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厳選素材と焙煎の技が光る、コーヒービーンズショップの注目株

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今年で開業10年目。全国にファンを持つ実力派

大手門の「あべこーひー」は、かなり情報量の多いコーヒービーンズショップです。つまりお伝えしたい魅力が山ほどあるわけですが、結論から先に書くと「こんな専門店、他にない!!」。お話を聴きながら、何度も驚いたり感心したり……そんな数々の発見があるオンリーワンの店をご紹介しましょう。

あべこーひー外観1 あべこーひー外観2

舞鶴公園沿いの歩道に、カラフルな風車が回っていれば「営業中」の合図。玄関前には新商品入荷の看板が置かれ、コーヒーも旬を楽しむ飲み物だと気付かせてくれます。
阿部吉宏さんが営む「あべこーひー」は今年で開業10年目。初耳の方も多いと思いますが、実は全国にファンを持ち、有名レストランや東京の百貨店からの引き合いも絶えない、“分かる人”の間では知られた存在です。

あべこーひー店主

もちろんマニア御用達的な敷居の高さもゼロ。なにしろ阿部さんは、初めて訪れた客にも(30種以上ある商品そっちのけで)世間話に花を咲かせる人なのですから。その談笑中、「良ければどうぞ」と勧められたコーヒーを一口飲んでみると……。
それはとてもまろやかで、苦々しさのない爽快な味わいでした。「これがうちの特徴で、どの商品もこんな感じで焙煎しています」。そうして初めて阿部さんは「この品種はどう作られ、なぜうまいのか」を丁寧に説明してくれるのでした。

あべこーひー豆袋 あべこーひー豆

そんな物腰柔らかな店主が営む「あべこーひー」最大の強みは、独自の仕入れルートにあります。阿部さんと志を同じくする国内同業者約10軒がグループを組み、各国のコーヒー農園と親密な関係を構築。そこから届く豆は極めて上質で、同等のものを扱う店は西日本でもこちらだけです。
生豆の入った袋を拝見すると、豆に割れや欠けがなく、本来当たり前に混じっている小石やゴミも皆無。これならハンドピック(手作業による選別)も不要でしょう。「同業者の方が見たら羨むと思いますよ。“こんなに綺麗な生豆があるの?”って」と、阿部さんも満足げに微笑みます。

あべこーひー農園写真

美味しさの高みを目指す、ストイックなまでの試み

取引先にはグループ専用の豆を特別栽培してくれる農園もあるそうで、そこまでの信頼関係を築くにはかなりの苦労があったと察します。阿部さんいわく「収穫のための人件費を僕らが負担したり、豆が不出来な年でも必ず高値で買ったり──最終的な味は焙煎技術でどうにかできますので──、とにかく農園側が不利にならないよう心がけてきました。作り手がちゃんと利益を受け取れたら、それが真のフェアトレードにも繋がりますしね」

あべこーひー店主2

そうした理念を反映した極上の豆は、やがて店内の焙煎機にかけられますが、その工程でも阿部さんの鋭敏なプロ意識は休むことを知りません。まず最初のテスト焙煎で豆ごとの状態や個性を把握し、長年取り続けた気候・温度のデータや経験を基に、「これは200℃で30秒」「これは180℃で40秒」と的確な火入れを実施。豆の芯まで火を通し、糖分を焦がしすぎない紙一重の技術で、「あべこーひー」ならではの余韻は生まれます。
唸らされたのは、雨の日や寒い日に行う繊細な火力調整。「気温が低下すると配管内のガス密度が変わり、通常と同じ火力にならないんです」。また焙煎後のコーヒーの味に違和感を覚えると、水道局に電話して水源(=水質)が変更されたことを突き止め、再度それに合わせた焙煎を行うという離れ業を見せたことも。ガスの密度や水源への目配りなんて、高級レストランでもやらないことですよね。

あべこーひー商品 あべこーひー店主

こうした取り組みはごく一部で、美味しさの高みを目指す阿部さんの努力に果てはありません。そんな職人の、こんな言葉が印象的でした。「僕が売るのはコーヒーじゃなくて、“コーヒーのある心地よい暮らし”なんです」。最初に客と世間話をするのも、その人の生活背景を知れば、よりふさわしい商品を勧められるから。日々の幸せを彩る存在としてのコーヒー。なんだかそれは、とても素敵なアプローチに思えました。
ちなみにこちらの商品は、200gのものなら1,100円からと品質の割にかなりお値頃。しかも雑味やえぐみを抑えているため、通常より少なめの粉で濃厚な味わいが楽しめる、コスパの面でも優れたコーヒーです。様々なストレスの絶えない世の中ですが、阿部さんのコーヒーがあれば、いつだって香り高いオアシスがすぐ隣に現れますよ。

不動産の銀行 株式会社大央の提供でお届けしました

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