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近年テレビやネットを見ていると、「Z世代」というワードを数多く目にします。なんとなく、“若い世代のことを言っているんだろう”、そういう認識の方もきっと多いはず。
では、「Z世代とは、どんな世代」「Zって何?」と聞かれると、具体的に答えられますか?
今回は話題のワード、「Z世代」の解説とともに、他世代についても触れていきます。
そもそも「Z世代」の「Z」とは
「Z世代」の「Z」とは、諸説ありますが、あるフォトエッセイが由来とされています。
1953年にハンガリーの写真家、ロバート・キャパ氏がフォトエッセイ「Generation X」を発表。第二次世界大戦後の人口増加、いわゆるベビーブームに生まれた若者たちを、「X」と世代づけました。
「X」とは幾何学的な表現で言うと、「未知数」という意味。
戦後に生まれた若者のことを未知と呼び、そのXから「Generation X(日本語で「X世代」)」と名付けました。
その後、Xに続くアルファベットを1つずつ追加し、世代ごとに「Y世代」「Z世代」、と1文字のアルファベットで表現するようになりました。
つまり「Z世代」のZは言葉の頭文字でなく「X世代」が元となっており、今から約70年も前から〇〇世代と言われていたということになります。
「Z世代」の年齢
「Z世代」の年齢は、現代では主に10代~20代を中心とした若い世代を指しています。こちらも諸説ありますが、1997年~2012年に生まれた世代を指すことが多いようです。
この世代は、生まれた時からインターネットに触れている、人類史上初の世代であることが特徴づけられています。
日本においても若者研究の第1人者、原田曜平氏によって「Z世代」が紹介されたことをきっかけに世に広まり、2021年にはユーキャン新語・流行語大賞トップ10にも選出されました。
生まれ年 | 年齢(2023年時点) | 日本別名 | |
X世代 | 1965~1980年 | 58歳~43歳 | ・バブル世代 ・団塊ジュニア世代 |
Y世代 | 1981~1996年 | 42歳~27歳 | ・ミレニアル世代 ・ジェネレーション世代 |
Z世代 | 1997年~2012年 | 26歳~10歳 | ・デジタルネイティブ世代 ・ソーシャルネイティブ世代 |
α世代 | 2016年以降 | 9歳~ | ‐ |
ではなぜ「Z世代」が注目を浴びているのか
日本の人口減少は著しく、総務省統計局の発表によると2022年時点の日本の総人口は1億2494万7千人で、前年に比べ55万6千人(-0.44%)と、12年連続で減少しています。
しかしながら世界全体に目を向けてみると、2022年、国連の「World Population Prospects 2022(世界人口推計2022年版)」によると、世界の総人口が80億人を突破したと発表され、世界全体では増加傾向にあります。
これこそ「Z世代」が注目を集める大きな理由となるのですが、なんと世界人口の約3分の1を、この「Z世代」が占めているのです。※2020年の世界人口数値で計算
国内人口が減少し続けている為ピンときにくいのですが、世界情勢で考えるとこの「Z世代」こそが、今後世界のあらゆる方面に大きな影響をもたらすことは間違いないのです。
「Z世代」の特徴
「Z世代」は前述でも述べたように、生まれた時からインターネットに触れている人類史上初の世代です。
その為、他の世代にはない価値観や行動基準を持つと言われています。
「Z世代」に特徴的な項目を3つに分けてみました。
Z世代の特徴① マスメディア離れ
「Z世代」について様々な書籍が出されていますが、この“マスメディア離れ”について書かれたものが数多く存在しています。それだけ、若者のマスメディア離れが顕著だということが挙げられます。
マスメディアとは、新聞・雑誌・テレビ・ラジオのことです。
昭和や平成の時代を大きく彩ってきたマスメディア。「Z世代」においてこのマスメディアとは、一昔前の時代のこと。
「Z世代」の主な情報収集ツールは、インターネット。しかも“生まれた時からインターネットに触れている”ため、これが当たり前なのです。その為「Z世代」はテレビの視聴時間よりもYouTubeやSNS等のインターネット利用時間が長く、年代が若くなるほどその差は大きくなります。
またテレビや新聞・雑誌などのマスメディアの情報は、「Z世代」においては自分が知りたい情報でないものも多く含まれている為、必要事項がすぐに得られるインターネットやSNSの利用が加速していったと考えられます。
Z世代の特徴② タイパ消費
タイパ、という言葉を聞いたことがありますか?
これこそ「Z世代」最大の特徴といっても過言でないのですが、「Z世代」においてタイパ=タイムパフォーマンスが最も重要なのです。
タイムパフォーマンスとは、時間効率を重視した行動のひとつ。三省堂主催の「今年の新語 2022」の大賞に選ばれたことでも、より広く知られるようになりました。
Z世代の特徴①とも重なりますが、時間効率を重視するようになった背景にはデジタルツールの普及が大きくかかわっています。
週末はどこかへでかけよう、今日の晩御飯は何にしよう、この数学の公式なんだっけ、のような、日常の1つ1つの疑問も、インターネットの力があれば即解決できます。
またスマホなどのデジタルツールの普及により、YouTubeやSNS等が自宅以外でも容易に得られるようになったことから、電車やバスの移動時間、信号の待ち時間など些細な時間でさえも情報を得られやすくなり、少ない時間で多くの情報を得る=タイパ消費することが可能になったのです。
ただし、「Z世代」においてこのタイパ消費という行動は、“生まれながらの当たり前なこと”でもあります。
X世代やY世代の人からしたらこの「Z世代」の行動は驚くことも多いと思うのですが、子供のころからスマホに慣れ親しんだ「Z世代」にとって、何も珍しいことではないのです。
Z世代の特徴③ 社会問題への関心が高い
2015年9月の国連サミットで採択された、「SDGs」。
貧困、教育、差別、など全17の様々な世界課題に対し、2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた世界の共通目標ですが、こういった課題に対しても「Z世代」は非常に関心が高く、また積極的に取り組んでいる人が多いことも特徴的です。
国連サミットで「SDGs」が採択された2015年といえば、「Z世代」は17歳~2歳という低年齢(2023年時点)。
その為幼いころから「SDGs」に関する話題に多く触れていることや、またこの世代は東日本大震災などの災害を経験した人も少なくありません。
そのため社会問題や環境への関心が他世代よりも高く、「SDGs」の取り組みにおいても積極的に行動したり、SNSなどを通じて情報発信を行ったりと、X世代やY世代にはない自発的な行動が多く見られます。
いかがでしたか?
「Z世代」の内容に触れれば触れる程、ただ若いだけではなくデジタルネイティブ世代に生まれたからこその、世代感メリットを多く見つけることができたのではないでしょうか。
これからの未来はこの「Z世代」にかかっている!といっても過言でないかもしれませんね。
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