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赤坂の和食店が振る舞う、極上スープのカレーもつ鍋

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赤坂の「なが沼」は、界隈の会社員が夜な夜な憩う和食店。メニューには気軽なアテから大皿料理までいろいろと揃いますが、噂を聞いて気になってたのが多くのリピーターがいるという「特選和牛もつ鍋・ピリ辛カレー味」(1人前1,300円)です。真っ当な日本料理の中で異彩を放つ、和の職人がこしらえたカレーもつ鍋とはいかなるものでしょうか?

なが沼外観

場所はサニーが入ったビル地下1階。海鮮居酒屋や南インド料理店など、ひとクセありげな飲食店が並ぶ渋い昭和感がたまりません。まさに都会のエアポケット的なその最奥部に「なが沼」はありました。その密やかさが心地いい、“マイ隠れ家”に加えたくなる一軒です。

なが沼店主

カウンターと個室仕様の掘りごたつがある店内で、気持ちよく迎えてくれたのは店主の永沼英明さん(写真右)。日本料理店で腕を磨き、縁あって4年ほど屋台を経営した後、当時知り合った相棒・椿原さん(同左)と2005年に「なが沼」を立ち上げました。
この店の料理はどれもさっぱりめですが、それでいて豊かな旨味を感じます。「単身赴任の常連さんが多いので、健康を考え薄味を心がけているんです」と永沼さんが言います。「それにきちんと出汁を取り、良い素材を使えば料理は十分美味しくなりますから」

なが沼魚 なが沼穴子 なが沼穴子2

「高知産金目鯛の酒蒸し」(1,800円前後)にも、そんな優しみが確かにありました。昆布を多めにした出汁を使い、一口ごとにかぐわしい旨味を引きだす一品です。
なが沼」が仕入れる鮮魚はすべて長浜の市場直送。他にもいろいろ試そうと、次は「穴子の刺身」(1人前1,400円前後/写真は2人前)を頼みました。するとこれが本当に極上品! 繊維質の強靭な歯応えと、上品な甘みについため息が漏れます。聞けば使っているのは、店主イチオシの対馬産ブランド「黄金あなご」。普通の穴子よりも脂の乗りが良く、あえて薄造りで提供しているそうです。

なが沼鍋2

そしてついに、今宵の主役「特選和牛もつ鍋・ピリ辛カレー味」が堂々登場。まずは鍋からそびえ立つボリュームに「これで2人前?」と驚かされます。当初もつ鍋メニューは醤油味(1人前1,000円)だけでしたが、「少し変わったフレーバーを」と永沼さんが考えて追加したのがコレ。具材にはキャベツ、ニラ、黒毛和牛の小腸、豆腐、薄揚げを選んでいます。ニンニクは入らないので、翌日の匂いが気になる人にもオススメですよ。

なが沼鍋3

実は他の料理を頼みすぎ、あやうく満腹寸前だった僕。しかしスパイスの力は偉大でした。じんわりと辛味が広がるスープに猛然と食欲が湧き、具材がスルリと胃に収まるのです。とりわけ鰹出汁に独自調合したスパイスを加えたスープが出色で、飽きのこないサラリと澄んだ味はまぎれもない“和食店のカレー”でした。
「一見スープカレーのようですが、ちょっと煮詰まった頃にベストな味になるように調整しています」という永沼さんの手際にも脱帽です。

なが沼鍋4

さらにサプライズがもう一つ。メニューには載っていませんが、シメの有無を尋ねると、永沼さんが「チーズリゾット(600円)ができますよ」と即答。そんなの頼むに決まってます!
具をさらった後に白米とチーズを加え、ひと煮立ちさせただけの一杯が、どうしてこんなにうまいのか……。スープも深いコクを増し、それまでとは違う旨辛さで迫ってきました。自称カレーファンの方にも一度は食べてほしい一品です。
コスパ良く楽しみたい時は、小鉢・煮物・刺盛・煮物・焼物が付く「カレーもつ鍋コース」(3,500円~)を予約してみては?

なが沼メニュー1 なが沼メニュー2
店舗名:赤坂 なが沼
ジャンル:日本料理、居酒屋
住所:福岡市中央区赤坂1-9-1フドウ赤坂B1F
電話番号:092-725-1800
営業時間:17:00~23:00頃
定休日:日曜
席数:カウンター12席、掘りごたつ20席
個室:2~20名
メニュー:特選和牛もつ鍋・ピリ辛カレー味1人前1,300円、博多水炊き1人前1,800円(要予約)、黄金穴子刺身1人前1,400円前後、金目鯛煮付け1,800円前後、出し巻たまご600円、銀ダラミリン800円、鶏のあっさり蒸し900円
URL:https://naganumaakasaka.gorp.jp

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この記事を書いたひと

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