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「素顔知らない同僚がいる」脱マスクは進む?オフィス内を“任意”にした企業の変化

室内でマスクの着用を任意とする「脱マスク」の動きが一部の企業で広がっています。「表情が見られてコミュニケーションの質が格段に上がった」と評価されていますが、パーティションがない場面では「マスクが必要」と考える従業員もまだ多いようです。屋内での「脱マスク」の動きはどこまで広がるのでしょうか。

◆「普段はマスクしない」ネット企業が“脱マスク”
JR小倉駅(福岡県北九州市)前のビルに入るIT企業・GMOインターネットグループのオフィスを訪ねました。マスクを着けている人と着けていない人がそれぞれいます。新型コロナウイルスの飛沫感染を防ぐパーティションや消毒液は設置されていますが、コロナ禍の前に戻ったような印象を受けます。

従業員「普段はマスクを外して働くようにしています。マスクをしていると相手の表情が読みづらくてコミュニケーションがとりにくかったり、ストレスが以前からありました。素顔を知らない同僚も何人かいました。実際にマスクを取った表情を見ることができて、ルールが任意になったのは嬉しいですね」

従業員「(Q話すときは着ける?)そうですね。黙々と仕事している時はマスクを外すようにしています」

このオフィスでは9月下旬から、取引先などの社外の人と接触する場所を除き、これまで「必須」としていた室内でのマスクの着用を「任意」に変えました。

GMOインターネットグループシステム運用部・平山敬太部長「第7波が落ち着き、社内でのワクチン3回接種率9割の状況などを総合的に勘案してルールの緩和を検討しました。円滑に仕事が進むようになりました。マスクだと上半分しか見えないので―。コミュニケーションの質が全然違います」

きっかけはアンケートでした。従業員2200人あまりを対象に実今年9月に施したところ、隣や前の人との間にパーティションがある場合は「マスクが不要」「やや不要」と答えた人が合わせて6割近くに達しました。一方で、パーティションがない場合は逆で、「マスクが必要」「やや必要」と答えた人が7割を超えたということです。

◆「原則不要」とはいうものの・・・訪日外国人も“様子見”
岸田総理は「屋外では原則として不要です。屋内でも人との距離が確保できて会話をほどんど行わない場合は不要です」と明言しています。新型コロナの第7波が落ち着き、すでに屋外では、多くの場面で着用しなくて良いとされる中、屋内でもじわじわと「脱マスク」の動きが広がっています。

福岡県もこうした動きを踏まえ「国と同様の対応になる」と説明しています。北九州市立八幡病院の伊藤重彦名誉院長はマスクの着用を緩和できる要件の1つにワクチンの接種をあげます。

伊藤名誉院長「体力、免疫力がついている集団の中でマスクを外す機会は増やしてもいい。微熱がある、普段と違うと感じる方がその時に確実にマスクをする集団では、健常な方がマスクを外しても感染が広がる可能性は少ない」

一方、今月11日からは日本に入国する人の水際対策が大幅に緩和され、海外からの観光客が徐々に増えつつあります。にぎわいを取り戻した太宰府天満宮の参道には、マスクを着けた外国人観光客の姿が見られました。

韓国からの観光客「室内だけマスクを着けています」
フランスからの観光客「マスクフリー!みんなワクチンを打ったからね」
オーストラリアからの観光客「外でマスク着けなくていいと言われていたけど、みんなが着けているから、あわせて着けています」

◆“マスク無し”先行のヨーロッパで第8波懸念
こうした中、ヨーロッパでは先月中旬ごろから新型コロナの新規感染者が再び増加傾向にあり、感染の第8波が懸念されています。第7波がようやく落ち着いた日本や韓国でも、ここ数日はやや増加に転じる気配が見られます。

ドイツでは今月から再び、長距離の鉄道やバスの中でマスクの着用を義務づけるなど、警戒を強める動きが出ています。日本政府も、海外から訪れる外国人に対しては、日本のルールを説明し、マスクの着用を促しているのが現状です。

飲食店の従業員「まだ日本の方がマスクしているので、周りを見習っている。外国人観光客に特にお声がけしなくてもマスクしていますね」

福岡県ではゆるやかに新型コロナの感染者が増加しています。秋が深まり、今後は新型コロナと症状の区別がつきにくいインフルエンザのシーズンとも重なってきます。

伊藤名誉院長「極端に全部外します!ではなく、用心を重ねながら少しマスクを外す機会をうかがう冬の過ごし方が大切」

◆外せるタイミングうかがう冬がやってくる
宮脇キャスター:
日本や韓国は第7波がようやく落ち着いた所なんですが、感染者数のグラフを見ると、ヨーロッパと同じことがいずれ起きるのではないかと心配ですね。

池尻キャスター:
せっかく地域のイベントや旅行の需要が復活して、経済も回り始めたところなので、それがすぐに途絶えないようにしたいですよね。

宮脇キャスター:
一気に「脱マスク」に動くのではなくて、伊藤名誉院長もおっしゃったように感染対策を続けながら、時にはマスクを外せそうなタイミングも見つけたいと思いました。

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