パンまたはご飯とおかず、牛乳がセットになった「完全給食」を導入する福岡県太宰府市に新しい調理施設「太宰府セントラルキッチン」が完成し３日、お披露目されました。民間業者による調理・配達方式がとられ、市内外の中学校にできたての給食が届けられることになります。福岡県内のほとんどの市はすでに完全給食を実施しているものの、太宰府市では導入の是非が長年、議論され市長選挙の争点にもなっていました。
短時間冷却の機器や蒸気加熱の釜
新しく完成し見学会が開かれたのは「太宰府セントラルキッチン」（太宰府市水城）です。食中毒の防止に効果がある食品を短時間で冷却する機器や、蒸気を利用して加熱する釜など最新の設備が備わっています。太宰府市は来年１月から、市内の中学校４校で主食とおかず、牛乳が揃った「完全給食」を実施。施設はこれにあわせて整備されたもので、運営は関西を中心に学校や病院で給食を提供している「日米クック」に委託します。
市政が「混乱」するビッグイシューに、完全給食は悲願だった
福岡県ではすでにほとんどの市町で中学校の「完全給食」が実施されています。しかし太宰府市では、完全給食の実施をめぐって過去に市政が混乱。市長選挙で争点になるなど、長年の課題でした。楠田大蔵市長は去年１１月、「財政状況が好転したことで事業者が見つかった」と説明していました。セントラルキッチンで調理された給食は、太宰府市以外にも春日市、宇美町、糸島市の学校にも提供されます。
そもそも完全給食とは？
文部科学省によると、学校給食の定義は次の通り。太宰府市ではこれまで生徒が弁当を持参するなどして昼食をとっていました。
・完全給食
給食内容がパン又は米飯（これらに準ずる小麦粉食品、米加工食品その他の食品を含む。）、ミルク及びおかずである給食
・補食給食
完全給食以外の給食で、給食内容がミルク及びおかず等である給食
・ミルク給食
給食内容がミルクのみである給食
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