知り合いの腕利き洋食シェフに以前から聞いていたのに、まだ行けていなかった西中洲の小料理屋、それが「かゆう 美酒美食」でした。信頼のおける料理人がレコメンドしてくれる店に、まず間違いはありません。今回やっと念願が叶い、満を持して西中洲へと向かいました。
もう30年以上通い続けている西中洲ですが、最近また新しいビルが次々と建っています。場所は中洲方面から向かうと、「三原豆腐店」の角を曲がってすぐの裏路地。正面の以前駐車場だった場所にもビルが建設中で、どんどん変わって街の風景に一抹の寂しさを覚えながら、格子戸を開けて店に入りました。
店内はカウンター4席、テーブル10席のコンパクトな造り。3ヵ所に黒板メニューが掲げられていますが、まず驚くのがその品数の豊富さです。一品料理と天ぷらがそれぞれ50種類以上、合わせて何と100種類を超えるラインアップ! 厨房を一人で切り盛りする店主は、一体どんな凄腕の料理人なのか興味津々です。
おだやかな物腰の店主・北村健治さんは「ホテルオークラ」などで長く修行した和食料理人で、16年前に独立して「かゆう」をオープン。当初は一品料理を中心とした小料理屋で、特に天ぷらがメインという訳ではなかったそうです。ところが、天ぷらが評判になって注文が多くなるにつれて種類も増え、「黒板に書き切れなくなって2回サイズを大きくしました」と笑います。
最初に出てきた突き出しは「エツの南蛮漬け」。揚げたてのエツをサッと酢漬けの野菜と合わせるのがポイントで、程よい酸っぱさが食欲をそそる一品でした。今回は初訪問ということもあり、大将のおすすめをリクエストすると、作ってくれたのは寿司ネタの「あなきゅう」をもじった「うなきゅう」(1,850円)。ふんわりと揚げたうなぎを天丼のタレにくぐらせ、山葵と山椒の薬味でいただきます。濃いめの味付けですが、キュウリの清涼感が口の中をサッパリしてくれます。
天ぷらは単品300円から500円台が中心で、あまりに種類が多くて選びきれないという人には、海老2本、魚3点、野菜5点の「盛り合わせ」(3,800円)がおすすめです。今回は大将におまかせで注文しました。
まず1品目は塩ウニを大葉で巻いたもの。揚げ油には大豆油を使い、薄めの衣でサッパリと軽めに揚げているので、サクッとした歯当たりの後に食材の味がダイレクトに伝わってきます。油の重たさがお腹に残らず、これなら何個でもいけそうですね。お次は甘鯛の切り身をウロコ揚げにしたもので、舌に刺さるかのようにカリカリに揚げたウロコの食感とふんわり仕上がった白身の対比が絶妙です!
西中洲という場所柄もあり、天ぷらは基本、酒のアテを前提として揚げられています。その代表格が、明太子の一本揚げ。博多を代表する「ふくや」の辛子明太子を丸ごと一本大葉に巻いて揚げてあり、外側はわずかに火が通り、中身はレアな生明太子のまま。いや、これはもうお酒と一緒でないと頼んではいけない一品ですね(笑)。
最後にデザート代わりに揚げてくれたのが、イチジクとモッツァレラチーズの射込み揚げ。イチジクの甘さとチーズのしょっぱさに加えて塩がパラリと振られているので、そのままガブリと食べられます。料理に合わせてそこそこ飲んで、大満足で店を後にしました。
西中洲の人気店なので、予約は必須です。オーダーストップも21:00と比較的早めなので、ここから2軒目、3軒目と流れるのもいいですね。
ジャンル:天ぷら、居酒屋
住所:福岡市中央区西中洲5-3
電話番号:092-752-6779
営業時間:18:00~OS21:00
定休日:不定
席数:カウンター4席、テーブル10席
個室:なし
メニュー:天ぷら300円~、天ぷら盛り合わせ(10品)3,800円、エツの南蛮漬け650円、ちくわポテサラ700円、あじフライ1,000円、うなきゅう1,850円、牛テール黒こしょう焼き2,250円
URL:https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400102/40000772/
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