~RKBラジオ 弓削聞平スマイルディッシュ(毎週金曜午後6時45分~)より~
飲食店がひしめき、全国の食通が注目する街・福岡。この街で、食を通して人々に笑顔を与えている、料理人やソムリエたちをゲストに迎え、ここ10年でのべ1万軒外食している弓削聞平と、世界中の食を語れるアナウンサーになりたい田中みずきの2人が、彼らの情熱の源に迫ります。
「福岡名物は?」とくれば真っ先に挙がるのが、ラーメンですよね。
「今や福岡も豚骨だけじゃない! いろんなラーメンが登場していますね」と田中アナ。
「むしろ最近は豚骨ラーメンよりも、豚骨じゃないお店の方が目立つ感じですね」と弓削さん。
今回のゲストは、行列が絶えない人気店「らぁ麺なお人」の松崎直人さん。オープンは1年ほど前。渡辺通から入ったちょっと分かりにくい場所にあります。初訪問の田中アナもなんとかお店に到着したようです。
店内は、昔ながらのラーメン屋とちがい、カウンターだけのすっきりとしたモダンな空間。田中アナも思わず「お洒落して出直してこようかしら」とソワソワ。「豚骨の匂いもしない、この素敵な空間でどんなラーメンをいただけるんだろう?」
「いい香り......。このスープは豚骨ではないですよね?」
「福岡ではすごく珍しいと思うんですけど、醤油、鶏白湯、そしてのどぐろを使ったラーメンをお出ししています」
えっ? のどぐろ? あの、北陸あたりで寿司ネタとして有名な高級魚......。
「最近はあごだしラーメンや煮干しラーメンなどもちらりちらりと見かけますが、のどぐろは初めて聞きますよねー」とさすがの弓削さんも興味津々。
「そうですね。なかなかラーメンには使わないですね。まず香りが圧倒的に違います。そして味に力強さがあります」
仕入れ価格も煮干しの何倍もする分、味の差もそれだけないと見合わない。そんなこだわりのスープの高級感や上品さは、ラーメンの盛り付けからも伝わってきます。
「立体的に映えるようきれいな盛り付けを心がけています」
さて、ここまで徹底したこだわりとなると気になるお値段ですが......、のどぐろラーメン900円、特製のどぐろラーメン1100円。ラーメンとしてはお高めですが、高級食材のどぐろを使ったラーメンもこれなら安心して注文できます(笑)。松崎さんはなぜ、この高級魚を出汁に使うことにしたのでしょうか?
「僕はラーメン店で14年ほど修行したのですが、その過程で東京のラーメンにハマったんです。色んなジャンル、素材、味、盛り付けの見せ方など、たくさん食べてきた中で、のどぐろに出会いました。これは面白い! 福岡の人たちにも知ってもらいたいなぁと思ったんです」
その反響は予想以上だったと話す松崎さん。
プレオープン時からすでに話題になっていたそうなんですが、その時たまたま通りがかったという弓削さんの鼻の効き方もすごい!(笑) メニューは他にも色々あります。
「丸鶏と鴨がらを使った〈鶏と鴨の醤油らぁ麺〉や〈鶏白湯らぁ麺〉、〈白トリュフ香る白湯らぁ麺〉、はまぐりを使った〈塩ラーメン〉などもお出ししています」
「それはもうフレンチでしょう!」と田中アナも感激です。
豚骨ラーメン激戦区の福岡で、豚骨以外のラーメンで勝負することに不安はなかったのでしょうか?
「今は、新規で豚骨ラーメンの店を出す方が厳しいです。豚骨ラーメンは既存店が凄すぎて」 既に有名な豚骨ラーメン屋には根強いファンがついていて、それを崩すのは至難の技だとか。豚骨以外のラーメンなら個性を出しやすいと松崎さんは言います。
「福岡において、豚骨以外のラーメンの発展はこれからです。やりがいもありますね」と弓削さんも優しく言葉をかけます。
「ここでしか食べられないユニークなラーメンに出会えますね」と弾む声の田中アナに、これからも季節限定の面白い創作麺を出していきたいと意欲をみせる松崎さん。
「常に新しいラーメンを作り続け、お客さまに喜んでもらいたいなって思っています」
と楽しそうに語る表情が印象的でした。
ところで弓削さんから素朴な疑問。
「そもそも松崎さんは、ラーメン好きが高じてラーメン屋を始めたの?」
「実は、他のジャンルも経験した中でラーメンが一番しっくりきたんです。修行を続ける中で、やってみたいことが次々に出てきて、ずっと楽しかった。それに、先輩方の職人然としたたたずまいもかっこよくて」
確かに! 松崎さんのラーメンを作る一連の動きには無駄がありません。
「華麗なる手捌きを常に意識してカウンターに立っています」と話す松崎さん。
弓削さんも、「最近では焼鳥も鮨カウンターのような凛とした見せ方が増えてきたけれど、ラーメン職人にも可能性が広がりますね」と語ります。
「いろんな意味で新感覚! 今までにないラーメン屋ですね」と田中アナも納得。
そして、今年2店舗目のオープンを計画しているそうです。
「自分が出したい店があって、それを任せられる人に出会えるか。タイミングですね」
と話す松崎さんに、弓削さんも「こんなに行列のできる人気店になると、いろんなところから出店依頼が来ると思うんです。でも、出店できるかどうかはやはり人が育ってるかどうかにつきますね。美味しいラーメンを作り続けることと同時に、人を育てるということにきちんと取り組んでいかないといけない。大変ですよね」
実は松崎さんには、若い時からぼんやり描いていた夢があります。
「いつかハワイに店を出したいんです」
「ステキ! でも、そうやって夢を言葉にするのって、実現していくためにはとても大事なことですよね。松崎さんのアイデアなら、のどぐろらぁ麺を超えるインパクトのあるラーメンもまた生まれそう。これからも期待してます!」
田中アナの言葉で取材を締めくくりました。松崎さん、楽しいお話ありがとうございました!
RKBラジオ「弓削聞平スマイルディッシュ」番組公式Twitter @rkbyuge 2021年1月放送
#らぁ麺なお人 #松崎七音 #弓削聞平 #田中みずき
ライタープロフィール:本田淑子
フードディレクター
食の企画あれこれ。魚食を盛り上げる「サカナグミ」や子ども達と一緒に料理を楽しむ
「放課後ゴハン倶楽部」なども主催。https://www.plantecook.com
*RKBラジオ「スマイルディッシュ」は2021年3月で終了いたしました
飲食店がひしめき、全国の食通が注目する街・福岡。この街で、食を通して人々に笑顔を与えている、料理人やソムリエたちをゲストに迎え、ここ10年でのべ1万軒外食している弓削聞平と、世界中の食を語れるアナウンサーになりたい田中みずきの2人が、彼らの情熱の源に迫ります。
「福岡名物は?」とくれば真っ先に挙がるのが、ラーメンですよね。
「今や福岡も豚骨だけじゃない! いろんなラーメンが登場していますね」と田中アナ。
「むしろ最近は豚骨ラーメンよりも、豚骨じゃないお店の方が目立つ感じですね」と弓削さん。
今回のゲストは、行列が絶えない人気店「らぁ麺なお人」の松崎直人さん。オープンは1年ほど前。渡辺通から入ったちょっと分かりにくい場所にあります。初訪問の田中アナもなんとかお店に到着したようです。
店内は、昔ながらのラーメン屋とちがい、カウンターだけのすっきりとしたモダンな空間。田中アナも思わず「お洒落して出直してこようかしら」とソワソワ。「豚骨の匂いもしない、この素敵な空間でどんなラーメンをいただけるんだろう?」
「いい香り......。このスープは豚骨ではないですよね?」
「福岡ではすごく珍しいと思うんですけど、醤油、鶏白湯、そしてのどぐろを使ったラーメンをお出ししています」
えっ? のどぐろ? あの、北陸あたりで寿司ネタとして有名な高級魚......。
「最近はあごだしラーメンや煮干しラーメンなどもちらりちらりと見かけますが、のどぐろは初めて聞きますよねー」とさすがの弓削さんも興味津々。
「そうですね。なかなかラーメンには使わないですね。まず香りが圧倒的に違います。そして味に力強さがあります」
仕入れ価格も煮干しの何倍もする分、味の差もそれだけないと見合わない。そんなこだわりのスープの高級感や上品さは、ラーメンの盛り付けからも伝わってきます。
「立体的に映えるようきれいな盛り付けを心がけています」
さて、ここまで徹底したこだわりとなると気になるお値段ですが......、のどぐろラーメン900円、特製のどぐろラーメン1100円。ラーメンとしてはお高めですが、高級食材のどぐろを使ったラーメンもこれなら安心して注文できます(笑)。松崎さんはなぜ、この高級魚を出汁に使うことにしたのでしょうか?
「僕はラーメン店で14年ほど修行したのですが、その過程で東京のラーメンにハマったんです。色んなジャンル、素材、味、盛り付けの見せ方など、たくさん食べてきた中で、のどぐろに出会いました。これは面白い! 福岡の人たちにも知ってもらいたいなぁと思ったんです」
その反響は予想以上だったと話す松崎さん。
プレオープン時からすでに話題になっていたそうなんですが、その時たまたま通りがかったという弓削さんの鼻の効き方もすごい!(笑) メニューは他にも色々あります。
「丸鶏と鴨がらを使った〈鶏と鴨の醤油らぁ麺〉や〈鶏白湯らぁ麺〉、〈白トリュフ香る白湯らぁ麺〉、はまぐりを使った〈塩ラーメン〉などもお出ししています」
「それはもうフレンチでしょう!」と田中アナも感激です。
豚骨ラーメン激戦区の福岡で、豚骨以外のラーメンで勝負することに不安はなかったのでしょうか?
「今は、新規で豚骨ラーメンの店を出す方が厳しいです。豚骨ラーメンは既存店が凄すぎて」 既に有名な豚骨ラーメン屋には根強いファンがついていて、それを崩すのは至難の技だとか。豚骨以外のラーメンなら個性を出しやすいと松崎さんは言います。
「福岡において、豚骨以外のラーメンの発展はこれからです。やりがいもありますね」と弓削さんも優しく言葉をかけます。
「ここでしか食べられないユニークなラーメンに出会えますね」と弾む声の田中アナに、これからも季節限定の面白い創作麺を出していきたいと意欲をみせる松崎さん。
「常に新しいラーメンを作り続け、お客さまに喜んでもらいたいなって思っています」
と楽しそうに語る表情が印象的でした。
ところで弓削さんから素朴な疑問。
「そもそも松崎さんは、ラーメン好きが高じてラーメン屋を始めたの?」
「実は、他のジャンルも経験した中でラーメンが一番しっくりきたんです。修行を続ける中で、やってみたいことが次々に出てきて、ずっと楽しかった。それに、先輩方の職人然としたたたずまいもかっこよくて」
確かに! 松崎さんのラーメンを作る一連の動きには無駄がありません。
「華麗なる手捌きを常に意識してカウンターに立っています」と話す松崎さん。
弓削さんも、「最近では焼鳥も鮨カウンターのような凛とした見せ方が増えてきたけれど、ラーメン職人にも可能性が広がりますね」と語ります。
「いろんな意味で新感覚! 今までにないラーメン屋ですね」と田中アナも納得。
そして、今年2店舗目のオープンを計画しているそうです。
「自分が出したい店があって、それを任せられる人に出会えるか。タイミングですね」
と話す松崎さんに、弓削さんも「こんなに行列のできる人気店になると、いろんなところから出店依頼が来ると思うんです。でも、出店できるかどうかはやはり人が育ってるかどうかにつきますね。美味しいラーメンを作り続けることと同時に、人を育てるということにきちんと取り組んでいかないといけない。大変ですよね」
実は松崎さんには、若い時からぼんやり描いていた夢があります。
「いつかハワイに店を出したいんです」
「ステキ! でも、そうやって夢を言葉にするのって、実現していくためにはとても大事なことですよね。松崎さんのアイデアなら、のどぐろらぁ麺を超えるインパクトのあるラーメンもまた生まれそう。これからも期待してます!」
田中アナの言葉で取材を締めくくりました。松崎さん、楽しいお話ありがとうございました!
RKBラジオ「弓削聞平スマイルディッシュ」番組公式Twitter @rkbyuge 2021年1月放送
#らぁ麺なお人 #松崎七音 #弓削聞平 #田中みずき
ライタープロフィール:本田淑子
フードディレクター
食の企画あれこれ。魚食を盛り上げる「サカナグミ」や子ども達と一緒に料理を楽しむ
「放課後ゴハン倶楽部」なども主催。https://www.plantecook.com
*RKBラジオ「スマイルディッシュ」は2021年3月で終了いたしました
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