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秋の実り満載! 福岡県の耳納・朝倉エリアの楽しさを徹底リポート ~朝倉エリア編~

福岡県・久留米出身であり「くるめふるさと大使」を務めるこがけんが、耳納・朝倉地区の秋ならではの楽しみ方をリポート。さらに、高田課長とLinQの髙木悠未は、最新のおでかけスポットを紹介します。
 

今年7月の大雨により甚大な被害をうけた福岡県。人的被害は死者5名、重傷2名、軽症5名。家屋被害は6569件(8月14日時点)、被害額は農業284億円、商工業30億円(8月30日時点)にのぼります。なかでも耳納・朝倉エリアは被害が大きかった場所。しかし、ここで生活をしている人々は前を向いて一歩ずつ未来へと歩みを進めています。

美食と伝統工芸に恵まれた朝倉エリア

シャインマスカットが名物!「横溝(呈)ぶどう園」(久留米市田主丸)

 

創業50余年。シャインマスカットや巨峰など、たくさんのぶどうを育てている「横溝(呈)ぶどう園」。

 

 

なかでもおすすめのシャインマスカット(1kg2,600円)は、1房がずっしりとしていて果汁たっぷり。ジューシーな甘さが特徴です。2代目の横溝佳広さんは「今年のぶどうもよくできました」とにっこり。しかし、7月の雨では自宅の隣の谷が土砂に埋まり、倉庫や玄関まで泥が入ってきて大変だったと言います。

「巨峰ワイナリー」でジュース作り(久留米市田主丸)

 

そんなぶどう園と協力し、復興へと歩みだすワイナリーが、創業51年、福岡で一番古いワイナリーと言われる「巨峰ワイナリー」です。

 

 

2012年の九州豪雨以降、毎年のように大雨に襲われ、今回が3度目の被災。ぶどうの収穫が始まった矢先に敷地内に土砂が流れ込み、一時休業を余儀なくされました。

 

 

 「契約しているぶどう農家の方々は、畑に土砂が入ってきたり家屋が浸水したりと、今回が一番ひどい被害だったのではないかと思う」と話すのは、農園スタッフの牧孝志さんです。

 

 

しかし、今年は日照時間に恵まれたこともあり、大雨に負けず、例年より甘いぶどうが実りました。そこで、巨峰ワイナリーと地元農家のぶどうをたっぷり使った300本のジュース作りに挑戦! なんと、使う巨峰は200kg、およそ600房です。

 

 

ジュースは機械ではなく、足踏みで作ります。実は巨峰ワイナリーでは、コロナ禍前まで足踏みでジュース絞りをするイベントが大人気だったそうで、今回は4年ぶりの再開となります。機械には出せないおいしさを引き出せるのが、足踏みの魅力なのだとか。

 

 

巨峰100%でつくられた「足踏み巨峰ジュース」(1500円)は9月16日(土)、17日(日)限定で、巨峰ワイナリーと横溝(呈)ぶどう園で販売します。300本のみなので、お買い求めはお早めに!  
※売り切れ次第終了 ※売り上げの一部は豪雨被災地に寄付 
 

 

ぶどう狩りの旬はもうすぐ終わってしまいますが、朝倉はフルーツ狩りが年中楽しめるエリア。10月1日からは「右田果樹園」(久留米市田主丸)で柿狩りがスタート。ぜひ遊びに行ってください。

甘辛さが特徴の唐揚げが人気! 居酒屋「すぐる屋」(久留米市田主丸)

 

巨勢川からあふれた泥水が浸水し、2カ月たった今でも休業中の居酒屋「すぐる屋」。

 

 

店内に入り込んできた泥水はおよそ2時間で70cmの高さまで達し、飲み込まれた厨房機器はすべて使用できなくなってしまいました。

 

 

オーナー田中卓さんは「すぐる屋」とは別に、浮羽工業高校で学食も運営。そんな田中さんは「災害ボランティアの方々に料理でお返ししたい」と考えていました。

作るのは「すぐる屋」特製の甘辛い唐揚げ。営業中、多い日には70人前も売れたこともある大人気メニューです。板前の経験をもつこがけんも一緒に手伝います。

 

 

すぐる屋の片付けを手伝ってくれたのは、地元のプロラグビーチーム「ルリーロ福岡」や常連客のみなさん。またお店にこの景色が戻ってくるよう、田中さんは来月の再開を目指しています。

前を向く窯元たち(福岡県東峰村小石原)

 

陶器でおなじみの福岡県東峰村。このエリアも7月の大雨で大きな被害を受け、一部の集落が孤立してしまいました。村内には国の伝統工芸品にも指定されている小石原焼や高取焼の窯元が40軒以上あり、そのうち11軒が被害を受けたといいます。

 

 

 そんな中、村を盛り上げようと9月9日には地元の若手陶芸家たちによる「軽トラ陶器マルシェ」が開かれました。

高取焼の唯一の直系窯元「高取焼宗家」(福岡県東峰村小石原)

 

イベントに参加したうちの一人である髙取春慶さんは、伝統技法を守り続ける「高取焼宗家」の14代目です。高取焼宗家は、6年前の九州北部豪雨に引き続き今回が2度目の被災。

 

※高取焼宗家は「高」ですが、名字はハシゴダカです

 

 

「やめるという決断もできたが、この土地でしかできないことがたくさんあるし伝統を守っていきたいので、アップグレードして修復できたら」と、髙取さんは語ります。

麗しいブルーの器が目印の「秀山窯」(福岡県東峰村小石原)

 

48年ほどの歴史をもつ「秀山窯」は、「秀山ブルー」と呼ばれる藍色の器が特徴です。

 

 

お店の被災は免れたものの、窯には水が入ってきてしまい、美しい秀山ブルーの器の多くが泥に埋もれてしまいました。

 

 

三代目の里見武士さんが気がかりなのは、被災した焼窯の状態。窯が水分を多く含んでしまうと、焼き上がりに影響が出てしまうからです。

 

 

大雨から2カ月ぶりの窯出し作業に立ち会った高田課長。さあ、焼き上がりはいかに……!?

 

 

「結構いい色が出ている」と目を輝かせる里見さん。「これは大成功ですね」と、胸をなでおろしていました。

 

秀山ブルーに出会える「秋の民陶むら祭り」は10月7日(土)~9日(月・祝)に開催します。ぜひ遊びに行ってみてください!

小石原焼の魅力を体験できる「カフェ&ギャラリー試器」(朝倉市杷木松末)

 

さらに、東峰村の隣にある杷木松末には、今年の3月に「カフェ&ギャラリー試器」がオープンしました。

 

 

ランチ(1,300円)は、6種の中からメインを1つ選び、好きな惣菜を気に入った小石原焼の器に自分で入れていくスタイル。もちろん、器が気に入れば販売コーナーで購入できます。

 

器は、すべて店主の加藤美咲さんによるセレクト。加藤さんは「人の手でつくる温かみが一番わかりやすいのが小石原焼の魅力」だと教えてくれました。

さまざまな形で広がる復興支援

足を運ぶ復興支援はもちろん、「買う」ことでつながる支援もあります。

 

■Restaurant Spoon(久留米市田主丸)

 

 

「バスクチーズケーキ」(1本5,000円)をオンラインショップで販売(要予約)。

 

■波平食堂(久留米市田主丸)

 

 

復興支援チャリティーTシャツ(3,000円)を店頭で販売中。売り上げは全額寄付します。

 

■魚国(久留米市山本町)

 

 

復興支援商品「あまおうジェラート」は350円で販売中です。

 

 

また、「足を運ぶ」「買う」以外に「募金」という支援方法もあります。
日本赤十字社では義援金を来年の3月29日まで受け付けているので、番組を通して「町を応援したい」と思われた人は、ぜひ「日本赤十字社福岡県支部 事業課(092-523-1172)」までお問い合わせください。

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