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実家で両親を殺害したとされる19歳の長男の裁判員裁判が始まり、長男は母親への殺意については否認した。背景に浮かび上がったのは“教育虐待”。父親から学業をめぐり厳しく叱責されていたことなどが、法廷で語られた。検察側は逃げる父親を何度も刺して、ついにウッドデッキに仰向けに倒れたところをさらに刺したなどと主張している。父親への“強い殺意”がうかがえる反面、審理の最大の争点は「母親」にも殺意があったかどうかだ。検察側と弁護側がそれぞれ冒頭陳述で説明した事件の「背景」を追う―。
姿が見えないように法廷には“遮蔽”のパーティション
起訴状によると元大学生の長男(19)は今年3月、佐賀県鳥栖市の実家で両親をナイフで刺して殺害したとされている。佐賀地裁で1日始まった裁判員裁判に出廷した長男は「間違いありません。母親に殺意を持っていたというのは違います」などと述べ、起訴内容の一部を否認した。一方、検察側は冒頭陳述で「止めようと前に立った母親を排除しようと殺意を持って刺した」「小学生の頃から父親に厳しく叱られ中学生の頃から殺意を抱いていた」と主張しました。
佐賀地裁は、長男の名前や住所などの「被害者特定事項」を秘匿して審理を進めている。傍聴席からは長男の姿が見えないように“遮蔽”のパーティションも設けられた。
ポイント
検察側が提示した争点は3点
▽母への殺意が認められるか(傷の程度や長男がどのような状況でどう判断したか)
▽刑罰を課すべきか
▽量刑(計画性など)
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