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校則破りの罰則って人権侵害?特に福岡市が厳しい?

"アン・マリ悩まんでよかよ~"はRKBラジオの番組「カリメン」内で、10代の今の声を聞き一緒に話していくコーナーです。

今回は、特別篇として、校則について後藤富和弁護士に話を伺いました。

(北九州市立大学准教授アン・クレシーニさん、以下アンちゃん)
日本の校則にはすごく興味があります。
何故かと言うと、アメリカではあんまり校則がないんですよ。
でも日本に来て、めちゃくちゃ厳しくて、なんでそんなことがあるのって思ったことがいっぱいあります。

(辻満里奈アナウンサー、以下辻アナ)
私の学校もかなり厳しかったです。
髪型もカタログみたいなものが配られて、6種類の中から選ばなきゃいけないんですよ。
ポニーテールは禁止でした。 理由は分からない。
スカートも定規で図られて、3回引っかかってしまったんですけど、そうしたら、推薦貰えないことになってしまった。
大学一般入試を受けなさいと言われて...。

(アンちゃん)
そういうことをどう思いますか?

(後藤富和弁護士、以下後藤先生)
脅しですよね。
校則を守らなければならないような、何か合理的な理由があるかというと全然そうじゃない、変な決まりが多いなぁって感じます。

(辻アナ)
制服とか、校則でおかしいなと思うものありましたか?

(後藤先生)
おかしいと思うものばかりですね。
何年か前にPTA会長をしていたんですけど、校則を見てみると、とっても変なものばかりで、靴下の長さまで決められているんですね。
1センチ違ったら何か不利益があるのか、といったらそんなことは無い訳で。

(アンちゃん)
校則っていつから始まったんですか? 日本では。

(後藤先生)
昔からあったと思うんです。
僕が中学生の頃、80年代で学校が荒れていた当時は、決まりが無いと、学校が落ち着かないということがあったかもしれません。
でも今、その当時と比べて厳しいんですよ。
あの当時でも、靴下の長さを決めるとか、あり得ない話でした。

(アンちゃん)
どんどん厳しくなってきたわけですよね。

(後藤先生)
厳しくて、かつ細かくなってきましたね。

(アンちゃん)
一番納得いかないこと、おかしいと思う校則は何でしょうか?

(後藤先生)
靴下の長さとか、そんなことを決められる必要はないと思うんですけど、髪型もおかしいですよね。
また、眉毛を整えてはいけないという、これが結構、福岡市内では共通する校則なんですけど、眉毛の生え方なんて人それぞれなんで、眉毛がつながる子だっているし、身だしなみを整えること自体が良くない、なんて行き過ぎだと思います。

(アンちゃん)
人権問題ですよね。 完全に。

(後藤先生)
数人から聞きましたが、とても令和だと思えないです。
例えば、眉毛が繋がっている子がいて、整えてきたら、職員室でマジックで眉を書かれたとか。

(アンちゃん、辻アナ)
えー?!

(後藤先生)
冗談みたいだけど、眉毛が生えてくるまで毎朝職員室で書かれたとか。

(辻アナ)
地域性ってあるんですか?

(後藤先生)
弁護士会で福岡市のすべての学校の校則を調べて、その後、県内各地の自治体も調べたんですけど、そこから浮かび上がってきたのは、特に福岡市が厳しいですね。

(辻アナ)
全国的にもそう言われてますよね。
理由はあるのでしょうか?

(後藤先生)
突出して福岡市と近辺が厳しいっていう理由はですね、おそらく先生たちも他の地域の事を知らない、という事があるのかなと。
制服がなくなったら学校が荒れるとか、髪型を自由にしたら荒れるって言うふうに思い込んじゃっているんだけど、実際、制服がない学校もあるわけですね。
他の地域の実態を知らないということを感じますね。

(アンちゃん)
先生方の中にも、この校則おかしいなぁと思っている人、いるんじゃないですか?

(後藤先生)
かなりいると思います。
いるけれども、学校の中で先生方も声を上げにくい。
おかしいな、説明できないなと思いながらも、それを生徒に守らせないといけないなど、先生方も苦しんでいると思いますね。

(辻アナ)
変な状況ですよね。
校則って、破ったら罰せられたりしますよね。
法律的にはどうなんでしょうか?

(後藤先生)
実際、学校では色んなペナルティを課せられます。
放課後残って雑巾がけをするとか、休み時間なしとか。
そんなペナルティがほんとにいいのかって言うと、これは法的にはかなり問題だと思いますね。

(アンちゃん)
法律的にはほんとはだめなんですか?

(後藤先生)
だめだと思いますよ。
そもそも何を破ったらどうなります、ということを書いてもないし、しかもこの決まりを守りましょう、っていうのが本当に人権上問題ないかというと、かなり問題があります。
そして、それを破ったらペナルティーを課す、ということはかなり問題だと思います。

(辻アナ)
私の友人、男の子だったんですけど、校則を破ったら丸刈りにしなさいって言われて丸刈りになってましたね。
ほんとに人権侵害だなって感じるんですけど、何か良い方向に変えていくために私たちにできることってあるんですか?

(後藤先生)
僕もPTA会長になるまで、実際知らなかったんですね。
多くの保護者は、校則に関心が無いということがあると思います。
自分の子供の学校の校則がどうなっているのか、まず保護者自身も関心を持つことが大事だと思いますね。

(アンちゃん)
私の子供が小学校の時にね、水着が紺色じゃないとダメという決まりがあって、家に10着くらいあったのにね、紺色がなかったから、わざわざ買いに行かなきゃいけなかったんだよね。
その時、経済的にはどうかなって思ったんです。
この校則、経済的に、ほんとに無駄だなと。

(後藤先生)
靴下の長さが違うということで、買い直さないといけない訳です。
家計上の問題ですけど、そこまで学校が口出しできるのか、髪型を守るために、髪を切り直しに行かなきゃいけない。

(アンちゃん)
周りのお母さん方に、これおかしいって思わないんですか? って聞いたら、「なんかおかしいけどまぁ仕方がない」、みたいな返事が多いんですよね。

(辻アナ)
私もね、正直変だなと思うことがたくさんあったんですけど、その理由を先生に聞いたことは一度もないです。
変えようって動いたこともなかったので、やっぱりそういう人が多いとなかなか変えていくのは難しいんですかね。

(後藤先生)
子供たちの方から声を上げるってなかなか難しいと思うんですね。
内申をちらつかせるとかあるので。
子供たちは、この校則は嫌だと言って先生に嫌われたら、もっと内申点が悪くなって受験に響くのでは? とか考えちゃいますもんねえ。

(辻アナ)
変えていくには大人が動くしかない、と言うことなんですか?

(後藤先生)
今は実際、いくつかの地域の大人が声を上げています。
関心を持つということと、こどもが声を上げやすい雰囲気、空気を作る事が大事じゃないかと思いますね。

(辻アナ)
そういった空気感は、どうやったら作ることができるんでしょうか?

(後藤先生)
まず親が声を上げるというのがひとつ。
先生方に子供たちの意見がちゃんと言えるような雰囲気を作ること。
よくあるのが、子供に「何でも言っていいぞ」って言って、子供が本当に言ったら「ふざけるな」っていうの。

(アンちゃん)
ありますよね~。

(後藤先生)
子供は、ふざけているわけじゃないんですよね。
「ふざけるな」、なんて言ってしまうと、子供たちは先生が期待してる答えを先回りして言うようになる。
決して言いたくて言っいてる言葉じゃない。
つまり子供が言っても大人が否定しない、受け止める度量の深さが必要ですね。

(辻アナ)
私たち大人が考えを改めないといけないですね。

(アンちゃん)
子供に主張する自由を与えなきゃいけないんですよね。

(後藤先生)
大人もね、自由にものが言える雰囲気が必要だなぁと思いますね。

(辻アナ)
私たちもね、ちゃんと声を上げて、子供たちが話してくれるような姿勢を示したいですね。
今回は特別に、校則について後藤富和弁護士と一緒に考えてきました。
ありがとうございました。

(辻アナ感想)
校則は、ずっと変わらないのかなって内心思ってたんですけど、お話を伺って、大人たちも動いてくれているんだなと安心感を覚えました。
だから、できることは限られていると思うんですけど、理不尽な校則がなくなるようにみんなで声を上げていきましょう!
高校生の皆さん、私たちと話したい方、募集していますよ。
あん・まり悩まんでよかよ~でした!
(RKBラジオ 毎週木曜 よる10時台放送中)

カリメン 放送時間:火曜日~金曜日 21時~
※野球放送の延長に伴い、放送時間が変更になる場合があります。
井口謙(火・水)
辻満里奈(木)
冨士原圭希(金)

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