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かかとのガサつき・手荒れ・ひび割れが起こりやすい原因と、体質のケアについて

大賀薬局

一年中ずっと手を酷使する仕事で、ひび割れや湿疹が気になっている方や、いつも足の裏やかかとがガサガサになり悩んでいる方などは、この時期は特に、外気の冷えと乾燥が重なることにより症状が悪化しやすいので、何かとケアに苦労されているのではないでしょうか。

その都度、ほとんどの方々が、保湿クリームをまめに塗ってみたり、ひどくなると治療薬を活用したりと、何らか方法で、繰り返す症状に対処を施されていることかと思います。

かかとや手先が荒れやすい主な原因

すでに周知のことかも知れませんが、他の肌や皮膚の部分に比べ、かかとや手や指先が荒れやすくなる原因には、いくつかのことが考えられます。

まずは、かかとのガサつきやひび割れが起こりやすい原因としては

◆『皮膚の新陳代謝が遅く、角質がたまりやすい

顔など普通の皮膚の場合は、その代謝が約1ヵ月前後で行われて生まれ変わるのに対して、かかとなどの足の部分の代謝サイクルは、だいたい4カ月ほどかかると言われています。

そのため、古い角質などが溜まりがちになり、硬くカチカチになって、乾燥によるひび割れを起こしやすくなります。

◆『皮脂腺がなく乾燥しやすい

かかとを中心とした足の裏の部分には、皮脂を分泌する「皮脂腺」がないので、皮膚の潤いが他の部分に比べて少なく、乾燥しやすい状態にあります。
因みに、時々足の裏が湿ったり蒸れたりすることがあるのは、汗腺からの汗によるものです。

◆『角質が厚く、荒れやすくて潤いが届きにくい

かかとは、立っている時には体重の7割以上を支えており、その重さに耐えられるように、「角質層」がかなり厚くなっています。それゆえに、保湿をしても潤いが浸透しにくく、加えて、地面からの様々な刺激も多いので、乾燥しがちで荒れやすくなります。


続けて、手先や指先が荒れやすくなる原因には


◆『洗いすぎや消毒のしすぎ

感染症の予防や対策として、「手洗い」や「消毒」は大変重要なことなのですが、必要以上にやりすぎてしまうと、手荒れを起こす大きな引き金になりかねません。
入念な手洗いは、そこについている菌などをしっかりと洗い流してくれると同時に、バリア機能となる皮脂膜の一部も除去してしまう可能性があります。
また同様に、手指消毒薬の有効成分のアルコールも、その強い脱脂作用により、皮膚の水分を奪ってしまうため、「乾燥」や「炎症」を起こすきっかけとなってしまいます。

◆『つねに手先が冷えている、あるいは冷えやすい状態にある

寒い季節に起こる「しもやけ」などからも分かるように、手先が常に冷えていると血行不良になって、新陳代謝が低下して荒れやすくなり、ケアしても治りにくい状況に陥ります。

◆『マニキュアを頻繁に塗り替えている人

こちらも既に、ご存知の女性も多いと思いますが、多くの除光液の主成分には、マニキュアをしっかり落とすための「アセトン」という化学物質が含まれており、使用の際には同時に指先の脂分も損なってしまうことが懸念されます。
(なるべくアセトンを含まないものを使いましょう。また除光液は、皮膚が薄く乾燥に弱い爪の周りの「ささくれ」の原因にもなるので注意が必要です。)

以上のようなことが、その主な要因としてあげられます。
 

症状が繰り返す原因は体の中にあるかも

しかしながら、多少の外的要因の差はあるにせよ、同じ環境下で生活している人の中でも、〝症状がでる人とでない人″さらには〝症状がでてもすぐに治る人と長引く人″の違いがあらわれてくる原因は、いったいどこにあるのでしょう。

それは、その人それぞれの体質や、いま現在の体の中の状態にあるものと考えられます。

今までに述べてきた、かかとや手指の構造はみな同じ状況であり、水仕事や外気の乾燥等は症状のきっかけであって、なかなか治らない人の根本的な要因には、何らかの体質的な弱りや偏りが存在しています。

もともと、かかとや指先は、血液を製造したり輸送したりする心臓などの主要な臓器から、いちばん離れたところにあるため、体の潤いを保つための血や栄養分が、かなり行きわたりにくい部分でもあります。

そのため、〝冷え性体質で血行不良気味になっている人″や、〝血や(体に必要な)栄養分が不足している人″は、手足の末端の部分から乾燥して荒れやすくなり、その症状も繰り返しやすく治りにくい状態になっています。

漢方の観点からみた原因の考察とそのケア

こうしたそれぞれの症状の根源となっている内的要因を、東洋医学では主に、〝体の滋潤物質とそれを巡らせる力″をあらわす「気血」の不足、さらには、体の水分バランスの調整に関わる「腎」や、皮膚を主る(つかさどる)「肺」などの〝様々な内蔵機能の弱り″と捉えて考察を行っていきます。

ここでは、その細かい解説は省きますが、「漢方カウンセリングによる診断」においては、ひとりひとりの体質にしっかりと着目して、なかなか治らない手や足の症状をさらに深く考察していくことで、根本的な原因の究明と、漢方薬等を用いた「本治(ほんち)」としてのケアに取り組んでいきます。

日々のカウンセリングの中では、冷え性を改善したくて相談に伺い、漢方を飲み始めたのに、カサカサしていたかかとやひじが滑らかになり、難治で悩んでいた掌蹠膿疱症や主婦湿疹がかなり軽くなったなどの、〝嬉しい副産物″をもらったという声もよく耳にします。

かかとや手指の荒れが繰り返して治らない原因が、体の中の状態にあることを知って、その体質的な弱点や偏りを改善し整えていくことで、皮膚に出る症状が和らぐことは確かです。

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この記事を書いたひと

大賀薬局

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