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ひろゆきが教える「楽して生きるための1%の努力」~その3~

「2ちゃんねる」の開設者で実業家のひろゆき(西村博之)さんが2020年に発売した著書「1%の努力」(ダイヤモンド社)は累計40万部を突破するベストセラーになっている。仕事論、人生論として多くの人に参考になっているこの「1%の努力」について、ビジネスパーソンのリスナーも多いRKBラジオ『櫻井浩二インサイト』では、フランスの自宅から出演したひろゆきさんに詳しく話を聞いた。  

1,2年かけて知識を入れた方が長期的に入るお金は多い

櫻井浩二アナウンサー(以下、櫻井):「1%の努力」に「競争のいらないところで勝負をする」ということを書いてますよね。これ、会社員の場合はどうしたらいいんですか?事業を立ち上げるのであれば、発想として分かるんですけど…。

 

ひろゆき:会社員であれば「どの会社を選ぶか」が一番重要です。Googleが上場したとき、受付嬢だった人が1億円ぐらいもらっているんです。Googleがまだ小さい頃に株をもらったからだそうですが、その人がめちゃくちゃ優秀だったわけではないと思うんですよ。日本で1億円もらえる人って大企業の社長とかのレベルじゃないですか。なんとなくGoogleに入って、そこのポジションを取れたっていうのが重要だと思うんです。その受付嬢がやった努力というのは「Googleを選ぶ」というところなんです。

 

櫻井:選択のポイントって何でしょうね?

 

ひろゆき:「この先、その業界が楽に儲かるかどうか」じゃないですか。IT系は、ちゃんと働かなくても結構儲かるんで。もし楽して儲けたいんだったら「ひとまずIT系行っとけば」という気はしますけどね。

 

櫻井:IT系は入社するの大変ですよ。

 

ひろゆき:大変だと思い込んでいるだけです。50~60年働いた上で、手元に入る金額を考えると、IT系に入れるだけの知識を1、2年使って給料を上げた方が、長期的に最後にお金がもらえる額は増えるっていう計算が立つかどうかだと思うんです。「20代のうちにちょっと頑張って、プログラム多少書けるようになってIT系入りました」というのと「なんとなく働けるから肉体労働をやりました」という人が40歳になったときに、月給全然違うと思うんですよね。

一回潰れてリストラをしないと利益が出せない法律上の構造

櫻井:選択と言えば、日本ってどうしても仕事や会社を選ぶとき「やはり大企業・名前のあるところがいい」みたいなところがあるじゃないですか。でも、最近は大企業でも、経営がうまく成り立たないところもいっぱい出てますよね。何でなんですかね、日本の企業がこうなってきてるというのは。

 

ひろゆき:法律上、大企業がうまくいくのが不可能な構造になってるんですよね。日本の会社って社員を切るのがほぼほぼ無理ですよね。たとえば、東芝という大企業が原子力部門を切り離そうとしたんですけど、原子力部門で働いていたスタッフを解雇しちゃいけないんですよ。でも、彼らは原子力の仕事しかできないじゃないですか。それなのにスタッフの給料をずっと払い続けなきゃいけないですよね、他の部門の売り上げを持ってきて。だから東芝は半導体部門というすごく儲かっていたものを、原子力部門の赤字を埋めるために売り払わなきゃいけなくなっちゃったんですよ。東芝全体の売り上げの規模も下がるし、利益も下がって、でも原子力部分をやっていたスタッフはまだいるんですよ。結果そこの重荷をずっと背負い続けなきゃいけなくて、最後は潰れるっていう。シャープもそんな感じで潰れて、台湾の会社に買われて。で、そのタイミングでめちゃくちゃリストラして、儲かる形の会社に変えて、今シャープはめっちゃ利益出しているんですよ。一回潰れてリストラをしないと利益が出せないって法律上の構造があるので、難しいんじゃないかなと思います。

 

櫻井:なるほど。これは法律のたてつけもそうでしょうけど、経営陣がどう判断するかっていうところも、影響するんですかね?

 

ひろゆき:無理だと思いますよ。3月11日のあの津波を誰が予想できたのって話で。津波が来るから原子力部門はやめようなんて分かるわけないじゃないですか。だから別に東芝の経営者の判断の問題ではない部分があると思うんですよね。

 

櫻井:そうなると運もあるってことなんですか?

 

ひろゆき:あの法律がある限り、運の要素で企業って潰れると思うんですよね。何が起こるか分からないじゃないですか、新型コロナウイルスを予想していた人もほとんどいないわけで。ANAとかJALとか利益をあげて、航空会社は儲かってたんですけど、新型コロナのせいで大変なことになってますけど、そんなの予想つくはずないじゃないですか。

上司に歯向かうことは社内で認知を上げる便利なツール

櫻井:話題を変えて、ひろゆきさんが本の中で「先輩に歯向かえるかどうか」っていうことも書かれてますけど、これもなかなか日本の古くからの会社だと、難しいところがありますよね。

 

ひろゆき:例えば自分が平社員で、課長に逆らったっていう状況を部長が見ていて、あの平社員が言ってることは「確かに理があるな」っていう人の方が出世するんですよ。会社って「若手で元気なやつを出世させたい」と、だいたいどこも思っているんですよ。「言ってることが正しいよねあいつ」っていうのを、それなりに上のポジションの人が覚えてくれると「そういえばそういう奴いたよね」ってなるんですね。歯向かうぐらいのことやらないと、その課長の上の部長だったり、役員だったりが覚えてくれるわけないんですよね。

 

櫻井:確かに。

 

ひろゆき:従順に働いてますみたいな会社員の名前なんて覚えるわけないじゃないですか。トラブルを起こすことで自分の名前を売るっていうのは、会社内で自分の認知を上げるためには結構便利なツールなんですよね。

 

櫻井:ただ、直属の上司である課長に対してのイメージが悪くなっちゃうから、課長が「あいつはいつも歯向かってばっかりですよ」っていう報告を上司に上げられたりするっていうことで、皆さん不安になると思うんですよ。

 

ひろゆき:だから、どういう歯向かい方をして、利があるかを部長が実際に見ている場所でやらなきゃいけないんですよ。「あいつ言ってること正しいよね」って後に、課長が「あいつは歯向かうばかりなんですよ」ってきたら部長は「でもあいつ言ってること正しかったのに、それを報告してないなこいつ」っていうので、課長に対する評価が下がるんですよ。

 

櫻井:だからやっぱりちゃんとそういうことをやるタイミングも考えなきゃいけない。

 

ひろゆき:自分より上の人たちとかが見てる場所や、公の場所とか大勢見てる場所でやるっていう、そのステージは意識した方がいいと思います。

 

櫻井:その辺は如才な生き方をしなきゃいけないんですね。

 

ひろゆき:別になんか、能力があって超優秀だったら何もしなくてもいいと思うんですよ。ただ、能力値がそこまででもないんだったら、そうじゃない形で頭を使ってなんとか上に上がる方法を考えた方がいいんじゃないかなと思うんです。
 

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