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若き店主による端正で美しい焼鳥をカジュアルに楽しめる

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警固本通りと国体道路の間にある一方通行路。間口の狭い扉を開けると、スッと伸びるカウンターの中央に焼き台が据えられています。一見すると寿司屋を思わせるシンプルなインテリアの端正な造りの中で、関東スタイルの焼鳥を気軽に楽しめるのが「鳥いち」です。

鳥いち店内

店主の松永一平さんは、大手門の「鳥次」の大将・小林龍治さんの元で長く修業した、いわば一番弟子。鶏だけを使う関東スタイルの焼鳥を受け継ぎながら、独自のセンスと美意識による新境地を開拓している若手の焼鳥職人です。

鳥いち大将

焼鳥はおまかせで5串(2,200円)、7串(2,700円)、9串(3,200円)が基本で、盛り合わせではなく1本ずつ順番に出てきます。胃袋の大きさやお腹の空き具合によって選べるのが嬉しいところで、まずは5串セットを頼んだ後にビールと一品料理でスタート。「鳥刺し」(450円)、「レバーパテ」(350円)などもありますが、この日は「もも焼き」(600円)を注文しました。

鳥いち00

炭火でパリッと焼かれた皮目の中はまだレアな状態で、その新鮮さが分かります。福岡近郊で朝締めにされた若鶏を内蔵付きのまま丸ごと仕入れ、毎日店内で捌くのも「鳥次」ゆずり。食鳥処理免許を持っている松永さんだから提供できる新鮮な鶏は、他の店ではなかなか真似することができません。柚子胡椒にカボスを搾るだけで、鶏の旨味が広がります。

鳥いち01 鳥いち02

5本セットの焼鳥は、まず「さび焼き(ササミ)」から始まります。丁寧に四角くカットされたササミの表面だけを焼き固め、こちらも中はレアな状態の火入れ加減。ササミの繊維に沿ってスッと歯が通り、爽やかなワサビの香りが鼻に抜けていくのも、江戸前寿司に通じる"粋"を感じます。
鶏のお尻にあたる希少部位の「ボンジリ」はタレ焼きで。脂がのったプリプリとした弾力と、タレを少し焦がしたカリッとした食感が同時に楽しめる一本です。ジュワッと染み出す旨味に、ビールが進みます。

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毎日捌く丸鶏の全身の部位を使い、つなぎを入れずに捏ねたのが「だんご」です。ふんわり焼き上がったところをガブリと噛めば肉汁が溢れ出し、丸鶏の旨味がすべて凝縮された味は感動的です。
白ネギをむね肉で巻いた「ネギ焼き」は、タレを小さな木ベラで押しつけるようにしながら焼くことで仕上がりは程よい照り加減に。松永さんが焼く串はただ美味しいだけでなく一本一本が美しく、職人ならではの美意識を感じさせてくれます。

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シメには「そぼろ丼」(600円)が定番ですが、「実は品書きには載せていない裏メニューがあるんですよ」と、こっそり教えてくれたのが「ラーメン」です。鶏出汁の醤油スープに中華麺のみで具材は一切なしという潔いまでのシンプルさで、鶏の滋味がしみじみと伝わってくる一杯。数量限定で提供しているので、直接尋ねてくださいね。また、一品料理をつまみに日本酒やワインを飲む2軒目利用もできます。

「鳥次で学んだ基本を守りながら、自分が美味しいと思うものを提供していきたい」という松永さん。徒歩1分ほどの場所にひな鳥の素揚げ専門店「小烏(こがらす)」を出店するなど、新しいチャレンジにも意欲的。「鳥いち」の焼鳥がこれからどう進化していくのか、今後がますます楽しみです。

鳥いち店内 鳥いちメニュー
店舗名:鳥いち
ジャンル:焼鳥
住所:福岡市中央区警固2-15-23
電話番号:092-712-0020
営業時間:18:00~OS24:00
定休日:日祝日
席数:カウンター14席
個室:なし
メニュー:焼鳥(5串)2,200円・(7串)2.700円・(9串)3,200円、焼野菜300円から、鳥刺し450円、もも焼き600円、そぼろ丼600円
URL:https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400104/40048025/

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この記事を書いたひと

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