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ディープな裏六本松には個性派飲食店が増殖中

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九大が移転し、マンションができ、ボンラパスや蔦屋書店や科学館などもでき、裁判所も赤坂から移転してきて、すっかり様変わりした六本松。城南線の北側は町としては以前の風情は残しつつも、古いアパートや長屋にはいつしか新しいお店がたくさん入って個性的な町になっています。
一方、裁判所の裏側も次第に新しいお店ができてきて、こちらも「裏六本松」と言われたりして、個性的な飲食店が集まってきました。

裏六本松街並

今回はその裏六本松のグルメな交差点あたりを探訪しました。
まずは「うどん日和」からです。お昼どきにはこのあたりで一番行列ができるお店です。まだ福岡で今ほど讃岐うどんが一般的になる前からこの地でおいしいうどんを提供してきていました。ここはなんといってもアボカドが入ったうどんが有名。ここで食べるまでうどんにアボカドという発想はありませんでしたけど、意外に合うものです。
その隣にはこれまたランチどきはお客さんでいっぱいの「シカゴステーキ オーロラ 離れ」がありますが、ステーキといえばその少し先には「清喜ひとしな」もあります。「オーロラ」はカジュアルだけどメニュー構成や提供の仕方は正統派のステーキハウスという感じですが、「清喜ひとしな」は平尾の「清喜」の姉妹店で、メニューは赤身肉ひれステーキ定食1種類のみ。ステーキ屋でありながら定食の店なので、ごはん、味噌汁、漬け物などへのこだわりも一級品です。やっぱり、定食のお店はごはんと味噌汁がおいしくないと、って思います。昼だけの営業というのも潔いですね。

六本松食堂さんま定食 2022年撮影

「清喜ひとしな」の正面には「六本松食堂」という店があります。社員食堂や寮の食堂といった感じの内装でかなり広いんです。しかし料理は内装にそぐわないおいしいものが出てきます。肉も魚の定食メニューがたくさんあります。食べたことはないのですが夜はコース料理もあるみたいです(5名以上)。そうそう、ここの敷地にあるコインパーキングはこのエリアでは私が知る限り一番安いと思いますよ。

恵味うどんのうどん 2022年撮影

そしてここから10mほど行くと、少し前に薬院から移転してきた「恵味うどん」があります。あの細くて平たくてコシがあって口あたりがなまめかしいうどんは唯一無二。一度食べると忘れられないうどんです。

竹馬外観

ちょっと最初の交差点から離れてきたので、また「うどん日和」の角に戻ります。同じ角にある和食の店は「竹馬」です。魚に肉に野菜に、焼鳥類もあって、ここに来ればどんなときでもどんな人でも満足できること請け合い。もちろんこの店ができたときはまだ九大もあって、このあたりではかなりの古株といってよいでしょう。多くの人気飲食店の店主たちも認める実力派ですよ。

かんべえ外観 蕎麦かんべえもりそば

そこからから少し南に下ると右手に昔ながらの定食屋「多津田」、からあげとたいもちの「ろっぽんぽん」が並んでいます。あんこたっぷりでもっちもちのたいやきは手みやげにも最適です。

ろっぽんぽん外観 ろっぽんぽんのたいもち

らに少し行くと左手に有名な「マツパン」がある長屋みたいなところが現れます。「マツパン」は言わずと知れた「パンストック」出身者によるパン屋さん。小さな店内にバリエーション豊かなパンが並んでいます。
そこを入っていくと左奥には「ジャパンコーヒーロースティングチャンピオンシップ2014」で優勝し、2015年に世界大会で9位になった・江口崇臣さんの店「COFFEE MAN」があります。以前は「マツパン」のパンを持ち込んでもよかったんですけど、今も同じかな?

マツパンショーケース

そしてその前にあるのが前述の「清喜ひとしな」の姉妹店「餃子おそ松」。けやき通りの「Mon an」もやってる「清喜」グループ、手広いですね。立ち飲みスペースとテーブル席があるこぢんまちしたお店ですが、餃子以外にも「清喜」のセンスあふれるつまみがあるいい酒場です。
そしてこの長屋には2階に「ちーこば」という居酒屋もあります。ここは「竹馬」よりさらに古くて2002年のオープンだからもう20年越えですね。最初の頃は九大の職員や学生が多かったんじゃないかと思いますが、今はすっかり客層も変わってるはず。そんな環境の変化にも負けず、この裏六本松で町の人の心の拠り所として存在し続けているんだな。

おそ松外観

長屋を出て、もう少し南にいくと古い「高橋荘」というアパートがあって、1階にも2階にも飲食店がたくさん入っています。海鮮丼の店、パスタの店、まぜそばの店などなど。このアパートには「吾木香」というカフェがあるのですが、「手作り日傘教室」とか「チョークアート教室」などをやってるようです。
この「高橋荘」の斜め前あたりにもカフェとかができてて、もしかしたら今後この通りは南へ南へとお店が増えていくのかもしれませんね。

高橋荘外観

地下鉄駅があり華やかな表の六本松からほんのちょっと入るだけで、こんなに個性的なお店が集まっていて、歩いているだけでも楽しいエリアです。六本松は谷方面にも飲食店がどんどんできてて、これからも変化著しい街になりそうですね。

弓削聞平

UMAGA編集長。福岡在住フリーエディター。当時「シティ情報ふくおか」を発行していたプランニング秀巧社を経て、2001 年より福岡とグルメをテーマにフリーエディターとして活動。福岡のグルメ雑誌「epi」「ソワニエ」の元編集長。 個人事務所「聞平堂」では「ぐる~り糸島」「福岡 気軽で楽しい町の寿司屋」「私、この店、大好きなんです。」等を出版。インスタID:bunpei_yuge

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