「ピザ」が「ピッツァ」と呼ばれるようになったのは、ここ10年ほどのことでしょうか。以前は電気やガス窯で焼くアメリカ風のピザが一般的でしたが、福岡でも本場イタリアのような薪窯を使った店が増え、いつしかイタリア語で「ピッツァ」と呼ばれるようになりました。
そんな中、渡辺通1丁目交差点近くで本格的なピッツァを提供しているのが「ピッツェリア・ファリーナ」。1982年創業の老舗イタリア料理店「マンジャーモ」が手がけるピッツェリアとして2005年にオープンした福岡における先駆者的な店です。筆者の記憶でも、初めて薪窯で焼くピッツァを食べたのはこの店だったように思います。
そんな思い出のあるピッツェリアを久しぶりに訪問すると、大通りから1本入っただけの路地裏で昔と変わらない佇まいを見せていました。ピッツァは約15種類の定番に、季節の食材を使った限定メニューが用意されています。今回はまず、春らしい食材を乗せた「桜エビと糸島産菜の花燻製スカモルツァチーズのピッツァ」(1,800円)を注文しました。
「ファリーナ」とは、イタリア語でズバリ「粉」の意味。店長の八尋伸太郎さんによると、「厳選したイタリア産と国産の小麦粉を数種類ブレンドして、水とイースト、塩だけを加えて30時間以上寝かせています」とのこと。その間も徹底した温度管理を行うことで発酵をうながし、生地を熟成しています。
ピッツァはオーダーが入ってから職人が生地を伸ばして具材を乗せ、「うちは一般的なナポリピッツァより若干低めの温度です」という400度ほどに熱した薪窯で約1分半。少し焦げ目がつく程度に焼かれたピッツァは生地の状態から縁の部分がかなり膨らみ、見るからに食べ応えがありそうです。
焼きたてのアツアツを、ハフハフと食べるのがナポリピッツァの醍醐味。甘みのあるカリッとした桜エビと燻製をかけたスカモルツァチーズの香りがよくマッチして、食べているとなんだか楽しくなるような1枚です。まだ寒い日が続く中、一足先に春を感じることができました。
2枚目にはイタリア産の水牛モッツァレラチーズを使った「ブッファーラ・マルゲリータ」(2,450円)を注文。ふんわりと焼き上がった生地にはところどころ焦げ目が付き、窯焼きならでは香ばしさがたまりません。モッチリとしたチーズにフレッシュなトマトとバジルのシンプルなトッピングが「粉」そのものの美味しさを引き立て、不動の一番人気メニューというのうなずけます。
ピッツァ以外にも、季節の食材を使った限定メニューが揃っています。その中から熊本県人吉市にある「クロファーム」から直送された旬のイチゴを使ったサラダ仕立ての「熊本クロファームのゆうべにイチゴとブラータチーズのファリーナ風」(1,400円)をオーダー。ナイフを入れると生クリームがトロリと流れでてくるチーズにイチゴの甘酸っぱさとルッコラの爽やかな苦味が絡み合い、前菜にもデザート代わりにもいけそうな一皿です。
数種類からピッツァやパスタが選べるランチセットは1,200円から。夜は「マンジャーモ」でイタリアンの料理人を務めていた八尋さんが作るパスタやアラカルトも揃っているので、ワインをお供に数人でシェアしながら食べるのがオススメです。
ジャンル:イタリア料理、ピッツァ
住所:福岡市中央区高砂1-2-19
電話番号:092-521-2229
営業時間:11:30~OS14:30/17:30~OS22:00
定休日:なし
席数:テーブル45席
個室:なし
メニュー:アンティパスト600円~、ナポレターナ1,100円、シチリアーナ1,750円、桜エビと糸島産菜の花燻製スカモルツァチーズのピッツア1,800円、ブッファーラ・マルゲリータ2,450円、パスタ1,100円~、ランチセット1,200円~、コース3,500円~
URL:http://mangiamo.jp/farina.html
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