「経営者の怠慢」九州電力の株主総会で経営責任を問う声が相次ぐ、池辺社長は陳謝
九州電力の株主総会が開かれ、池辺社長は不正閲覧やカルテルなど一連の不祥事について謝罪しました。株主からは経営責任を問う厳しい意見が聞かれました。
相次ぐ不祥事「多大なご迷惑」社長が謝罪
28日午前、福岡市中央区で開かれた九州電力の株主総会。会場となったホテル前では、原発に反対する団体の集会も行われる中、株主が続々と入っていきました。
RKB小畠健太「不正閲覧やカルテルなど不祥事が相次いだうえ、大幅な赤字に転落した九州電力。株主総会ではどのような議論が交わされるのでしょうか」
午前10時、約220人の株主が出席して株主総会が開会し、池辺和弘社長は、相次いだ不祥事について改めて謝罪しました。
池辺社長「ステークホルダーの皆様に多大なご心配とご迷惑をおかけしておりますことを深くおわび申し上げます」
経営陣に賠償を求める“動き”も
九州電力をめぐっては、新電力の顧客情報を不正に閲覧していたとして、今年4月に経済産業省が業務改善命令を出しました。また、関西電力との間でカルテルを結んでいたとされる問題では、公正取引委員会が27億円の課徴金の納付を命令。福岡県など多くの自治体が入札参加停止の措置をとりました。さらに、これらの措置で損害を受けたとして、株主が九電に対して当時の経営陣ら25人に賠償を求める裁判を起こすよう、請求する動きもありました。
株主から経営責任を問う厳しい意見も
相次ぐ不祥事に、総会では一部の株主から厳しい意見が聞かれました。
株主「コンプライアンスが機能していない」「不祥事の責任の所在を明確にしていないので信用できない」
九州電力の昨年度の決算はおよそ564億円の最終赤字に転落し、株主配当についても、東日本大震災後にすべての原発が停止し業績が悪化した2015年以来8年ぶりに通期で見送っています。株主からは、経営責任を問う声も相次ぎました。
株主「株主だけに負担を強いているように見える」「経営者の怠慢だと思う。ちゃんと経営してほしい」
約2時間半の総会で「池辺社長の解任」など株主から寄せられた議案は23件にのぼりましたが、すべて反対多数で否決されました。
社長「対応している、信頼回復していきたい」
株主「(Q不祥事の説明は?)説明が不足していることと、今後どうするかとか、深い部分に踏み込んでの話はなかったです。納得はしていないですね」
株主「九州電力は九州でナンバーワンの企業だと思っていますので、その辺はしっかりと守るべきものは守ってほしいと思います。経営は九州全体のためでもありますので、しっかりと利益を出してほしいと思います」
総会終了後に記者会見を開いた池辺社長はこう話しました。
池辺和弘社長「そういうこと(不祥事)をしないような教育については、不正閲覧問題にしろ、カルテルを疑われた問題にしろ対応をうっていますので、それを通じて信頼回復していきたいと思っています」
赤字からの脱却に加え、不祥事を起こさないよう企業体質を変えることが求められる中、今後の経営が問われています。
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