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中洲の超新星。凱旋の若き獅子が、日本料理とワインで魅せる

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名古屋と大阪の二つ星店で研鑽したソムリエと料理人が、福岡に凱旋して独立――。今年7月、福岡の飲食業界に一つのニュースが飛び込みました。
ぐんと静けさのある那珂川沿いの中洲エリアに誕生した店の名は「中洲 松」。日本料理とワインで勝負する、期待の新星です。

重厚な造りの階段を上り、縦格子の戸を引き中へ入るとシックなカウンター席が目の前に。オーナーソムリエの松永新一朗さんと料理長の青木卓巳さんが、爽やかな笑顔で迎えてくれました。

松永さんは福岡、東京と経験を積んだ後、フレンチの名店・名古屋の「レミニセンス」で7年に渡り腕を磨いた実力派。「今までやった事のないものに挑戦したい。他とはひと味違うお店を造りたい」との思いで青木料理長を迎え、独立を果たしました。

青木料理長は中村調理製菓専門学校を卒業後、大阪の「本湖月」で11年に渡り修業。「本湖月」といえば、日本料理の真髄を極める全国屈指の名店です。また「中洲 松」の開業準備中は長浜鮮魚市場の仲卸へ弟子入り。九州の魚や扱いについても学ぶなど、料理や食材に対する真摯な姿勢が伺えます。

2人は福岡出身で同じ小中学校に通い、地元野球チームのチームメイトでもあった間柄だそう。息のあった強力タッグ復活に、おのずと期待が高まります。
料理は前日までの予約制で、8~9品を供する「季節のおまかせコース」(18,000円)1本で勝負。早速、その美味をいただきましょう。

ご紹介するのは7月のコースの一例です。着席してすぐに供されたのは、自家製の山桃シロップのソーダ割り。ゲストの目の前で氷を削り、器に注ぐという涼感溢れるおもてなしに心を掴まれます。

中洲 松お造り

続く料理1品目は「糸島とうもろこしのすりながし」。塩だけで味付けとは思えないほど味わい深く、添えられた唐津産赤雲丹の濃厚な甘味と調和します。
お造りの1種目は、青木料理長が削って作った氷の器に乗って登場した「鱧の焼霜」。丁寧に骨切りし、皮目を炭火でサッと炙った一品で、小気味良い歯ざわりがたまりません。

さらに、玄界灘で水揚げされた鯛とイカのお造りも供され、続く椀物は「鮑真丈」が登場。塩味を抑えた出汁は、雑味のない綺麗な味わい。真丈と軟らかな蒸し鮑が合わさることで優しい磯の香りと旨味がぐんぐん高まり、口福な余韻を残します。

移ろう季節を表現する割烹料理の花形「八寸」も腕の見せどころ。夏の掻敷である蓮の葉の上に、くらげの胡麻酢和え、無花果とシャインマスカットの白がけ、蕎麦粉生地に鮎味噌を挟んだ酒肴、鱧の子の塩辛、銀杏……と、山海の幸が美しく盛り込まれていました。

お酒は日本酒も良いですが、「日本料理にもスッと馴染むものを……」と松永さんがセレクトしてくれるワインを合わせるのもまた至福。別室のウォークインセラーにはシャンパーニュ、ブルゴーニュを中心とした1300本ものワインが貯蔵されており、そのラインナップも圧巻です。

「料理やお好みに合わせて、その都度ご提案できるように」と、ペアリングはあえて設定されていません。ロブマイヤーをはじめとした上質なグラスも揃っており、グラスからボトル、日本酒まで自在に楽しめますよ。

「八寸」の後も「夏アラの木の芽焼き」に、お口直しの「自家製おきゅうと」、赤味噌の餡をかけた「熊本産夏鹿と茄子の炊き合せ」と、美味は止まりません。

旬の魚介は長浜鮮魚市場へ、野菜は糸島や朝倉へと毎日のように足を運び、自ら仕入れを行っている青木さん。「可能な限り地元産のもの、九州産の食材を使い、関西割烹料理を福岡で表現していきたい」と力を込めます。

料理の締めくくりであるご飯には、熊本産ヒノヒカリなどの九州の米を厳選。白ご飯もあれば、写真のように出汁で炊き、焼いた鯛のアラをのせて蒸らした土鍋ごはんのことも。香ばしくふっくらとした鯛の身を混ぜ込んだご飯は、格別の美味しさです。お代わりは、鯛の刺身と特製の胡麻だれをかけた鯛茶漬けにしていただけるという嬉しいサービスも!

最後は、驚くほど口溶けの良いお手製の水羊羹と、茶道の心得がある青木さんが自ら点てる薄茶で締め。丁寧な仕事ともてなしの心が、細部にまで息づいていました。

そして、もう一つ見逃せないのが別室に設けられたワインバーです。コースのご予約状況にもよりますが、バーは基本的に21時から利用できるそう。限定6席というプレミアムシートなので、電話で席の状況を問い合わせてからお出かけくださいね。

グラスワインは1,500~2,000円ほどが中心で、ボトルワインは8,000円から用意。松永さんが20代の頃から収集してきたという珠玉のラインナップもご覧の通り。日本料理店でこれほどのワインを揃えているお店はそう見つかりません。

「ヴァンサン・ブロシェ」や「セドリック・ブシャール」といった気鋭の造り手によるシャンパーニュから、シャブリ2大巨頭の一つである「フランソワ・ラヴノー」、カロリーヌ・モレの「クリオ・バタール・モンラッシェ」に、ドメーヌ・デュロシェの「ジュヴレ・シャンベルタン」、シャンボール・ミュジニーの名手である「ジャック・フレデリック・ミュニエ」……と、ワインラヴァー垂涎の一本が勢揃い! 今ではなかなか手に入らないグレートヴィンテージも多く、ハレの日に開けたい特別な一本に出合えるはずです。

この記事は積水ハウス グランドメゾンの提供でお届けしました。

店舗名:中洲 松
ジャンル:日本料理、ワインダイニング・ワインバー
住所:福岡市博多区中洲5-4-6 リバーフェイス博多2階C
電話番号:092-600-4168  (完全予約制)
営業時間:18:00~、19:00~の二部制、ワインバー21:00頃~翌1:00頃
定休日:日曜
席数:カウンター8席、バー6席
メニュー:季節のおまかせコース(18,000円・要予約)、グラスワイン1,500円~、日本酒グラス1,000円~、ボトルワイン8,000円~ ※サービス料10%
URL:https://www.instagram.com/nakasu_matsu

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この記事を書いたひと

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