地元関西を離れ、福岡に来て3年目になった。自炊する機会も増え、最近では料理にはまり、休日の趣味になっている。日常的なメニューはもちろんのこと、ギョーザを皮から作ったり、フレンチスイーツ定番の一つ、ガトーショコラを作ったりとレパートリーは多岐にわたる。最近では、居酒屋で食べおいしかった料理を自宅で再現するくらいだ。おいしいものに巡り合うと、挑戦したくなる。
そんな私が料理する際、料理本もさることながら、スマホやタブレットをよく使う。レシピや隠し味などを検索するためだ。最近では、有名シェフのレシピ動画なども掲載されており、自宅で本格的な味が簡単にできる。私はこれらに加え、「ChatGPT」などのＡＩチャットボットもよく使う。余っている食材と調味料を入力するだけで、おいしいレシピを提案してくれる。とても便利な機能で、重宝している。
しかし、先日、最後のソース作りをしている際に、ＡＩから提案された調味料がすべて私のふに落ちないことがあった。ＡＩにも限界があるのかと諦めかけていた時、スマホには「30分程度運動をしてみてください」という表示が出た。私はすべてを理解し、ランニングに出かけることにした。料理の基本。空腹こそが最大の調味料だ。
4月19日（土）毎日新聞掲載
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