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1年限定!昼は無国籍料理、夜はイタリアン。2つの顔をもつW間借りレストラン

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箱崎にあるワインバー「レルブロワイヤル」が、今年の4月から1年間休業に入りました。その間、昼と夜で別々のオーナーが間借りすることになり、一挙に2軒のお店が期間限定でオープンしたのです(2024年3月末まで)。

オルセン・リドリーナ外観 オルセン・リドリーナ店内

それぞれジャンルが異なり、昼と夜で違った料理やお酒が楽しめるというわけで、あぁ、ご近所さんがうらやましい!ですが、箱崎駅から徒歩すぐの場所なので、ご近所さんでなくとも要チェック。わざわざ訪れたくなる、魅惑の2軒をご紹介します。

昼飲みメインの無国籍料理店「OLSEN」

まずは、昼営業のお店「OLSEN」です。店主の郷田純一さんは、東京で12年ほどイタリアン、多国籍ビストロ、中華などで経験を積んだ後、地元の宗像に戻り、ポップアップや間借り、自家製調味料の販売など、料理に関わる活動を自身で行ってきた料理人です。

オルセン店主

「期間限定の間借りなので、いろいろ試せるところに可能性を感じます」と郷田さん。これまでの経験を活かし、無国籍料理として様々なオリジナル料理をあれこれ出していて、夏場は郷田さんが得意とするスパイスやハーブを使った料理がメニューに並びます。

オルセンフードメニュー

チャーハンやラーメンなどのメニューもありますが、これらはあくまでも〆の一品で、基本的にはおつまみ主体の昼飲みのお店です。「ランチ需要が高いのはわかっていますが、休日に昼からお酒を楽しんでもらいたくて」と話します。

オルセンドリンクメニュー

お酒はナチュラルワインとビール、そして日本酒です。日本酒は熱燗でも楽しめる、濃厚なタイプを主体に。そのなかで夏にぴったり、しかもどんな料理にも合わせやすい「どぶソーダ」(800円)をオススメしてくれました。こちら、にごり酒(生酛のどぶ)をソーダで割ったもので、郷田さん曰く「甘くない大人のカルピスソーダです」。

オルセン料理

1品目は前菜として「野菜のお惣菜盛り合わせ」(650円)をいただきました。ズッキーニのマリネ(ライムとエゴマ)、空芯菜のお浸し、ナスのスパイス炒め、インゲンのアラビアータ、キノコのスパイス蒸し、大葉とカルダモンのポテサラなど、夏野菜とハーブ、スパイスを駆使したオリジナル惣菜がなんと9種も盛られているんです。

どの惣菜も野菜の食感、味がきっちり引き出され、それぞれ違ったスパイスや味付けなので、一品食べるごとに「うわ~」と感激の声を上げてしまいます。なかでも驚いたのは自家製キムチ。白菜に塩、トマト、唐辛子を加えただけなのに酸味も旨味もしっかりとしています。

オルセン料理

2品目はメインとして「大根のカツレツ」(750円)をチョイスしました。中身はスパイスを使って煮込んだ洋風のおでん大根で、それに小麦粉とパン粉をまぶしてカラッと揚げています。厚切り大根ではなく、実は2枚重ね。大根がしみっしみにスープを含んでいるので、1枚はそのまま美味しくいただき、2枚目は添えられた北アフリカの調味料「ハリッサ」で味変して食べると、いきなりエスニック調に。大袈裟ですが、この一品で地球半周の味を一気に味わえた気分です。

この2品、ベジタリアンやヴィーガンの人でも楽しめるよう考案されたものですが、もちろんそうでない人も満足できる味と満足感です。「宗教や人種関係なく1つのお店で食事が楽しめるといいなと思って」と郷田さん。今後はもっとヴィーガン向けの料理を作っていきたいと話します。多様な人たちが多く暮らすこのエリア。料理だけでなく客層も多国籍、しかも昼間から楽しそうに飲んでいる……そんな光景が脳裏に浮かびました。

ちょいちょいふらっと寄りたくなる小皿料理のイタリアン「Ridolina」

夜の部にて営業するのは、イタリアンの料理人・片山裕加里さんです。片山さんは福岡市内のイタリアンを経て、福津の農園レストラン「アプテカフレーゴ」で長く働いていました。ちょうど次のキャリアを考えていたときに、以前からの知人であった「レルブロワイヤル」のオーナーから声をかけられ、「めったにないこんなチャンスを逃す手はありませんでした」と話します。

リドリーナ店主

店名の「Ridolina」は、片山さんの元職場での愛称から付けたそう。イタリア語で「よく笑う女の子」を意味するこの言葉、写真を見るとおわかりでしょう。片山さんをよく表現しています。この満面の笑顔で出迎えてくれるので、初めてでも1人でもとても入りやすいんです。

ドリンクはワイン、料理はイタリアンで季節の食材を使った小皿料理を主体にしています。

リドリーナ料理

メニュー数が多く迷ってしまい、片山さんにセレクトをお願いしました。白ワインに合わせて選んでもらったこちらは「ビーツとツナのポテトサラダ フライドオニオン添え」(500円)です。出てきてびっくり。なんてまぁ、エレガントなんでしょう。立体的で美しく、まるで紫とグリーンのドレスのよう。ビーツがたっぷり入ってるので、さらっとした舌触りと口溶けです。ツナのほか、タマネギ、キュウリも入っていて味にアクセントが生まれる、なかなかユニークなポテサラです。

リドリーナ料理

2品目に選んでくれたのは「ナスとトマト、モッツァレラチーズのオーブン焼き」(550円)です。これまたとても美しい。「味はもちろん、インパクトも大切にしています。目と舌で楽しんでいただきたい」と片山さん。
この料理は南イタリアの郷土料理「パルミジャーナ」を1人用にアレンジしたもので、薄切りにした揚げナス、トマトソース、モッツァレラチーズを重ねてオーブンで焼き上げています。口に含むとナスから滲み出る甘み、ソースの酸味、チーズの風味が合わさって至極口福。お肉を使っていないのにコク深いのは、ナスを揚げるときに溶き卵を使うからだそうです。

2品ともけっこうなボリュームで、小皿料理でありながらメイン料理と言っても過言じゃないほど高い満足度です。「皆さん驚かれます。私が食べることが大好きなんで、基準が違うのかも?」と笑うリドリーナ(片山さん)。「それと、野菜をたくさん食べてもらいたい気持ちが大きくて。野菜が主体になる、野菜だけでも満足してもらえる料理をこれからもたくさん作っていきたいですね」。

野菜料理を中心に、肉料理、魚料理、パスタもあり、内容は季節によって変わっていきます。この日は、1人で行ったのでここで胃袋が打ち止め。もっといろいろ食べたいし驚きたいので、次回は2~3人で来ようっと。

リドリーナメニュー リドリーナメニュー

お2人とも今はお店を始めたばかりで先のことはまだ考えられないということでしたが、きっとこの間借り期間にメキメキと実践を積んで、次なるステージへと進むことでしょう。今を楽しめ、未来に期待できる魅惑の2軒。時間が許せばまず「OLSEN」に行って、箱崎エリアを散歩して、夜にまた「Ridolina」に戻るというハシゴ飲みが理想です。

OLSEN(オルセン)
福岡市東区筥松2-19-18
11:00~16:00(水曜は~23:30)

Ridolina(リドリーナ)
福岡市東区筥松2-19-18
17:30~OS22:30

店舗名:OLSEN(オルセン)
ジャンル:各国料理、ダイニングバー
住所:福岡市東区筥松2-19-18
営業時間:11:00~16:00(水曜は~23:30)
定休日:木曜
席数:カウンター5席、テーブル6席
個室:なし
メニュー:【例】野菜のお惣菜盛り合わせ650円、青唐辛子とパクチーのオムレツ900円、ニラミント水餃子(幸福豚)600円(4個)、大根のカツレツ750円、台湾フライドチキン850円、カレーチャーハン700円、醤油ラーメン(山田製麺)1,100円、奥添製パンのパン200円(1カット) ※季節で内容が変わります
URL:https://www.instagram.com/olsen_goda/
店舗名:Ridolina(リドリーナ)
ジャンル:イタリア料理
住所:福岡市東区筥松2-19-18
営業時間:17:30~OS22:30
定休日:水曜
席数:カウンター5席、テーブル6席
個室:なし
メニュー:【例】農園直送お野菜たっぷりサラダ800円、ビーツとツナのポテトサラダ フライドオニオン添え500円、アスパラとモロッコインゲンのフリット600円、ナスとトマト、モッツァレラチーズのオーブン焼き550円、じゃがいもとイカの煮込み650円、めごち(魚)のカツレツ 赤ピーマンのソースとリコッタチーズ900円、ゴロゴロお肉の豚のラグーソース ベスヴィオ(ショートパスタ) ※季節で内容が変わります
URL:https://www.instagram.com/ridolina_fukuoka/

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この記事を書いたひと

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