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サーモン品薄続く 食卓を直撃~ウクライナ侵攻の影響 福岡

緊迫するウクライナ情勢は、日本の食卓にも影響を与えています。
特に、寿司店などで人気のサーモンは品薄状態が続いていて、価格が高騰しています。

北九州市小倉北区の旦過市場。「北九州の台所」と呼ばれるほど品揃えが豊富ですが、ここでもロシアによる「ウクライナ侵攻」の影響が出始めています。

●吉勝 中村真也さん
「サーモンが仕入れに関してもそうですが、全然入ってこなくなったので、仕入れ値が4割くらい上がって、それだったらやめようということでまったく使っていない」

この店が魚を仕入れる北九州市の中央卸売市場では、サーモンの9割以上がノルウェー産です。
これまでは、ロシア上空を通るルートで空輸され、日本に送られていました。
しかし、ロシアが制裁への対抗措置として領空の飛行を禁止したため、ノルウェー産のサーモンは輸送が困難な状況となっているのです。

●吉勝 中村真也さん
「うちの中では3番目によく使う商品で、下がる分は言いやすいんですが、上がる分はなかなか言いづらくて。半年くらい続く可能性もあるので、そのあたりは様子をみる」

また、県内のスーパーに確認したところ、ノルウェー産のサーモンは通常の2割~3割増し、店舗によっては2倍の値段で販売しているそうです。
影響は、外食産業にも及んでいます。

●記者リポート
「こちらのすし店ではサーモンは138円の白い皿にのせられていたんですが、先月からは約2倍となる赤い皿になっています」

北九州市に本社を置く回転寿司チェーン店です。
新鮮なネタを手頃な価格で提供するのが自慢の店ですが、仕入れ値の高騰を受けて泣く泣く、値上げに踏み切りました。

●京寿司松尾部長 
「業者から2割~3割上げられたので、僕も何回も計算したんですけど、原価割れというところまできている。お客さんに申し訳ないんですけど、致し方なく値上げした」

店の人気メニューのトップ3に入るというサーモン。2倍の値段に客の反応は・・・。

●客
「やっぱし痛いですよね、孫が好きなんです」
「高くなるだけでもショックというか、食べづらくなるのはちょっときつい」

値上げしたのはサーモンだけではありません。
ウニやイクラも、原油価格の高騰による輸送コストの上昇などを受け、275円の赤い皿から413円の黒い皿に変更しました。

この状況が続けば、他のネタも値上げせざるを得なくなるといいます。

●京寿司 松尾部長
「うちの会社としても本当に頭悩ませている。今は先が見えてない。何とかお客様から喜んでもらえるようなものをやっていきたい」

身近な食材に押し寄せる値上げの波。私たちの生活にも暗い影を落としています。

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