福岡の中華料理を語る上で欠かせないお店「凛丹」。2014年に六本松でオープンした後、人気に火がつき、現在は野間、大名、薬院、鹿児島市の4店舗で展開しています。
薬院の「凛丹一碗居」は、「その日の気分でわいわい楽しんで欲しい」と、アラカルトが充実した気軽な居酒屋やバル的なお店です。ふらっと立ち寄ってもらいたいとスタートしましたが、今や予約必須な繁盛店に。「とってもありがたいことですがちょっと誤算でもありました」とオーナーシェフの河津充征さんは笑います。
場所は西鉄薬院駅から徒歩5分。薬院新川のそばにあります。一見すると中華料理店とはわからない、おしゃれでスタイリッシュな印象です。グレーを基調とした店内にはアートが配されていますが、高級店のような敷居の高さはなく、町中華よりもかっこいい。普段使いにぴったりですね。
「凛丹一碗居」で味わえるのは、中華料理のなかでもシンプルで素朴な北京の庶民の料理が中心。河津さん流のアレンジを加え、しかしあえて日本人の好みには寄せすぎず、ちょっとした驚きのある現地の味を楽しませてくれます。
最初に頼んだ「板はるさめと戻り鰹の辛子醤油ソースかけ」(990円)は、まず彩り鮮やか! 野菜料理に動物性の食材をプラスして、食べ応えのある料理に昇華させるのが河津さんのスタイルで、今回は旬の戻り鰹をオン。パクチーとケールのすっきりとした辛いサラダが食欲を刺激します。酸味のある辛子ソースが気持ちよく鼻腔を抜ける爽快な一皿です。野菜の下に隠れた板はるさめは、北京でよく使われている食材でプルプルもっちり感がやみつきになります。
次は「燻製鴨とアボカドの青葱山椒ソース」(1,430円)をオーダー。これ、ソースが絶品なんです。青葱とチーズ、ナッツを合わせたコクのある緑のソースと、黒酢、山椒、胡麻油を合わせた酸味のある黒いソースが絡まり、ややレア感のある燻した鴨肉とよく合うこと! 食べすすめていくと山椒が効いて舌が心地よく痺れてくるのもいいんですよね。インゲンはポリポリ、アボカドはねっとり……素材ごとの食感の違いが前面に出ていて、食べ飽きることがありません。
次に肉料理が食べたくなって「牛バラ角煮と茄子・ジャガイモの醤油煎り付け」(1,430円)も注文しました。ベースになるのは北京の「地三鮮」という地元の食材を3種使う田舎風炒め物。強火で水分をしっかり飛ばしてカラッカラに炒って、旨味を素材に凝縮させるのは北京料理ならでは。しっかりと黒く焼き目がついた牛バラの角煮を前に、よだれが止まりません(笑)。ぎっちり締まった噛みごたえのある肉は、生姜の風味とともに濃厚な旨味が染み出します。
使うのは身近な食材ばかりなのに、組み合わせによって一皿一皿にハッと目が覚めるようなパンチがある。ちょっと味わったことがない北京料理を堪能できます。でも珍しいだけじゃなく、何より美味しいのが魅力。「凛丹一碗居」の料理に今後も注目です。
ジャンル:中華料理
住所:福岡市中央区平尾1-13-3ジェンティーレ薬院Ⅱ1F
電話番号:092-523-1302
営業時間:12:00~OS14:00/18:00~OS21:00
定休日:火曜、その他不定休あり
席数:テーブル30席
個室:なし
メニュー:板はるさめと戻り鰹の辛子醤油ソースかけ990円、燻製鴨とアボカドの青葱山椒ソース1,430円、牛バラ角煮と茄子・ジャガイモの醤油煎り付け1,430円、豆腐・香草・胡瓜の青唐辛子塩酢サラダ660円、牛ハチノスと豚舌の香料胡麻醤油和え880円、前菜盛り合わせ1,100円、コース2,750円・4,950円
URL:https://www.instagram.com/rintanjp/?hl=ja
この記事はいかがでしたか?
リアクションで支援しよう