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円安で飲食店悲鳴「食材すべて値上がり」「客に出す値段を原価が上回る」 レストランも焼き鳥店も

円相場が32年ぶりの円安水準を更新しました。飲食店も苦境に立たされています。  

小麦高騰 イタリア料理店を直撃

福岡市中央区のイタリア料理店。メニューは自家製の麺を使ったパスタです。

RKB小畠健太「こちら自家製のパスタやパンなど、おいしそうな料理が並んでいますが、これらに使われている様々な食材が値上がりしています」

オステリアファルコ 植田雄介シェフ「イタリアのものは、イタリアの小麦粉の方がいいんじゃないかって。これがないと、うちは成立しないです」

自家製麺を作るのに欠かせない小麦は、イタリアから輸入していますが、急激に進む円安の影響を受けています。

 

オステリアファルコ 植田雄介シェフ「(コロナ前と比べて)はるかに上がっていますね。オリーブオイルとかも、モッツァレラチーズとかも。ちょっとずつ上がっていくからそんなに上がったように感じないんでしょう」

チーズにワインも……

円安の影響は、小麦だけでなく、チーズやトリュフなど、様々な食材に波及。さらにワインも…。

植田雄介シェフ「うちは全部イタリアです。2~300円は確実に上がっているので。ワイン(の値段)を上げなくて、例えば料理を上げて、今までと帳尻を合わせていくとか、ものによってはそんな風にしたりしていますね」

新型コロナに翻弄され続ける中で進む急激な円安。この店は価格が比較的落ち着いている旬の食材を織り交ぜたメニューを考案し、何とか乗り越えようとしています。

植田雄介シェフ「小麦粉とかが上がるのはしんどいかもしれないですけど、工夫したりとか、料理を変えるとか、やりようはあるのかなと思いますけど」

国産食材の焼き鳥店「仕入れがすべて値上がり」

円安の影響は、海外の食材を多く使用している店だけにとどまりません。主に国産の食材を使用している、早良区西新の焼き鳥店です。食材から竹串にいたるまで、「仕入れる品はすべて値上がりしている」と言います。特に肉類は円安の影響を色濃く受けていて、すでに客に提供できないメニューも出てきています。

焼鳥茶屋初陣 熊谷公佑代表「原油価格高騰からちょっとずつ上がってはいましたけども、円安が最後とどめを刺したような形で。設定価格の上を原価がいっちゃってるので、到底出せない。赤字覚悟も何もそれよりさらにひどい状態なので、もう出せないメニューがあります」

これまでは経営努力で価格を据え置いてきましたが、値上げも検討せざるを得ない状況に置かれています。

焼鳥茶屋初陣 熊谷公佑代表「毎日毎日ニュースでどんどん円安が進んでいくのが怖くてしようがない、というのが正直あります。これから忘年会に向けてコース価格を打ち出していくタイミングなんですけど、12月の段階でどうなっているかが全く読めなさ過ぎて、価格設定に頭を悩ませているところです」

新型コロナに翻弄され続ける中、何とか耐えてきた飲食業界。「原油高」や「ウクライナ情勢」に加えて「円安」がどこまで進むのか、不安な日々が続きます。

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