました。
国際体操連盟の会長・渡辺守成さん。連盟の本部があるここローザンヌを拠点に活動しています。
北九州市出身の渡辺さんは、日本体操協会の理事などを経て、2017年にアジア人で初めて国際体操連盟の会長に就任。去年、北九州市で開かれた世界体操・新体操の招致に尽力し、新型コロナ下での成功に導きました。現在、IOC=国際オリンピック委員会の委員も務めています。
この日は、IOCのバッハ会長と面会しました。
IOC バッハ会長「彼はとても優れたリーダーで、革新的なアイデアを常に持ち合わせている。これは彼が世界の体操協会を素晴らしく率いている理由であり、IOCへ多大な貢献をしている所以でもある」
ロシアによる軍事侵攻を受け、IOCは今年2月、ロシアとベラルーシの選手と役員を国際大会に参加させないよう、各競技連盟などへの勧告を出しました。どちらも体操・新体操の強豪国で、「排除」することで大会のレベル低下も懸念されますが、国際体操連盟は選手の安全を確保するため、この勧告を受け入れたといいます。
しかし、その処分が適用される前の種目別ワールドカップで、3位になり表彰台に上がったロシア人選手が、ロシア軍の象徴とされる「Z」のマークをつけ非難が殺到。国際体操連盟から独立した機関で懲戒手続きを委ねられている体操倫理財団は、この選手に対し公認大会への1年間の出場停止処分を下しました。
渡辺さんは、問題の行為は、あくまで選手の個人的な感情によるものという見方をしています。
ウクライナ出身のIOC委員、セルゲイ・ブブカさん。かつて「鳥人」と呼ばれた、棒高跳びの元世界記録保持者です。現在は、IOCがウクライナ支援のために創設した連帯基金の責任者を務めています。
国際体操連盟 渡辺守成会長「いまロシアの選手がどこかの国際大会に出た時に、襲われる可能性がある。あるいは大会そのものにテロが仕掛けられる可能性がある」
しかし、その処分が適用される前の種目別ワールドカップで、3位になり表彰台に上がったロシア人選手が、ロシア軍の象徴とされる「Z」のマークをつけ非難が殺到。国際体操連盟から独立した機関で懲戒手続きを委ねられている体操倫理財団は、この選手に対し公認大会への1年間の出場停止処分を下しました。
渡辺さんは、問題の行為は、あくまで選手の個人的な感情によるものという見方をしています。
国際体操連盟 渡辺守成会長「もし、ロシア政府がやっているのだったら、皆やっているし、けど彼だけだし、直接ロシアの会長に聞いたけど、『誰も(その行為をすると)知らなかった』と。それは、倫理財団も選手やコーチ、監督まで聞いたけど、結果的に事実は知らなかったのだろうね。事実をしっかり確認して、処分すべきことは処分するし、選手に対して1年間の資格停止、当然だよね」
ウクライナ出身のIOC委員、セルゲイ・ブブカさん。かつて「鳥人」と呼ばれた、棒高跳びの元世界記録保持者です。現在は、IOCがウクライナ支援のために創設した連帯基金の責任者を務めています。
ブブカIOC委員「あなたたちも理解出来るでしょうが、いまウクライナの選手達は、とても辛く大変な状況にあります。とても敏感な問題なので、あまり詳細に述べるつもりはありませんがね。個人的に私は、その為の基金の責任者であり、支援の働きかけを皆さんにしたいと思っています」
ロシアによる軍事侵攻で犠牲となったウクライナのスポーツ選手は、51人に上ると発表されています。渡辺さんはウクライナへの継続的な支援に加え、事態が収束した後、どのように体操界を立て直していくかが重要だと話します。
国際体操連盟 渡辺守成会長「ロシアとベラルーシとウクライナと日本と中国とアメリカで、フレンドシップ&ソリダリティー(連帯)の大会をやろうという話をしている。やっぱりみんな家族だから、体操ファミリーだから、自分の子供を守るためにどうするのかっていうのが、一番だよね」
この記事はいかがでしたか?
リアクションで支援しよう