ペルシャ湾を目指す!タンカー乗組員の仕事~「日章丸」同乗取材44日間の記録
日本は原油の約90%を中東産油国に依存している。今も日本経済の生命線であるオイルロードを行き来する「タンカー」乗組員の仕事に迫る。10回シリーズの2回目。(2013年8月30日~同年10月12日に同乗取材)
乗組員の大半は外国人
日章丸の乗組員は、26人だ。日本人は5人で、全体の8割をフィリピン人の乗組員が占める。かつては全員が日本人だったが、日本の経済発展とともに減ってきた。
多岐にわたる仕事
乗組員の仕事は多岐にわたる。操船する航海士、エンジンを担当する機関士、それだけではない。この日は、甲板部の乗組員がタンク内の部品を交換した。有毒ガスが残っていないことを確認し、万全の準備をしてタンク内へ。
タンク底のスラッジ
タンクの底には、スラッジと呼ばれる油の滓かすが残っている。ほどなくして、部品の交換作業は終わった。
RKB久間直樹「タンク内は新鮮な空気も入れてあって、安全な状態にして作業は行われているんですけれども、かなり厳しい環境で・・・当時はゴーグルとかもなかったでしょうから。こうやって触っていても目にどんどん涙が出てくる感じですね」
“社員をクビにしない”
敗戦直後、出光興産の創業者・出光佐三氏は、全国各地の油槽所のタンクからスラッジ(油のかす)を集める仕事を請け負った。
あまりに過酷な重労働のため、同業他社がやろうとしなかった仕事である。それは当時いた約1000人の社員をクビにしないための決断だった。
行き先は途中で最終決定
日章丸は、順調に航海を続けている。船長に、中東・ペルシャ湾のどこで原油を積むのか聞いた。
RKB久間「中東に向かうとは聞いていますが、ハッキリどの場所というのは決まっているのでしょうか?」
松本船長「まだ、最終的には決まっていない。産油国、日本国内の製油所の事情で変わることも・・・今回は1週間後くらい、シンガポールあたりで決まると思います」
東京湾を出てから、丸4日。日章丸は、沖縄沖を航行している。
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