大名から薬院にかけて、多くの飲食店が軒を連ねる上人橋通り。その由来となったのが中ほどにある「香正寺」の開祖・日延上人です。江戸時代のはじめ、黒田の殿様の囲碁相手だった上人が登城しやすいようにと、小川(現在の国体道路)に橋を架けさせたといわれています。その香正寺北門側の路地で、超人気居酒屋「めしや コヤマパーキング」隣に7月26日オープンしたのが「KYuNii」。長く関西で活躍してきたオーナーシェフ・國﨑昂志さんが、地元の福岡で満を持して開店したイタリア料理店です。
國﨑さんは大阪の調理師専門学校を経て、全国に名を馳せるイタリアンの名店・京都「イル ギオットーネ」に入社。その後、先輩の独立に伴い同じく京都の「cenci」で腕を磨き、大阪「(食)ましか」の料理長に招かれました。その縁もあり、今年の3月に閉店した「(食)ましか 福岡本店」の店舗を譲り受け、全面改装して独立開業。天井が高い空間を上手く利用した半2階にワインセラーなどを設置することで、かなりゆったりとした店内スペースを実現しています。
料理はアラカルトが基本で、約10種類もの多彩な前菜をはじめ、パスタ、魚・肉のメイン料理、ドルチェまで、定番料理と旬の食材を使った限定メニューが揃っています。また、ランチは4,400円、ディナーは8,800円(夜は前日までに要予約)のコースも用意されています。
今回はアラカルトの定番から前菜、パスタ、メインをチョイス。まずは一番人気の「パテ・ド・カンパーニュ 阿蘇タカナード」(935円)からスタートしました。豚の肩ロースとネックに鶏レバーを加えてねっとりと仕上げたパテは厚めにカットされ、一口頬張れば何とも肉々しい食感。添えられているのは一見粒マスタードかと思いきや、実は阿蘇名産の高菜の種を使った「阿蘇タカナード」。爽やかな辛味でパテの旨味を引き立て、ワインのお供にもぴったりです。
パスタは関西時代から付き合いがあったという岡山の「冨士麺ず工房」から取り寄せる生麺を使用。スパゲッティ、タリオリーニ、キタッラなどのパスタにソースを組み合わせたメニューが毎日5~6種類ほど用意されています。今回注文した「シンプルトマトソース キタッラ」(1,540円)は、その名の通りフレッシュな生トマトとイタリア産のホールトマトを半々に合わせたシンプルなソースで和えた太めのパスタ。トマトの酸味と甘味をまとったキタッラは、まるで手打ちのうどんを思わせるモッチリとした食感で、食べ応えも充分です。
メインには福岡では珍しい鳥取牛を使った「和牛ランプのステーキ」(4,620円)を注文。オーブンでじっくり火を通した後しばらく肉を休め、仕上げに備長炭で焼くことで表面に焼き目と香りを加えています。赤身の肉質はナイフが抵抗なくスッと入るほど柔らかく、噛むほどにほのかな脂味とじんわりとした旨味を味わうことができました。
前身の「(食)ましか」と同じくワインは自然派を中心としたセレクトで、グラス880円から。國﨑さんが「ワインとアテだけでもどうぞ」というようにワインバー的な使い方もOKなので、まずは肩肘張らずに気軽にどうぞ。
kyunii(キュウニイ)
福岡市中央区警固1-6-4
092-406-2582
ジャンル:イタリア料理
住所:福岡市中央区警固1-6-4
電話番号:092-406-2582
営業時間:12:00~15:00/18:00~OS22:00〈土日祝は15:00~OS22:00)
定休日:月曜、他不定休あり
席数:カウンター8席、テーブル6席
個室:なし
メニュー:燻製たまごのせポテトサラダ715円、パテ・ド・カンパーニュ阿蘇タカナード935円、シンプルトマトソース キタッラ1,540円、霧島山麓豚バラとうもろこしリーズリゾット山椒1,980円、オーストラリア産子羊4,180円、鳥取和牛ランプ4,620円
URL:https://www.instagram.com/kyunii_92_2023/
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